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★エッセイ『ことなひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』
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『うちのかみさん』50

 と言えば言わずと知れた「刑事ボロンコ」じゃなくって「刑事コロンボ」ですね。
 焼酎宣言の後、時間が余ったぼくらは「夜のシアタータイム」なるものを考案いたしまして、録画しておいた映画やドラマを観ております。
 中でも今ブレークしているのがBS2でやっている「刑事ゴロンボ」じゃない「コロンボ」です。
 昨日は「殺人処方箋」という精神分析医の話で1967年に放映された記念すべきコロンボシリーズの第一作。若い! コロンボ若い! 髪分けてる! コートきれい! 驚きました、ホント。
 おととい観たのは「ルーサン警部の犯罪」というもので、これに共演してたのがシーラ・ダニーズという美人で、この放送の頃1977年になんと彼らは結婚してたんだそうです。いやあ、これも驚きでした。
 妻とよく「コロンボのかみさん出ないかなあ」「見てみたいなあ」と言っていたのですが、もう見ていたんですね。かみさん役ではないにしても、ホンモノを。
 もう一つ、疑問を持っていたことがありました。「刑事クロンボじゃない(しつこい!)コロンボってまだ生きてるの?」
 「シラベスト(調べスト)」の異名を持つぼくは、調べてみましたよ、ウィキペディアで。
 生きておりました。83歳ご健在です。ちょっとアルツハイマーらしいことも分かりました。
 それにしても50歳で22歳年下のシーラ・ダニーズと再婚するなんて、やるなあコロンボ。職権乱用だなあ、コロンボ。
 彼はさっきの「殺人処方箋」(1968)から2003年の放送まで35年、69作にも出演しているそうで、4回もエミー賞主演男優賞を受賞しているといえば、これはもう「アメリカの寅さん」と言っても過言ではないでしょう。
 そのコロンボですが、明日の放送の後しばらく夏休みに入るみたいです。残念だなあ。 
 うちのかみさんもそう言ってますがね・・・。
 (2010.07.21)   このページのトップへ

『毎日キュウリを食べてます』49

 なかなか減りません。
 あれから毎日キュウリを食べているのですが、なかなか減ってくれません。
「あっ! 腐ってる」
 昨日、キュウリを出そうとした妻が叫びました。
 全部ではありませんが、何本か腐り始めていたのです。
 キュウリというのは厄介です。煮ても焼いても食えないところが厄介です。ひたすら「生」、せいぜい浅漬け。本格的に漬ける手もあるのですが、ぼくらはあまり好みません。塩分その他の問題から。
 かつて畑をやっていた頃も、このキュウリとナスには手を焼きました。一時期に一斉にできるのです。取っても取っても次の日には大きくなっていて、ちょっと目を離すと巨大化、お化け化してしまうのです。
 ナスはそれでも焼きナス、ナスのみそ汁、ナス炒めなど煮ても焼いても何とかなる(というかおいしい)のですが、このキュウリだけはひたすら「生」。「生」!「生」!「生」!
 キュウリはこの季節、体を冷やしてくれる効果もあるとかで大変貴重な、ニーズナブルでヘルシーな食材ですから、決して恨みを言うつもりはありませんし、いただいた方々に文句を言うつもりももちろんないのですが、ちょっと飽きてきました。
 そう言えばミセスホウレンさんが言ってたなあ。
「ねぐなれば食いてぐなる。あればあったでヤミャ(病)なる」 
 人間は勝手なものでございます。
 そういう教訓でございます。
 (2010.07.21)   このページのトップへ

『キジの親子』48

 いやあ、今日は快調に6時半に起きましたよ。昨日の焼酎宣言の効き目はバッチリです。
 おもしろいもので、お酒がなくなると必然的に早くお風呂に入り、必然的に早く食事タイムになります。そうすると案外時間が余ってしまって、「そうだ! たまっていたビデオを観よう!」ということになり、ぼくたちは『刑事コロンボ〜攻撃命令〜』を鑑賞することができたわけです。
 これ、いいね。これ以上のお酒は毒だね。なんで早く気付かなかったのか。などと、余裕の発言まで飛び出す始末。人間ってホントにたわいないバカですね。(あっ、これってぼくたちだけか)
 そんなわけで、気持ちよく早起きして歯磨きしていた妻が、「ちょっと、来て来て!」と声を落として言いました。ああ、また虫だな、と思いました。昨日は廊下の壁に大きなスイッチョンがいたりしていたものですから、今度は何だろう? と思ったわけです。
 でも、そうではありませんでした。妻が歯ブラシをくわえながら指差した方向に、キジの子どもがいたのです。2羽も。
 ぼくは、オペラグラスを持ってきて、そっとのぞいてみました。すると小さな(といってもかなり大きい、30センチぐらいの)キジの子どもが隣の庭で遊んでおりました。彼らの近くには母親がいて辺りに警戒の目を走らせていました。
「何でも子っこはかわいいね」
 微笑ましい光景でした。
「だけど、またうるさくなるね」
 ぼくらは、あのブルース・リーの「アチョー」と西川のりおの「ホーホゲギョ」を足して2で割ったような汚い声を思い出し少しうんざりしました。
 そういえば、キジに限らずここに来た7年前は、野鳥が身近にいるというだけでも驚きと感動だったものです。
 ツバメを家の中で子育て支援したこともありました。傷ついたアオゲラやメジロを必死に看病したこともありました。田んぼの上空をグライダーのように飛ぶアオサギの姿に感動したり。
 都会に住んでたら絶対経験できないことです。その一方で、いろいろ知って嫌になってしまったこともあります。天袋に巣をかけるムクドリの凶暴さ、しつこさ。ヒヨドリのふん被害、キジの騒音被害・・・。
 しかしまあ、それはそれとして、こういう経験はやっぱり貴重なんですよね。大事にしよっと。
 (2010.07.19)   このページのトップへ

