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★エッセイ『ことなひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』
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『チャンピオンベルトは奪われた』350

 心配してくれる読者も多いようなので、ここで、例の『大げんか』についての総括をしなければなるまい。
 結論から書こう。
 負けた。不屈のファイターの前に、ボクはあっさりとマットに沈んだ。妻が世界チャンピオンになった。
 詳しく書こう。 
 実は、昨日書いた『年末のケンカ』は、翌朝あっさり解決しておりました。仲直りしていたんです。結構ラブラブだったりしたんです。
 仲直りを記念して、クリスマス用に買ったけどまだ食べてなかった『骨付き鶏もも』をストーブでゆっくり焼いて、豪華な食事をシェリー酒とともにいただくことになっていた。
 そんな最中に、突然第2ラウンドのゴングが鳴った。戦いが再開した。よって、食べたものも飲んだものもさっぱり覚えていない。
 第1ラウンドは、夜中1時半までの7時間半のファイトだった。しかし、第2ラウンドはもっと激しい死闘になった。朝3時半まで9時間の戦い。
 1時頃までは、ボクもまだファイティング・スピリッツがあった。だが、そのあとが続かなくなった。声が枯れ、目がショボショボになってきた。
 どうもその頃から、ボクは履いていたスリッパを「お猿のシンバル」のように叩いていたらしいのだが、自分ではよく覚えてない。
 それでも何とか頑張っていた。眠気覚ましに風呂に入ったりした。風呂から上がると、妻はもう寝室に行ったようだった。
 安心して少しYOUTUBEなどを見て、水を1杯飲んで寝室へ行った。
 眠かった。ボクは横を向いて目を閉じた。
 その時だった。
「敵に背中見せるのか!」
 その声で、ボクはまたマットに引きずり上げられることになった。
 妻は『不屈のファイター』だった。あの小さい体のどこにそんなスタミナがあったのか。彼女は世界で最も強いファイターだと思った。
 ボクは強い人間にあこがれる。世界チャンピオンを妻に選んだ自分を誇らしく思った。チャンピオン万歳! ボクは一生あなたに付いていきます。そう誓った。
 さっき、昼頃起きてきて妻と顔を合わせた。チャンピオンベルトを腰に巻いた妻が、余裕の表情で椅子に座っていた。ボクはその凛々しい姿を、神々しいとさえ思った。
 戦いのあとの清々しさとでも申しましょうか、とても気持ちがいい昼下がりだった。やり切った達成感のようなものがあった。やり切って負けたのだから勝利への未練など微塵もなかった。
 でね、そのあと無性におかしくなってね、ボクたち床に転がり回ってね、腹の皮よじれるほど笑い合ったのね。チャンチャン。

 (2010.12.29)   このページのトップへ

『雨降って痔を語れ』349

 夫婦喧嘩を心配する読者から、こんなメールを頂戴した。
 ありがたかった。あんまりありがたかったので、タイトルごと全文を載せることにしたい。
「お前が夫婦喧嘩を伝える勇気を高く評価する。日常生活を伝える事に、お前のエッセイの存在価値がある、と言っても過言ではない。一般読者は面白いと思って読んでくれているはずだが、積善の相棒、否、真理ちゃんファン、としては、『面白い』だけでは済まされないのよ。論客同士が夫婦なんだから、論争もあるかと思うが、何卒『穏便に…』と願う鈴木東栄52歳です。ヤッシね、俺んちは夫婦喧嘩は一度もない。みんな俺が悪いから…。やったら離婚だと思っている。だから、夫婦喧嘩ができるお前たちが羨ましい。結論が曖昧なまま、このメールは終わることになる」
 それにしてもこの方、格段に文章力が向上してきましたね。 
 かつて国語の偏差値20台だったのに、もう立派なエッセイストではないですか。
 いやいや、ホントに・・・。心配させてごめんね。

 (2010.12.29)   このページのトップへ

『年末の大げんか』348

 またやってしまった。ごめんなさい。
 反省してます。ごめんなさい。
 あなたの言う通りです。ごめんなさい。
 小説書きます。ごめんなさい。 
 真面目に生きます。ごめんなさい。
 愛しています。ごめんなさい。

 (2010.12.28)   このページのトップへ

『ごせっぱら焼ける』347

 これは石巻弁である。
 意味は「超腹立つ」である。
 石巻出身の妻が、超腹立てているわけではない。
 さっき、ボクがリンゴに怒っているのを見て、 
「そういとき、石巻弁では『ごせっぱら焼ける』って言うんだよ『ごしぇっぱら』とも言う」と教えてくれたのだ。
 秋田弁では何だろう。『死んたげ腹わり』かな?
 石巻弁に戻るが、「少し腹立つ」の場合は『せっぱら焼ける』と言うのだそうだ。『超』というニュアンスを出すときに『ご』が付け加えられる。
 TVドラマ『北の国から』で、純君が東京から来たばっかりの頃、蛍に道産子言葉を解説する場面があった。
「フツーにずるいのが『ずるい』、もっとずるいのが『なまずるい』、もっともっともっとずるいのが『へなまずるい』って言うんでないかい」。
 そんなことを考えているうちに、リンゴの怒りは収まったようだ。

 (2010.12.27)   このページのトップへ

『身震いするリンゴ』346

 ああ、また怒りたくなっている。
 何なのだ、これは!
 美味すぎる!
 津軽のリンゴ、美味すぎる! 
 昔「リンゴをかじると血が出ませんか?」というCMがあった。
 血は歯医者に行ったから出ない。血は出ないが血が上る。
 ああ、美味い!
 黄色も美味いが、赤も美味い! なともかともなね(秋田弁で「どうしようもない」の意)くらい美味い!
 文章の品格を考えて、できれば「!」マークは多用したくない!
 ああ、くそ〜! 美味すぎる!!!!!

