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『ビフォア・サンライズ〜恋人までの距離〜』&『ビフォア・サンセット』  1995年/2004年(アメリカ)

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監督:リチャード・リンクレイター

出演:イーサン・ホーク(ジェシー役) シュリー・デルピー(セリーヌ役)

「モモコちゃんからの手紙」

 私たちの映画の仲間「モモコちゃん」が、こんなふうに紹介してくれたので、すぐに観たくてたまらなくなったのよねえ。

 『ビフォア・サンライズ〜恋人までの距離〜』

 パリに戻る女とウイーンからアメリカに帰る男。同じ列車で隣の席に。男は女を食堂車に誘い。やがてウイーンに到着するが、別れ難い2人は翌日の列車まで一晩中ウイーンの街を歩くことにする。
 一晩中交わされる2人の会話で進められていく話。2人の演技がとても自然で、会話も何気ないのだけれど、その中に深みがありーー。
 街の動きと2人の会話が合っていて夢のような一晩、そして朝。別れ・・・。
 数年前にBSで何となく観始めて、すっかり引き込まれてしまいました。計3回観たけれど何度も観たくなります。そして何度観てもやっぱり観てよかったなあ、と思える作品です。
 主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーの2人が、本当に若くて素敵で、役にぴったりです。
 ほとんどがこの2人の会話で成り立っているので、演じているのかーー。とにかく自然な演技ですね。観て楽しんでほしいので、内容は深く書けないのがもどかしいけれど。あんな出会いがあったら一生の宝物でしょう。

 『ビフォア・サンセット』

 『ビフォア・サンライズ』の続編で、9年後の話を本当に9年後に撮った作品。
 今度はパリの街を歩きながら、2人の会話で進めていく話。夕暮れのパリの街がこれまた素敵で、相変わらず2人の自然な演技と会話もこれまた深みがあって。本当に9年分年をとって2人がすっかり大人になって(フケて)より真実味があるかな。
 2本セットで、何回観てもまた見たい作品。映画の楽しみの参考になればうれしいです。
 解説は上手じゃないので、観るきっかけになってくれればと思います。
 それでは、また。



 マリリン というわけで、矢も楯もたまらず買っちゃいましたよね、DVD。
 ヤシーニ そう、アマゾンで2つで1900円! ボクらにとっちゃ凄い投資(笑)。
 マリリン これ、当たり! 思った通り。ほとんど会話だけっていう作り方もすごいけど、それを表現し切った2人の俳優も凄い。自然すぎるぐらい自然で、あれって演技なの?
 ヤシーニ だよね。こんな映画は初めてだった。この物語は全編を通して「予定調和的」じゃないところがいいんだよね。俗に流れない形で観る人を裏切る。小説書くときも大いに参考になります。いろんな意味で触発されたよ。
 マリリン 仕草、表情、息づかい、呼吸の間合いがどこまでも自然。
 ヤシーニ そうだね。モモコちゃんも言ってたように演技の自然さが出色なんだよね。「フツー」を上手く演じてるっていうか・・・。
 マリリン 「ビフォア・サンライズ」のほうは、出会ってからの二人が、どんどんどんどん会話が膨らんで、ぐんぐん惹かれあっていくのよね。その会話がまたシャレてるわけよ。ああ、もう、たまらない(笑)。若さゆえ〜の高揚感、若さゆえ〜の背伸び、不安、理屈っぽさ。そして純よ、純。男の子のほうはかなり素直なんだよね。素のまま、ありのまま、自然な自分。アメリカ人らしい。でも、女の子のほうはちょっぴりませていて、猜疑心もあって、「自分はこういう人間」と言いながら、そうじゃない自分を見つけたくて、揺れたり迷ったり。頭がいいけど、やっぱり女の子で。このストーリーは、彼女がフランス人という設定であることが大事だったよね。
 ヤシーニ ジュリー・デルピー、美人というわけではないけど、表情がとっても豊かで魅力的だね。頭でいっぱい考えながら話をしているんだけど、最後の別れのシーンでは、もう発車のベルが鳴っているから、それにせかされるように二人とも本当の心を矢継ぎ早にぶつけたよね。
 マリリン あの短いシーンがすごく好き。「本当はそう思ってた」とか、二人ともカワイイ!
 ヤシーニ 普通だったら、電話番号とか、住所とか聞いちゃうよね。
 マリリン うんうん、すぐ会いたくなるもの。
 ヤシーニ でも、あえて聞かないことに決めたわけだ。
 マリリン あー、大丈夫? 切な過ぎない? 後悔しない? 探せないじゃん、どーすんのよ。
 ヤシーニ その発想って、かなり俗ですね(笑)。
 マリリン そうだね。そうでした。そこがこの映画の見所だもんね。大切な時間は、大切なまましまっておきたい。純粋だからこそ、純粋なままに。
 ヤシーニ 大人でいなくちゃと思うけど、若さの熱もある。その境目で行ったり来たり。そんな二人にとっても共感を覚えます。わかる、わかる。
 マリリン あの二人、半年後に再会するのかなあ。
 ヤシーニ 観た人がどう想像するかに委ねますって終わり方だったね。



