フォトエッセイ「タラ鍋と塩ポン」

 

タラ鍋        土鍋

  

 寒い季節です。それでも今年の秋田はまだ雪も少なく過ごしやすいのですが、それでもやっぱり寒い。そんな時は何といってもあったかい鍋ですね。我が家は1週間に3回は鍋料理です。特にはまっているのは「タラ鍋」。アラとキモが命。うま過ぎる。本当にうま過ぎる。タラは一尾丸ごと魚屋さんで買ってさばいてもらいます。その方が絶対安いし新鮮。魚屋さんがさばくのを見ているのも好き。自分が選んだタラが当たりかどうかガラス越しに見ている時は、まるで、商店街の福引きのガラガラを回す時のようにわくわくドキドキする。キモがたくさん入っていれば当たり。もしも運良く「白子」や「タラ子」が入っていたりするとこれはもう「特賞ハワイ旅行」!。魚屋さんはそんなとき、「お客さん、いいとこ当てましたね」とこっちに目配せをしてニヤッと笑うか、「ええい、持ってけ泥棒!」とばかりに豪華景品を、ちょっと悔しそうな顔でわたしてくれるのです。1尾598円のタラのおなかに、800円はする「タラ子」や、700円は下らない「白子」が入っているんだからその気持ちは察してあまりある。すまん、すまん。   
 ダシは鍋に沈めた昆布のみ。アラやキモがいいダシになるのです。「三温窯」さんのとっておきの鍋に、しいたけ、えのき、豆腐、白菜、ねぎ、春菊、水菜などをどんどん投入していく。鍋があふれるほどになるので、半分は別の鍋に移す。これは翌朝の鍋分です。ちなみに598円のタラで4回分の鍋ができる。おいしくって節約レシピでもあるわけです。  
 鍋が幸せな湯気で満たされるといよいよ完成となる。ここで登場するのが「塩ポン」。ミエマンという会社で作っているポン酢だ。タラ鍋との相性が絶妙で、この冬本格的にはまっています。「いっただきま〜す!」。さて、ここから先は普段おしゃべりな私たちもさすがに無言になる。「はふはふ」「ズズ〜ッ」・・・が続く。やがて・・・「ふ〜、はあ〜」「も〜だめ〜」となって魅惑の鍋タイムは終わる。「たらふく」という言葉をかみしめながら、タラに感謝を込めてごちそうさまでした!

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