 (2010.12.27)   このページのトップへ

『何をやるかではない、誰とやるかだ』345

 この言葉は誰かから聞いたものなのか、何かで読んだものなのか、それとも自分で発明したものなのか・・・それは忘れた。
 何をしたらいいか分からないとき、そういう視点でモノを考えるといいかもしれない。
 同じことをするのでも、気のあった人、好きな人とやるのと、そうじゃない人とやるのとでは天と地ほど楽しさ、充実感が違う。
 仕事しかり、食事しかり、趣味しかり・・・。 
 当たり前と言えば当たり前のことだけど、『シングルよりダブル』それも『気の合うダブル』。
 それは、伴侶という意味だけではなくて、友だち関係でも一緒だ。
 今年は今までになく、そういう人に出会えました。
 一緒にやれてよかったと思えることが多かった。
 そして、そういう出会いを作ってくれたのもまた、ボクの「親友たち」だった。

 (2010.12.27)   このページのトップへ

『演歌がしみるなあ』344

 年をとったからか。涙もろくなったからか。歌詞の意味が分かるようになったからか。
 おそらく全部なんでしょう。
 昔は、あれは絶対オヤジが聞くもんだ。あんな歌のどこがいいのだ! と思っていました。
 ところが最近、無性に演歌が聞きたくなるのです。これ、妻もおんなじだそうです。
 例えばこの歌知ってます? 「波の谷間に命の花が、2つ並んで咲いている。・・・型は古いが時化には強い。オレと兄貴のよお、夢のゆりかごさあ」正解! 『兄弟舟』です。 
 それから、『津軽』をキーワードにした演歌の数々。『津軽恋女』『津軽平野』『津軽じょんがら』・・・。『津軽海峡冬景色』はちょっとダメですね。力むのが嫌い。
 あと、これは演歌じゃないかもしれないけど、『時代遅れ』(河島英五)もいいですね。
 あの歌詞に歌われている「時代遅れの条件」というのがありますが、あなたは「時代遅れ度」何%ですか?
 ボクは20%でした。
 ちなみに妻は85%ですって。すげえ! カッケエ!

 (2010.12.27)   このページのトップへ

『キッチン総括』343

 キッチンをテーマに、今年一年を振り返ってみよう。
 幾つかの新メニューが加わった年だった。
 今まで面倒くさそうと思っていた料理をものにすることができた。天才が誕生した。
 代表的なものは『パエリア』。この道の天才はボク。『キッシュ』『アップルパイ』の天才は妻である。
 それとは別に、チンのない我が家の画期的「温め法」が発明された。 
 まず、「冷凍ご飯」については、保温状態の炊飯器にラップのまま投入しておけば、30分ほどでほっかほっかになる。この画期的な発明の発明者はボクである。
 最近、ボクらの朝は「おにぎり」ということが多いのだが、夜握っておいたおにぎりを温める方法として、保冷バックの口を開けてその中におにぎりを入れ、ファンヒーターの前に置く。これの発明者は妻である。
 どれもこれも理にかなった発明でしょう?
 えっ? チンぐらい買えばいいじゃん?
 嫌です。 

 (2010.12.27)   このページのトップへ

『上から下まで全快』342

「ああ、寝だ寝だ。ああ、やることないってうれしいな」
 スッキリした顔でそう言って、9時頃妻が起きてきた。
 昨日までかかっていた大きな仕事も、どうにかケリが着いたようだ。
 ボクは例の悪習慣が抜けず、今日などは2時半に出頭命令が下った。
 取り調べはさほど時間がかからなかったのだが、もう一回寝るかどうか迷った末、結局起きることにした。 
 『積善クラゲ』のライブ映像をYOUTUBEにUPする必要があったのだ。意外と時間がかかる作業でまだ終わっていない。メチャ眠い。
 妻は、お正月に実家へ持っていくお土産品のアイディアがひらめいたと、得意になってボクに告げている。キラキラしている。
「へえ、すごいこと考えたもんだねえ・・・」ドロンとした目でボクが言う。
「よく寝ると頭もスッキリ!」その通りスッキリした顔で妻はそう言うと、ボクが6時間半前に出頭した場所へスキップをしながら向かっていった。
 上から下まで全快。 

 (2010.12.27)   このページのトップへ

 

『怒濤のライブも終わってしまったよ』341

 それにしても、昨日は寒い一日だったし、長い一日でもあった。
 そして、何より楽しい一日だった。
 あんまり楽しいと、何をどう書いていいか分からないときがありますね。
 あれもこれも一杯あり過ぎて、指が止まるんです。 
 いずれ、追っていろいろ書こうと思うが、今日のところは、いろいろお世話になった皆さんへの感謝だけを伝えるに留めたい。
 ライブが終わってすぐ、最終の電車で帰ったので、その後4時まで盛り上がったらしい「打ち上げモード」をボクは体験していない。
 今日は、仕事で来られなかった妻と一緒に「ワタリガニ鍋」でも囲んで、プライベートに盛り上がろう。 

 (2010.12.26)   このページのトップへ

 

『カマアゲ、タマアゲタ』340

 昨日、妻と『釜揚げうどん』という店でお昼を食べました。
 いやあ、驚きましたねえ。驚きの連続でした。
 まず、ボクらは「入り口」が分からなかった。
 次に「どうやって注文するか」が分からなかった。 
 入ってすぐのところで、うどんを打っていた若いおにいさんに、
「そこを曲がってください」というようなことを言われた。曲がった。曲がったには曲がったが、そこで何をすればいいのかが分からなかった。 
「そこで、注文してください」と言われた。もっと何か言われたような気がするが、動揺していたのでよく覚えていない。目の前には大きな看板があった。そこから選べということらしい。しかし、何だか天ぷらも何もないいたってシンプルなうどんのメニューしかなかった。
「えっ! これしかないの?」とボクは思ったが、完全に金縛り状態のボクらは、おにいさんの監視のもと、仕方なく『とろたまうどん』なるものを注文した。350円。おお、リーズナボー。しかし、おにいさんはその注文をはねつけた。
「とろたまうどん、2つください」何度ボクが言っても、彼は頑として聞き入れない。ダメなの『とろたま』じゃ。でも、彼はどうもその注文に異議を述べているのではなかった。
「そこを曲がってから言ってください」つまり、そこを曲がったところでないと、あなたの注文は受け付けられない、ということのようであった。そこを曲がるしかなかった。2歩。
 もう一回そこで同じことを言うと、今度はあっさり笑顔で注文は受け付けられた。おにいさんは、やっと『とろたまうどん』の製作に入った。安心して、曲がったところの先を見ると、そこは10メートル以上もある長い回廊になっていた。回廊には、ところ狭しといろんな天ぷらやいなり寿司などが並べられているではないか! しかも、そこには5人ほどの『天ぷら揚げ係』のおばちゃんたちが、「はい、ナスの天ぷら揚がりましたあ」とか言っている。
「おお! 何だ、何だ」
 この辺りで、ボクはようやくこのシステムが分かってきた。なるほど、『とろたまうどん』は、とりあえずの『基礎的な土台』のようなものであって、この回廊を通ることで、最終的な建造物が完成されていくのだな。
 土台を受け取ったボクらは、トレイと皿を渡され、回廊を進む。進むが、どれもこれもおいしそうでなかなか判断がつかない妻と、どれもこれも片っ端から載せてしまうボク。いつの間にか恐い顔のおじさんが2人、「おい、早くしろよ」という顔で後ろからプレッシャーをかけてくる。焦る。焦って建造物の設計図が狂う。わけが分からなくなってくる。
 何だか分からないまま、会計コーナーで払ったボクらの建築費は、ものすごく膨大なものになっていた。最初350円だった『土台』が、総工費780円と1060円の『超豪邸』になっていた。
 最終コーナーを曲がり、ようやく最後の飾り付けであるところの『ネギコーナー』にたどりついた時、ボクらはもうクタクタになっていた。
 やっとの思いでテーブルに座った。キョロキョロしながら、落ち着きなくがむしゃらに箸を運んだ。
 結局、半分以上の天ぷらを残すことになった。