『焼酎一日一合宣言!』47

 もうすぐ健康診断なのである。これは強い決意なのである!
 今日ぼくらは、ここに共同宣言をし、両国の友好と健康の向上を目指さんとするものである。

 1.焼酎「いいちこ」は一日一合までとする。(ボーナスはなし!)
 2.晩酌タイム開始時に各自計量カップを持参し、味噌部屋に置いてある「いいちこ」の紙パックから、
   キッカシ180cc注ぐべし。*不正がないようお互いに監視の目を光らせること。
 3.飲み方は自由である。ストレートでも水割りでも可。
   (ちなみに通常ぼくらは十倍以上に薄めて飲むタイプです。ほとんど水)
 4.おじいちゃん(マドロスさん)に上げたお猪口一杯分は両者共有財産とし、
   それをもって9時以降の「一元化タイム」(グラスを一本化する時間)に充当すべし。
 
 どうですか? 相当強い意志を感じませんか?
 馴れ合い、持たれ合いの構図をこれで打破できそうですね。
 ご期待ください!
 (2010.07.18)   このページのトップへ

『手塩にかけたというべきか・・・』46

 以前、「ナスへの偏愛」というのを書いた。ミセスホウレンというおばあさんの話。
 今日、その人から電話があった。妻が出た。
「オイだあ、分がるがあ?」田舎の人の電話の第一声は大体こういうふうに始まる。誰ですか〜?と聞きたくなる。
 ポカンとしていると、続けて「オイだあ、分がるべえ」となる。さっぱり分からない。
 さっぱり分からないままに用件が始まる。言葉も分からないから、何がなんだかさっぱり分からないまま電話が切られる。そういうことが、ここに来た頃、妻は結構あった。
「誰から? 何だって?」
「何も分からない・・・」
 中には散々しゃべった挙げ句、「あれっ? おめえ木村だべ」とか言って「違います」と言うと、「何だって、間違ったなや」と言ってガチャン。そういうこともあった。とにかく間違い電話は多い。正規の電話の倍以上である。
 そういうこともあって妻も警戒して電話に出たのだが、話を聞いているうちに、ミセスホウレン独特の口説きや愚痴が始まった。うん、これはホウレンさんに違いない。妻は確証を持ったという。
「ナスでぎだがら、少しけっから」ホウレンはそう言った。「顔見られてぐねえがら(なぜだ?)取りにきてけれ」とも。
 ぼくらは早速お伺いすることにした。
「お〜!」立派なナスだった。袋にはナス10本とキュウリが同じくらい入っていた。キュウリを見つけた妻の顔が少し曇ったのが分かった。
 お礼を言って帰り道。
「カツオが初めてキュウリ以外のものに化けたね」
「うん。でもキュウリも入ってたわ・・・」
「う〜ん。それにしても、 今年はうまくいったんだね、ナス」
「うん。でもこのナス、手塩にかけたというべきかな、かけなかったというべきかな・・・」
 (2010.07.16)   このページのトップへ