 マリリン というわけで、「ビフォア・サンセット」にいくわけね。
 ヤシーニ 舞台は9年後です。本当に9年後に撮ったというのがまたいいじゃない。
 マリリン ってことは、それまで再会していなかったってことよね。
 ヤシーニ モモコちゃんが書いていたように、本当に二人ともいい具合に9年分の深みを増して、ますます素敵だね。
 マリリン 男は約束どおりに会いに行ったことが判明(笑)。
 ヤシーニ 女は、おばあちゃんが亡くなったことと重なって、結局会いに行けなかった。それをずっと気にしているわけね。
 マリリン そういえば、男のほうは出会った時もフラれた直後だったから、またまたフラれたわけだ。カワイソウ過ぎ・・・。
 ヤシーニ でも、彼女が来なかったって確かめたわけだから、そのほうが次の人生に向かいやすいかもしれないなと思う。彼女は、彼が来たのかどうかも分からない、自分が行かなかったこと、行けなかったことが良かったのかどうかってことも、ずっと気にして生きてきたわけでしょう。
 マリリン あの出会いをずーっとずーっと大切にしていたんだよね。多分、生きるよりどころみたいな感じだと思うな。それだけ大事な宝物の時間だったのよね。
 ヤシーニ 9年の間にそれぞれ別の人生を生きているわけだけど、やっぱりお互いにお互いが一番自分を分かってくれる人だと思い続けている。だから、話しているうちに現実の愚痴もちょっと出てしまうけど、でも、その現実にも責任があるという辺りが大人だね。そういうところ、好きだな。逆に、いつもそばにいたら、相手も自分も、今の気持ちとはまた違うものになってしまうかもしれないって分かってるんだよね。宝物を壊したくない。
 マリリン あーあ、生きていくって切ないわ。
 ヤシーニ それにしても、続編のほうはキスシーンさえないね。プラトニックだからこそ、胸を打つ。
 マリリン ホント? ホントは見たかったんじゃない?
 ヤシーニ マジマジ、ボクはこう見えて純なの(笑)。
 マリリン またまたその先どうなったかは観た人に委ねますって感じで終わるけど、きっと、彼は飛行機に乗ったと思うな。うん。
 ヤシーニ そして、永遠に二人の心に宝物が残るっていうわけだね。世俗にまみれそうになったときはバイブルにしよう。
 マリリン モモコちゃん、ありがとう。大当たりの予感は正しかったわ!
 ヤシーニ そうそう、最後にこれだけ言わして。
 マリリン 何、何?
 ヤシーニ 3つあるのね、心配事が。
 マリリン うん、うん。
 ヤシーニ あの詩人はどうなったか?(笑) 電車の中にいたドイツ人の夫婦はその後どうなったか?(笑) ワイン代はあとでちゃんと送ったか?(笑)
 マリリン 細かいねえ(笑)・・・。のたれ死んでる、別れてる、踏み倒した(爆笑)。
 ヤシーニ 面白い!(笑)
 マリリン 私も気になってて夜も眠れないことがあんのね。
 ヤシーニ えっ? 何、何?
 マリリン 食べるシーンで、空の皿しか映ってなかったけど、本当は何食べてたんだろう???
 ヤシーニ やっぱりそうきたか(笑)。