 (2010.12.25)   このページのトップへ

 

『声でかい』339

 昨日、妻と土崎ジャスコに買い物に行った。
 クリスマスイブのご馳走と、石巻のおばあちゃんから頼まれていた毛糸を買うためだ。
 おばあちゃんは、ここの毛糸が気に入っている。編んでいてベタッとならないのだそうだ。その辺の感覚は編んだことがある人にしか分からないのだろうが、とにかくここの毛糸でなければダメなのだ。
 並太のメリノウール100%。 
 ところが、ボクらが気に入った色の毛糸が在庫不足だった。16玉必要なのに8玉しかなかった。店の人に確認してが、そこにあるだけしかないということだった。 
「どうする?」
「おばあちゃんに電話しよう」
 そういうことになった。公衆電話は店の入り口にあった。タクシー待ちをしているおばさんが一人いた。
「おばあちゃ〜ん。や、です。今土崎ジャスコに来てるんだけどさあ」
 自分でも声が大きいことが分かった。隣の妻に聞いた。
「オレ、声おっきい?」
 その声がまた大きかったようだ。
 妻は口に人差し指を当てて、後ろのおばさんを振り返った。
 ボクが振り返ると、おばさんはクックックと、下を向いて押し殺すように笑っていた。

 (2010.12.25)   このページのトップへ

 

『ライブ』338

 ボクのエッセイを読んでくれている『石巻のおばあちゃん』は、『ライブ』という言葉をすっかり身に付けてしまった。
 こっちは、「コンサート」と言ったら分かりやすいかなあ、「演奏会」のほうがいいかなあ、と思っていたのだが、彼女は自ら『ライブ」と言った。
「や、そろそろライブでねえすか?」
 と、言ったのだ。 
 78歳のおばあちゃんに『ライブ』と言われると、何だかこっちが照れる。 
 そうなのだ。ライブは明日なのだ。どうすっぺ。
 ここまできたら、まあ頑張ってやるしかない。
 『ライブ』だがってものに集中するしかない。
 今日は、明日見に来られない妻へのX'masプレゼントに、ふたりだけの『スペシャルライブ』をやることにしている。
 いろんな料理も考えている。ワインも飲もう。
 問題は今降っている雪だなあ。秋田まで行けるかなあ。

 (2010.12.24)   このページのトップへ

 

『まいね、まいね、ん〜まいねえ』337

 最も短い一人称は津軽弁の『わ』であることは以前書いた。
 『わ』はすごい。ボクは世界一の一人称だと思っている。何がすごいか。文字に書いても、発音しても『たった一つ』だからだ。
 英語の『I』と比べてみよう。1文字だが、発音は『アイ』と2音になってしまう。よって『わ』の勝ちである。
 フランス語の『ジュ』はどうか。発音的には1音とみなせても、文字は『Je』なのでこれもダメ。 
 それ以外の言語を引き合いに出して論じてみたいが、残念ながらそれほどヒマじゃない。(ホントは知らねえな、こいつ) 
 そういうわけで、『わ』は世界一ということに決定しました。
 『わ』が世界一になったわけだから、当然『津軽弁』は『世界一の言語』ということになる。(なんで?)
 『津軽弁』が世界一ということになれば、『津軽弁』を発明した『津軽の人』も世界一ということになる。(なんでよ!)
 論理の飛躍と思わないでいただきたい。『津軽の人』は本当にいい人なんだから!(ねえ、何怒ってんのよ)
 実はですね、昨日ですね、津軽の人から『りんご』が1箱届いたんですね。(なるほど)
 送ってくれたのは、妻の会社時代の大恩人で、あのストーブ列車でおなじみの『津軽鉄道』とともに人生を歩んできた方です。
 いいなあ、津軽。行ってみたいなあ、津軽。津軽、津軽、世界一の津軽・・・。
「まいね、まいね、ん〜まいねえ」
「まいね、まいね、ホントにホントに、ん〜まいねえ・・・」
 怒りたくなるほどおいしいりんごをかじりながら、ボクたちは今、雪に煙った津軽の夢を見ております。
 まいね、まいね。

ストーブ列車         ストーブ列車

 (2010.12.23)   このページのトップへ

 

『幸せの香り』336

 今日はきれいにいきましょう。
 ああいうの、あんまり好きじゃないんです。(じゃあ、書くな!)
 昨日は『アップルパイ』を作りました。作ったのは妻です。 
 年末まで全く休みがなくなってしまった妻は、ストレス解消のためと、突如「アップルパイを作る!!」と宣言。
 以前作ってあった、『自家製りんごジャム』をたっぷり入れた、ご覧のような見事な焼き色の『アップルパイ』ができあがったわけです。
 これ、お世辞じゃなく本当にうまかったですよ。
 今まで食べた中で一番。
 ジャムの甘み加減がいいんですよね。ちょうどいい甘さ。
 シアタータイム3回分のデザートの完成です。
 ちなみに、うちには20年以上の前の、小さなオーブントースターしかないので、こんな形のパイなんです。
 それにしても、焼いている時のあの香ばしい香り。あれって気持ちをゆる〜く、おだやか〜にしてくれるんですよね。
 幸せの香り・・・。食って良し、かいで良し。

アップルパイ1          アップルパイ2

 下↓のタイトルとえらい違いやな。

 (2010.12.22)   このページのトップへ

 

