「ま53」

ま53

 2016年01月28日

「毎日が誕生日だったらいいのにな」
 そんな言葉で、妻を眠りにつかせたかった。
 妻の誕生日は毎回、毎回、ハンバーグである。
 でも、妻の大好物はハンバーグなのだからこれが一番いいのだ。
 妻はしみじみと言う。
「私の誕生日はいつも誰かにハンバーグを作ってもらって祝われてたわ」
 作り手は、母、リカさん、ボクと変われども、彼女の生誕の祝いにはハンバーグが付きものだった。

ま53

 ここに引っ越してから、変わったことがある。
 誕生日の日の買い物の軽快さだ。
 今までは、満を持して秋田市まで買い物に出掛けたりしたもんだ。あれもこれもと、死ぬほど買って帰ってきた。1日がかりの大旅行だった。でも今は違う。
 仕事のついでに、ちょっと1時間半だけの買い物なのだ。それも歩いて。。。
 待望の「STOVE」さんでケーキをつごう3個買い、「JIRO」さんで白神酵母の食パンを買い、マックスバリューでひき肉と野菜を買って帰ってこられる。
 そのことが、なんだかとってもぜいたくなのだ。
 で、またひと仕事して、夕方から作り始める。
 久々のコルトレーンのJAZZをかけ、ベネチアのAさんちで購入したチリワインを開ける。
 それは始まり。
 エスプレッソとデザートのケーキまで、実に至福の3時間であった。
「毎日とは言わないけど、せめて祥月誕生日であってほしい!」
 妻はわがままなことを言う。

ま53

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 クライアントさんからのお花も届きました! ありがとうございます!

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