『ASAGUSO』335

 大変申し訳ありませんが、今、食事中の方はこのエッセイ飛ばしていただいたほうがいいかもしれません。
 こう書くと、かえって目がギラギラしてくるそこの方! あなたです、あなた。
 日本語で書くとリアルなので、あえて『ASAGUSO』とさせていただきます。 
 ボクは最近、『ASAGUSO』人間に成り下がってしまった。
 3時半とか4時半に決まって『ASAGUSO』の呼び出しを受ける。出頭命令が出る。
 その時刻は寒い。寒いなんてもんじゃない。氷点下の世界である。
 出頭命令に逆らえば、大変なことになってしまうので仕方なく起きる。
 出頭先では、下半身の衣類を脱ぐように命じられる。
 さぶい。さぶいのにもっと脱がされる。
 そして、「そこに座れ!」と命じられる。
 ちゅめたい。ちゅめたいなんてもんじゃない。
 急いで帰還したい。ことを急ぐ。
 だが、そういうときに限って『空砲』だったりする。今朝もそうだった。
 体重減に何ら影響を及ぼさないただの『空砲』・・・。空振り。空虚、空洞化、空回り、空っケツ・・・。
 空しい気持ちを抱いたまま、戻ってまた布団に入る。
 体が激しく冷えている。くしゃみが10連発出る。やがて、腹にまた違和感を感じる。
 「おい、嘘だろう」と思う。「マジスカヤ」と腹に向かって聞いてみる。
 マジだった。再度、出頭命令が下る。
 この辺りで妻が起きる。「るっさいわね!」という顔でボクを見る。
 2度目の出頭命令が下ったことを伝えると、「またあ〜」と言われた。
 さっきの取り調べが不調だったことを申し述べつつ、廊下を走る。
 長年の勘で、これは腹が冷えたために起こる『ある特別なゲル状のもの』、『一刻の猶予も許されないもの』であることを想起しつつ、ドタドタと廊下を駈け走る。
 さっきとは違い、自ら率先して速やかに脱衣、着座を完了する。
 何とか間に合った。「よかった」と胸をなで下ろす。思わず『注意1秒、けが一生!』という標語が浮かぶ。
 思えば人生、ハラハラドキドキの連続だった。たまには失敗もあったけど、よくぞここまで頑張ってきたものだ。
 『ASAGUSO』人間に成り下がった男の、悲しくも切ない独り言でした。
 長い話になってしまった。

 (2010.12.21)   このページのトップへ

 

『ドラマが消えた日』334

 さっきの映像を26回見て気付いたことがある。
 1988年〜1992年というのは、インターネットもケータイもほとんど(「ほどんと」ではありません)普及していなかった時代だ。 
 この時代までは、こういう素敵なCMが作れたんだな。こういうシャレたコピーが書けたんだな。そこここに、こういうドラマがあふれていたんだな。そう思った。
 ドラマが消えた日。それはメールやケータイの普及と無縁ではない。
 ボクらはケータイを持ってない。
 ドラマはまだ続いている。 

 (2010.12.20)   このページのトップへ

 

『やめてください、おじさん泣かすの』333

 いつもボクが見ているブログ『ワシントンDC 単身赴任日記』に紹介されていた映像を見て、マジ泣きました。
 もう言葉がないです。降参です。おじさんは涙腺弱いんです。 

 

 そういうおじさんは見ないでください。えっ? もう見ちゃった? やっぱり泣いちゃった? 

 (2010.12.20)   このページのトップへ

 

『ほどんと』332

 自分ではごくフツーに使っている言葉だが、微妙に間違っていることがある。
 例えばこの『ほどんと』なんかが典型的な例です。 
 全国的な傾向ではないかもしれませんが、少なくとも東北地域では、かなりの頻度で耳にしました。
「そっち、雪どうだい?」
「今年は去年と違って『ほどんと』降ってねえ」などと使います。
 意味はお分かりのように「ほとんど」です。語呂は『ほどんと』一緒です。
 ボクがサラリーマン時代の上司に、この『ほどんと』という言葉を、ものすごい頻度で使っていた人がおりました。
 その方は当然、『ほどんとさん』と呼ばれておりました。
 その人とは別に、『そういった部分で』を多用する上司もおりました。口癖です。
 意味もなく話の頭に『そういった部分で』を付けて話すのです。でも、怖い上司だったので、「どういった部分ですか?」と突っ込むことはできませんでした。
 こちらは当然、『部分さん』と呼ばれておりました。
 大学時代、アルバイト先の専務さんは『結局いわばさん』と呼ばれておりました。いや、勝手に呼んでおりました。
 ボクらは、こういう言葉に出会うとものすごくうれしくなり、ワザとそれを使ってしまう習癖があります。
 やがて、その間違った言葉が会話の中に定着していきます。
「今日の雷、すっごいダイキョウオン!」
「うんうん」
「あれっ? 本当は何だっけ? ダイキョウオンじゃなくて・・・」
「はて、何だっけなあ?」
 答えはもちろん「大音響」です。 

 (2010.12.20)   このページのトップへ

 

『不覚、寝コロンボ』331

 夕べ、妻といつもの「シアタータイム」に「刑事コロンボ」を観てました。
 いよいよ事件が解決に向かって動き出す後半の後半、ボクは不覚にも寝てしまいました。 
 こういう刑事ものを観る場合の「最悪の失態」を演じてしまったわけです。
 最後まで観終えた妻は、そんなボクをせせら笑いながら、
「ああ、おもしろかったあ!」と言いました。
 不覚、寝コロンボ。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『こちらも見てください』330

 『積善クラゲ』のコーナーが完成しました。
 こっちにもエッセイを書いていますので、よろしかったらご覧下さい。 
 彼らのライブまで、1週間を切ったようです。
 大変なことになってきているようです。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『思い出しバイアス』329

 疫学調査の方法で、例えば喫煙と肺がんの因果関係を調べるときに、すでに肺がんになった人を対象にして、仮説要因を過去にさかのぼって調査する場合、過大申告や過少申告となる可能性がある。これを『思い出しバイアス』という。
 突然、何だ、何だ、と思われたかもしれない。 
 そういうことをちょっと聞きかじったもんだから、何か書きたくなったのである。  
 疫学調査とは全く違った視点で、というか解釈で、この『思い出しバイアス』を考えてみたい。  
 つまり、人間、過去のことを語らせると、結構この「過大申告」をしてませんか? という問題提起である。
 これはナルシストに多い気がする。
 過去の栄光をズーッと大切に持ち続けている。それだけならいいが、過去の実際の出来事は、やがて過大に美化されていく。脚色されていく。でも、本人はそれに気付かない。
 草原に一輪咲いていたチューリップの花は、さながら広大なオランダのチューリップ畑のようになっていく。そこにいる自分は、にきび面の青年ではなく、白馬に乗った貴公子だ。そこにいる相手もまた、おさげ髪のブーちゃんではなく、美しいシンデレラだ。
 『タイタニック』で、デカプリオのスケッチブックに、虫食い穴だらけのコートを着た老婆が描かれていた。
 愛した人に昔買ってもらったコートを着て、くる日もくる日も思い出の店に通い続けるしわだらけの老婆。
 ボクは、あれを思い出してゾッとした。哀れな気持ちになった。
 今の自分が一番好きでありたいね。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『線香焼酎』328

 先祖の誰かの祥月命日には、仏前に何かお供えするのですが、15日は、ボクの曾祖父にあたる「貞吉じいちゃん」のそれでした。
 貞吉じいちゃんは、片足が無かったのですが、働き者で辛抱な人だったそうです。 
 ボクが生まれた年に死んだので、みんなトミさん(ばあちゃん)に聞いた話です。  
 貞吉じいちゃんは酒が大好きで、自分でも酒の量り売りをしていたそうです。  
 末期の肝臓がんで、死ぬ間際でも「なんでもねえ、医者には絶対行かない。酒が飲めないくらいだったら死んだほうがマシだ」
 そう言っていたそうです。
 前置きが長くなりましたが、そんなわけで、ボクらは貞吉じいちゃんの祥月命日にはお酒を供えます。
 その焼酎を下げるのを忘れていたのですが、昨日もったいないから飲んでみました。
 なんと、それは『線香の味がする焼酎』でした。
 厳密に言えば、線香は食ったことがないわけでして、線香の香りがする焼酎ということになります。
 何て言うか、「仁丹の味」にも似てましたし、イメージをいいほうに膨らませれば「煎茶の味」と言えないこともありません。
 あんまりお勧めはできません。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『はまった、かぼす』327

 夕べは鶏の水炊きでした。
 うまかったなあ。 
 手羽元と妻特製の鶏団子、それに豆腐、野菜をギッシリ入れ、いつもの土鍋でクツクツ。  
 塩はほんの爪のあか程度。  
 普通は、このあと「ポン酢」に付けて食べるでしょ?
 ボクらはここで、「大分県特産かぼす100%かぼす果汁」をたらしていただきます。
 それにちょっとだけ「ゆずコショウ」を付けて食べます。
 うまかったなあ。
 塩分を極力抑えるために、この柑橘系の味付けを考案したのは妻でした。
 しょう油やポン酢一辺倒ではいけない。もっとおいしくヘルシーに。そう考えたのだそうです。あんたは偉い!
 我が家では、焼き魚にもそうしています。
 ちなみにこの「大分県特産かぼす100%かぼす果汁」は、その名も『かぼす本家』というところで出しています。
 ボクらは生協宅配で買いました。
 ああ、早く『水炊き雑炊』食べたいなあ。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『うるさいね、君』326

 早朝、トントントントントントン・・・と木を叩く音。
 毎日その音がして目が覚める。 
 こんなに早くから大工さん?  
 ボクたちは、凍てついたサッシの窓を拭いて外を見た。  
「あっ! あれアオゲラじゃない?」
「アオゲラだ!」
 アオゲラがボロ小屋の板をつついていた。
 なぜだ? あんなとこつついても虫いないだろうに。
 そもそも、すでに穴だらけなのに。お前、何やってんの?
 けしからん。非常に迷惑な鳥だ。
 妻がボソッと言った。
「口、かゆいのかなあ」

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『論駁、論破、オッペケペー』325

 論駁とは、相手の論や説の誤りを論じて攻撃すること。
 論破とは、議論をして相手の説を破ること。 
 国会の質疑の場ならいざ知らず、家庭内でこれをやると喧嘩になる。  
 そんなときは、  
「オッペケペー!」
「すっとこどっこい!」
 これでいいのだ。
 すべからく、これでいいのだ。

 (2010.12.19)   このページのトップへ

 

『まだ未練は続いている』324

 あの『入れ歯』のことなんです。
 硬いものを食べるでしょ。そういうときに未練がつのってくるのです。 
「どうしたの?」 
「いや、未練がね」  
「何の?」
「入れ歯の」
「そのうち買ってあげるわよ」
「うん。どこ行ったんだろうね、入れ歯」
「飲んだのよ、きっと」
「そうかなあ」
「そう、あきらめなさい、いい加減に」
 金属探知機、欲しいなあ。

 (2010.12.18)   このページのトップへ

 

『オッペケペー』323

 昨日、妻にきたある女性の方からのメールに「・・・頭がオッペケペーで・・・」という文言があったそうだ。オッペケペー。
 わっ! オッペケペーだって・・・。 
 これぞ、我々が愛してやまない『意味なしフレーズ』の最高峰ではないか!
 その方は、ごく当たり前のように自然に、その言葉を用いていたそうですが、年齢もまあ、そこそこの年齢なのでしょうが、ボクはその方に深いリスペクトを感じざるを得なかった。ありがとう!  
 同時にボクは、「オッペケペー」と双子の兄弟分である「すっとこどっこい」という言葉を思いついてしまった。
 調べてみると、川上音次郎の「オッペケペ節」というのが起源らしいが、言葉の意味は「ない」のだそうだ。いいじゃん、いいじゃん。
「これ、いいね。流行らせよう!」
「おう! まずはエッセイのタイトルをこれにしよう!」
 そんなわけで、タイトルは「オッペケペーですっとこどっこいな日常」に決定しました。何だか分かんないけど、何だかたまんなくおかいいこの言葉を、皆さんもどうかお使いください。
「この、オッペケペー!」
「うるさい、この、すっとこどっこい!」
 そんなふうに使って喧嘩してください。顔は笑ってますから。

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『六尺ふんどし』322

 ちょっとお知らせです。
 このページが、『六尺ふんどし』のように長〜くなってしまったので、50話ずつ「バックナンバー」として切り取りました。1尺の手ぬぐいを6本作ったイメージです。
 操作性がよくなると思います。 
 それと、このエッセイコーナーにタイトルを付けました。『ことなひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』という長いタイトルです。
 タイトルの意味は、あとでお話しします。  
 そういうこととは全く関係ないんですが、ボクらは昨日夜8時半に寝て、今朝の8時半に起きました。妻は9時でした。2人とも12時間以上の大爆睡。
「ふふか分寝た」(2日分寝た)そう言って、回らない口でしゃべりながら、妻は頭をゴリゴリ掻いていました。頭も大爆『髪』でした。
「あー、すっきりしたあ・・・」
 そう言って、妻は笑顔でまたトトトトトを始めています。
 昨日までのことは何事もなかったかのようです。
 な〜んだ、寝りゃあいいんじゃん。

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『やっぱり笑顔が一番やな』321

 代表の仕事は、ここんとこず〜っと超超超忙しくて、毎日早起きして一日中頑張っている。そして疲れ切っている。
「私、いつまでこんなことやってんだろう」 
 と、代表らしくない愚痴が出ることもある。
 早く楽な暮らしをさせてあげたいのだけれども、ボクがやってることは目先のお金には全く貢献できず、そんな代表を見ているとボクは情けない気持ちになる。  
 超が百個付くほどの「仲良し」を自認してきた2人だけれど、最近ちょっとしたことでいがみ合うことが多くなった。
「疲れてんだよ」
「私、寝るわ」
 そして、今朝になった。
 しばらく、2人とも寝る時の顔のまんまだった。
 ボクが「仲直りしよ」と言っても笑わなかった妻が、ようやくヘッドホンを外しながらこう言って笑った。
「ああ、おなか空いた」
 ボクは明太子のおにぎりを差し出しながら思った。
 やっぱり笑顔が一番やな。

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『可愛すぎるセーター、大人気』320

 石巻のおばあちゃんから電話があった。
 孫たちに「セーター編んで!」と、せがまれているのだという。
 あの<可愛すぎるセーターの写真>を、ホームページで孫たちに見られたことが原因なんだって。
 今までは、ボクら以外誰も見向きもしなかった「おばあちゃんのセーター」が、今や大ブレークなのである。  
 東京にいる、ボクにとっては「おい」にあたるY君曰く。
「あっちではこういう『縄模様』流行ってんだよ」
 「縄模様」という表現もすごいが、「やっと流行のほうが追いついたな」と、密かにボクらはほくそ笑んでいる。
 しかし、おばあちゃんがこんなに売れっ子になってしまっては、もう当分ボクらの番はこないだろうな。
 何だかちょっと、嬉し悔しいね。

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『とうとう凍った』319

 まいったな。また凍ったよ。
 風呂場と洗面所の蛇口をひねっても一滴もお湯が出ない。管が凍っているのだ。
 毎年、必ずこういうことになるのだが、今回は急激に寒くなったので、油断をして水抜きも保温もしていなかった。  
 やかんにお湯を沸かして、蛇口にかけて暖めた。お湯は、それから3時間後にようやく出た。
「よかった。風呂に入れるよ!」
「やり〜!」
 いつものことだが、2人抱き合ってよろこんだ。
 一般家庭では当たり前のことが、ここでは『ものすごい感動』だったりする。

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『積善クラゲへの道』318

 昨日、「あるまんど山平」から電話があった。
 積善クラゲはおもしろい。よく分からんがウケている。『積善クラゲへの餅』もとい『道』という別コーナーにしたらどうか? よかったらオレがやってるラジオでも紹介しようか? ということだった。ちなみに、ボクの入れ歯に関する言及はなかった。
 恐れ多くも、今まで、数々のユニットをプロデュースして成功させてきた彼の口から、そんなことを言われるなんて・・・。  
 スズキさん、イトウさん、よかったですね。すごいことになってきましたよ! 明るい未来が開けてきましたよ!
 あんなにボコボコにされた日々も、振り返ればいい思い出になるはずです。頑張ってくださいね。
 ボクも、微力ながら協力を惜しみませんよ。
 まだ途中ですが『積善クラゲへの道』は<こちら>です。リンクボタンはこのページの上のほうにもあります。

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『セカンドバッグ派』317

 これから10日ばかり山ごもりするので(缶詰になるので)、思い切って吹雪の中を買い物に行った。
 お店のいたるところに「サイドバッグ」を小脇に抱えて歩いているおじさんがいた。今日は15日で年金が入ったからでしょうか、そういう人がやたら多かった。
 別名「セカンドポーチ」ともいうようですね。いずれにしてもセカンドってことは、2番目ってことですから、1番目じゃない。メインじゃない。
「メインのバッグは家にドーンとあるんですよー。あるんだけど、今日は便宜上ちっちゃいほうを持ってきたんですよー」
 そういうことを言いたげである。ま、そんなことはどうでもいい。
 とにかく「セカンドバッグ」について早く語りたい。先を急ぎたい。ところで、分かります? こんな形です。

 

 大きさは大学ノートくらいで、おおむね黒、たまに茶色。
 あれってどうですか? 皆さん、「サイドバッグ派」をどう思います? それからこれは、あくまでも男性の「サイドバッグ」ということで聞いてくださいね。
「オレ3つ持ってるけどかっこいいと思うな。バッチグー」そういう方も確かにいるでしょう。
「今まで、な〜んも考えたことありませんでした」はいはい、そういう方もいるでしょう。
「わっ! かっこ悪〜い!」そう思って見ていた方がおられましたら、あなたはボクらと気が合います。お仲間です。
 ボクらはず〜っと、あれほどかっこ悪いものはないと思ってました。
 なぜかっこ悪いのか? なんでだろう? ボクらはそのことをクルマの中でず〜っと考えてみました。
 結論!
 あれはバッグそのものではなく、その持ち方がかっこ悪いのだ。
 ねっ? どうです? 今度機会があったら、よ〜く観察してみてください。 
 100%全員、脇の下に体温計を挟むようにして抱えているでしょう? 体温計を脇の下に挟んだとき、ブラブラした手が置き場をなくしてしまうように、あの人たちの手も上に向いてブラブラしていて変じゃありませんか? 
 しかも、そうやって抱えた場合、どうしても腰が前に曲がって、微妙に前傾姿勢になるでしょ? 
 あれがかっこ悪いんですよね。何かコソコソ悪いことをしているような、卑屈な感じになるんですよね。特に師走のこの時期は、どうしても行き詰まった切なさをかもし出してしまう。
 昔のバスの車掌さんのように、ひもを付けて首からぶら下げたほうがよっぽどかっこいいと思うんだけどなあ。どうですか? 支持していただけますか?

 (2010.12.15)   このページのトップへ

 

『99.54%の関係』316

 さっきちょっと、洗い物をしながら考えたことがある。
 ボクたちが一緒に暮らした日数ってどれくらいあるだろうか?
 ヒマだったので、実際電卓で計算してみた。
 2004年6月から2388日だった。(本当にヒマだ) 
 次の疑問が浮かんだ。それだけの日数の中で、別々に行動をした日は何日あっただろうか?
 ヒマだったので思い出してみた。
 村の共同作業で、ボクだけが参加した日が5回あった。
 無性に飲みたくなって、ボクだけ単独で秋田市に行った日が1日あった。
 妻が、踊りの先生のお祝い会に出席したことが1回あった。
 ボクが、秋田市で古い友人と酒を飲んだことが1回あった。
 妻が、石巻で古い友人との飲み会に参加したことが1回あった。
 ボクが、あるまんど山平の店で東栄(スズキさん)と泊まりがけで歌ったことが1回あった。
 ボクが、同窓会に出席したことが1回あった。 
 あとは・・・。う〜ん。どう考えてもそれしか思い浮かばない。
 別行動をした日数は、つごう11回しかない。
 ヒマだったので、別行動率を計算してみた。
 11/2388。0.46%だった。驚くべき数字が出た。
 逆も計算してみた。一緒にいる比率。(ホントにヒマだ)
 99.54%だった。どうも、こんだけ一緒にいるようだ。

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『コーゾーさん、ごめんなさい』315

 小屋のほうでチェーンソーの音がすると思って行ってみたら、コーゾーさんだった。
 コーゾーさんが薪を切ってくれていた。
 まさか、ボクのエッセイを読んで慌てて来てくれたわけではないだろうが、タイミングがいい。
 領海侵犯なんて言ってごめんなさい。 
「気になってだんだども、網膜剥離の手術して入院してだもんだがら。そのあども、手しびれで・・・」
 我が家の管理人を自称する彼は、そう言ってボクに詫びた。
 そんなことがあったとはつゆ知らなかった。
 彼は、不自由な手でまさかりを振り上げると、ボクがどうしても割れなかった切り株を、いとも簡単に割ってみせた。
「おお〜!」
「オラ、パソコンはでぎねえども、こっちはでぎる。やっぱり餅は餅屋だべ」
「本当ですね。やっぱり力だけじゃなくて長年の勘なんでしょうね。でも、あんまり無理しないで下さい」
 ボクがそう言うと、コーゾーさんはニヤッと笑いながら、
「このくらいもあれば年内はもつべ。まだ調子みながらくっから」 
 と言って帰っていった。
「いや、無理しなくてもいいっす。こっちでも何とか・・・」
 そう言いかけてボクは思った。
 こっちでは何ともならないんだよなあ。

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『おだづなよっ! このっ! part3』314

 予想通り、予報通り、今朝起きたら雪が積もっていた。
 雪をかぶったコーゾーさんちの竹やぶの竹は、我が国の領土を3メートルも侵犯している。けしからん!
「おだづなよっ! このっ!」と、竹やぶに向かって言ってみたが、何だか空しい。
 サブイ! 家の中が凍りそうだ。何だこれは。めちゃめちゃサブイではないか! 
「おだづなよっ! このっ!」と、冬将軍に向かって言ってみたが、やっぱり空しかった。
 そんな中、年末までビッシリ仕事が入っている弊社代表は、早朝に起きて、かじかむ手でキーを打っている。
 トトトトトトトト・・・。いやあ、あんたは本当にエライ! ホレボレするなあ。さすが代表だなあ。手が真っ赤だなあ。
 おっと、こっちもエッセイなんか書いて「おだってる」場合じゃなかった。
 早ぐコーヒー沸がさねばねんだった。

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『おだづなよっ! このっ! part2』313

 ヘルスメーターの数値が急上昇している。
 体重もだが、皮下脂肪と内蔵脂肪の値が激増。
 原因は明白だ。毎日、スイーツを食べ続けているからに違いない。
 ヘラヘラと快楽に身を任せているからに違いない。
 ボクは、そんな「自堕落な自分」に言いたい!
「おだづなよっ! このっ!」

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『おだづなよっ! このっ!』312

 ボクのエッセイを読んでくれているありがたい方がおります。以前にも紹介しましたが、仕事でワシントンDCへ単身赴任している方です。
 その方のブログに、「仙台弁」という<こんな記事>がありました。
 妻もボクも、人生の半分ほどを仙台で過ごしたので、「仙台弁」と聞いて懐かしくなりました。
 妻は「石巻弁」と「仙台弁」のバイリンガル、ボクは「秋田弁」と「仙台弁」のバイリンガル。共通言語は「仙台弁」です。
 そんなわけで、日常会話の中では、無意識に「仙台弁」でしゃべってる比率が圧倒的に高いようです。
 この前、「エビ」だか「カニ」だかっていう男が、「殴った」だか「殴られた」だかって言って、ボコボコの顔と充血の目でTVに出てました。
 言ってることも、「謝ってる」んだか「怒ってる」んだかさっぱり分からない。舞台に大穴を開けといて、お前は一体何を言ってるんだ! 腹が立ちましたね。
 何億もかけてド派手な結婚式をしたばっかりでしょ? 奥さん可愛そうですよ。この男まったくあきまへんわ。人間、浮かれて調子に乗り過ぎるとこういうバカなことになるんです。
 こういう人間に対して「仙台弁」は的確に糾弾してくれます。完膚なきまでにやっつけてくれます。しゃべるとスッキリします。これ以上の表現は、他の方言を探してもありません。断言できます。では紹介します。皆さんも声に出して言ってみてください。
「おい! エビ! おだづなよっ! このっ!」

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『飲んだみたいです』311

 「入れ歯捜索願」のかいなく、あの人はまだ見つかっていない。
 そろそろ未練を断ち切らなければならない時期だろう。
 このままいつまでも、キョロキョロしてても仕方ない。
 飲んだんだよ、ゴックンって。そう思って割り切ろう。
 あれから何日もたつし、胃腸に違和感がないし、便通も普通だし、ということは、あの人は、あの中に混入して、あの中に落下したのだろう。
 場所が場所だけに、落下してしまったものを探し出す勇気はボクにはない。まみれたくない。
 代表、ごめんなさい。二度と飲まないように気をつけますから、できればもう1本買ってください。

 (2010.12.14)   このページのトップへ

 

『逃げ切れると思うなよ』310

 12月も中旬。今年はいつもの冬より雪も少ないし暖かいなあ、と思っていた。
 このまま一気に逃げ切りたいと思っていた。
 が、しかし・・・。
 明日の天気予報を見て、ああ、やっぱりそうだよな。秋田の冬を甘く見ちゃいかんよな、と思った。
 五城目町の最高気温1℃、最低気温マイナス4℃だって! しかも雪、これから1週間ず〜っと雪。(Yahoo!天気予報調べ)
 やっぱりな来たな、冬将軍。そりゃそうだよな。逃げ切れるわけないよな。ここは秋田なんだもんな。
 薪が残り少なくなっている。煙突も詰まり始めている。  
 最近、毎日のんきなことを書いてばかりいたので、すっかり目の前の過酷な環境を忘れていた。直面しなければならない「生活」という名の現実を忘却していた。
 いかん、いかん。
 気を引き締めてかからにゃいかん!
 スイーツ食べて、よだれを垂らしている場合じゃなかった。
 よ〜し! 今日から薪割りに励むぞ! 
 あっ、いけね。もう割る薪がなかったんだった。
 コーゾーさ〜ん、薪、お願いしま〜す!

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『鼻先で屁をこかれた!』309

 そう言って、今しがた妻が起きてきた。
 もう時計は9時を回っている。
「ああ、いくら寝ても眠たい」
 あくびをしながら今度はそう言った。
「誰に屁こかれたの?」
「でっかいケツをしたオペラ歌手」  
 う〜ん。こいつ寝ぼけてるな。
 寝ぼけた妻の話を要約する。
 お姉ちゃんと買い物をしていたはずが、なぜかオペラを観ていた。デブの男性が2人、目の前でオペラを歌っていた。あまり上手くなかった。すると、突然デブの一人が私の目の前にきて、巨大なケツを私の顔の前に突き出し、後ろを振り返ってニヤッと笑ったかと思うと、驚いている私の鼻先で「ブッ!」と、ものすごい勢いで屁をこいた。ムッとした。臭かった!
 おおむねそういうことになる。何だかさっぱり分からないが、「オペラ」と「オナラ」の字面がちょっと似ている。
 歯ブラシをくわえながら、モグモグ妻が言った。
「いい加減に起きろってことだったのかなあ・・・」
 そうに違いない。

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『年賀状2011』308

 風物詩が好きなボクらとしては、どんなにメールの時代になっても「年賀状」は書きます。
 でも、数は随分減りましたね。
 ボクが20枚、妻が30枚くらいでしょうか。  
 去年の年賀状を見ていて思ったことがあります。
 「喪中のため・・・」の人が急増している!
 みんな、そういう年回りになったってことでしょうね。
 何だか切ないです。

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『スイーツ天国』307

 チョコやケーキがたくさんあって食べきれない。
 もう本当にやめてほしい。
 夕べは、至福の「シアタータイム」に『刑事コロンボ』を観ながら、勘兵衛さんからいただいた『サツマイモアップルパイ』を食べ、それからスズキさんにいただいた『高級チョコ』を食べた。  
 至福の3乗、言う事なし!
 ただ、問題が一つだけある。
「わっ! このままでは『ゴロンボ』になっちゃう!」
 恐る恐る体重計に載った妻が言った。

 (2010.12.14)   このページのトップへ

 

『可愛すぎる!』306

 おいしいと眼鏡が落ちる人が昔いたが(大村昆です)、ボクは、可愛すぎると怒りたくなる習癖がある。
 今、ボクは無性に怒りたくなっている。
 それは石巻のおばあちゃんからセーターが届いたからである。  
「可愛すぎる!」
 しかもメッセージカードには「不具合なところは次回作品で改めます」と書いてある。
「可愛すぎる!」
 セーターの写真は<こちら>です。ねっ! 怒りたくなるくらい可愛いでしょ?

 (2010.12.13)   このページのトップへ

 

『やっぱり入れ歯ないんです』305

 昨日、ありとあらゆるところをくまなく探したんですが、ダメなんです。ないんです。
 いつもは外したらコタツの上に置いておくのですが、人が来るというので、そこを片付けた時にどっかへ行ったのか、そもそもその時は装着していたのか、全く思い出せません。
 非常に小さな、1本だけの部分入れ歯なんで、もしかして、床に落ちて掃除機で吸ってしまった可能性もあります。セーターとか何かに引っ掛かってぶら下がっている可能性もあります。  
 最も怖い可能性は、明け方酔っぱらって寝た時に、飲んでしまった可能性です。
 とにかく困っているわけなんです。誰か本当に知りませんか? スズキさん、あるまんど山平さん、勘兵衛さん、服とか何かにくっ付いてませんか? ぶら下がってませんか? 間違ってはめてませんか?
 この入れ歯は、非常に貴重なものなんです。誕生日に、妻に買ってもらったものなんです。(第4話参照)皆さん、マジにちょっと見てもらえませんか?

 (2010.12.13)   このページのトップへ

 

『真の営業マン』304

 怒濤のような誕生日だったので、この方のことを失念しておりました。
 その方とは「スノノメズドシャのスミズさん」です。
「あ、どもども。スノノメズドシャのスミズだすう。おはよございますう。いやあ、べずに用もねんだすども、今日たんじょびでねがったがど思ってえ電話すただげだすう。お〜めでどございますう。奥さんも変わりねすか?」  
 朝、そういう電話をいただいていたんだった。大変失礼いたしました。この場を借りで御礼申し上げます。
 営業マンの鏡だなあ。彼は毎日のように、誰かを祝福しているんだろうなあ。積善の人だなあ。
 この人のことは、第159話も見てみてください。

 (2010.12.13)   このページのトップへ

 

『スズキさんを心配するファンからの1通のメール』303

 こんなことが書いてある。
 そのまま載せて、スズキさんに元気になってもらいたい。
「エッセイを読んでいて何だか泣けてきました。スズキさん、私はあなたの大ファンですからね! 元気を出して頑張ってくださいね。「クリスマスライブ」は必ずかけつけますからね。それにしても皆さんあんまりです。特にイトウさんには失望しました。リーダーを何だと思ってるんでしょうか?」  
 スズキさん、このメールを読んで元気出してください。株は確実に上がっています。ファンも増えてきています。
 ちなみに、このメールを送ってくれた方はこのような方です。

onsen

 あれっ? どっかでお会いしたような・・・。

 (2010.12.12)   このページのトップへ

 

『心配なスズキさんからの1通のメール』302

 こんなことが書いてある。
 そのまま載せて、読者の心配に答えたい。
「これから、山平のライブ会場へ向かう。世話になったな。また、連絡します。エッセイも読んだよ。期待してますぜ。  
 なお、俺が爪から出血しながらギターを弾いていた話は涙無くしては語れない。そしてそのあとのダメ出し100連発! 穴があったら冬眠したい」
 リーダーの踏ん張り時だ。

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『ハートレイ彗星』301

 いろいろ書きたいことがある。
 勘兵衛さんを送りに、妻と村の公民館まで行った帰り道、何気なく見上げた空に満天の星が輝いていた。
 久しぶりに見る夜空。キンと冷えた空気と田舎ならではの残照のない漆黒の闇が作り上げる天体の神秘。
「わっ! 今、流れ星飛んだ!」妻が叫んだ。
 その時、ボクはしっかり祈っていた。
(ライブ成功しますように!)
 天体のことに全く疎いボクらは、ここで「山と星とフォークを愛し続けて37年」のスズキさんに登場してもらうことにした。
「あれ、カシオペア?」
「いや、あれはM87星雲の・・・」
「ああ、ウルトラマンのあれね!」
「いや、ウルトラマンはM78星雲で・・・」
 そういう幼稚園児と大学院生のような会話をしている時、突然スズキさんが叫んだ。
「あっ! あれは新彗星かもしれない!!」
 彼は興奮していた。かつて高校時代、天体望遠鏡を見つめ続けて落第しそうになったことのあるスズキさんは、『新彗星』への期待に高ぶっていた。さっきまでの『どん底状態』をすっかり忘れていた。
 彼は飛んで家に戻ると、インターネットで国立天文台のページを開き、そこに新彗星の記述がないことを確かめると、深夜だというのに天文台に電話をかけた。
 そして、第1発見者の権利と名誉を担保するように、留守電に向かって何事か申し述べていた。 
「もし、これが新発見であれば、その名前は3つまで付けられるから、真理ちゃんの名前も付けてあげる」とか何とか言っていた。
 翌朝、もう一度ホームページをチェックした彼は、少しうなだれてこう言った。
「あれはどうも『ハートレイ彗星』だったようだ。でも、これでオレは満足した」
 そう強がっては見たものの、その声には明らかに落胆の色がこもっていた。スズキさんの受難はまだ続いていた。 

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