『カツオさんさようなら、キュウリさんこんにちは』45

 昨日、石巻から大きなカツオが3本届きました!
 今年はシケ続きで水揚げが少ないと聞いていましたから、これはうれしいうれしい貴重な贈りものです。
 まずは『お刺身』それから『たたき』腹のところをV字に切って焼いた『とんぼ焼き』中骨の周りの肉を集めてタマネギ、大葉、味噌、生姜などを入れて作る妻特製『味噌たたき』あらとじゃがいもを入れた『カツオ汁』。あ〜、魅惑のカツオ三昧。
 ぼくらは大喜びして解体の準備に取りかかりました。ちなみにぼくは、こういう大きい魚もさばけるんです。大きなマグロだってさばけるんです。これホント、これ自慢。
「これ全部食べるのってちょっと欲張りじゃない?」妻が言いました。
「そう? そんなこともないんじゃない」ぼくは無視して出刃包丁を取り出しました。
「近所の人にお裾分けしよう」
「おいしそうだなあ・・・」ぼくは無視して頭を落としました。
「うん、やっぱりお世話になってる人に持っていこう」
 ぼくがおろしている間、妻はブツブツそのようなことを言っていましたが、ぼくは無視してひたすらブロックを作り続けました。3本X4ブロック=12ブロック。完成!
「さあ、行こう! 早く、早く!」ブロックをきれいに袋詰めし終わった妻が言いました。
「マジ?」ちょっと無視できない空気が生まれていました。
 結局ばくらはそれを持って村を回ることになりました。
「あっ、スミばあちゃんこの間ミズくれた」「スミばあちゃんにやったらマチばあちゃんにもやんなきゃ。ひがまれる」そんなふうにどんどんお裾分け先は増えていきました。どこの家でも大喜びされ、どこの家からも大量のキュウリをいただきました。
 最後に行った三温窯さん。しばらくぶりにお茶を飲んでお話をして帰り際にこう言われました。「キュウリ持っていかない?」
ぼくらはやんわりとお断りして、家に帰りました。
 夜の食卓は1ブロック分のカツオの『たたき』と『味噌たたき』および死ぬほど大量の『もろキュウ』でした。 
 (2010.07.15)   このページのトップへ

『面白すぎる!』44

 今日は選挙であった。過去形になった、ということは行ってきたということである。偉い! 
 さて、国民の権利を果たしたばくらは、今度は国民の義務として空き瓶の仕分けをやった。国民というかこの場合『町民』だが。
 空き瓶を出して今度は買い物に行った。国民のこれは権利だろうか? 義務だろうか? あまり深く考えないことにしよう。
 そこで面白い、死ぬほど面白いことがあった。1日に2回も書くのは不本意だが(どうして?)どうしても書かずにはいられなくなった。
 場所はいつものAMANOというスーパー。ぼくらはいつものように買い物をしてレジに並んでいた。その時だった。タララ〜ララ〜ララ〜 ラララララララ〜。エレクトーンの美しい音楽が流れてきた。
「これ、どこかで聞いた音楽じゃない?」野菜をエコバッグにつめながら妻。
「お〜、あれだ、あれあれ。ほらっ、ソフィア・ローレンの・・・」
「あ〜、『ひまわり』ね!」
 そうなのだ。大好きな映画のテーマソングが流れていたのだ!
 それがどうしたの? って? ちょっと待って、今からしゃべるから。
 それはBGMではなかった。入り口の方で誰かが生で演奏しているのだ。
 で、それが何か? って? だからちょっと最後まで聞いてほしいんですけど。
 ぼくらは恐る恐るそっちに行ってみたわけなんですね。買い物袋手に提げて。そしたらなんと佃煮を売っている、顔がジェームス・ブラウンそっくりのおばちゃんが弾いていたのですよ! エレクトーンで、『ひまわり』を。いやあ、驚きましたねえ。しばらく二人とも呆然と聞き入ってしまいましたよ。
 テーブルの手前には何かあんまりおいしくなさそうな佃煮がパックに入ってたくさん並んでいました。その佃煮の山の裏側に、忘年会の景品とかでよくある電子ピアノっていうんですか? あれを置いて、おばちゃんは太っとい指で『ひまわり』を弾いてるわけですね。
 おばちゃんは、ぼくらが目を丸くして聞いている中で見事に1曲弾き終わると、「ニヤッ」と笑ったんですね。ドキッとしました。もしかしたら佃煮買わせられるんじゃないかって。
「この曲知ってるのが?」おばちゃんは言いました。
「え、ええ・・・。ひまわり・・・ですよね」ぼくは1パック500円と書かれたPOPを見ながら怖々答えました。
「おお! 今ひまわりの季節だがら弾いたんだ。若い頃映画館で観たもんだ。あど何がリクエストねえが?」満面の笑みでおばちゃんは言いました。
「・・・」
「ロミオとジュリエットも弾げるど」
「わあ! ステキ!」妻が叫びました。
 少しずつ観客が増えてきましたが、誰も佃煮を買う者はおりません。佃煮の周りをハエがブンブン飛んでおりました。
 それが終わると、調子に乗ったおばちゃんは秋田民謡『ドンパン節』を弾き始めました。だんだん宴会のムードになっていきました。
 おばちゃんはぼくらを大変気に入ってくれたようで、自分は男鹿の船越出身だ。勤めていた会社が倒産して今は男鹿の観光物産センターで仕事してる。今日は代理でこっちゃ回された。家には本物のピアノがある。このズボン(超ハデハデのモンペ)は自分で作ったものだ。とか、とにかく色々な話をぼくらが聞きもしないのに教えてくれました。
 そして最後に、ジェームス・ブラウンそっくりのおばちゃんはこう言ったのです。
「おらは男鹿の松田聖子だ」
 佃煮を買わないことを詫びてぼくらはそこを後にしました。後ろで『蛍の光』が流れていました。
 (2010.07.11)   このページのトップへ

『権利とみるか、義務とみるか』43

 今日は選挙である。
 そこで、私は日本国民の権利と義務について考えてみたくなった。偉い!
 六法全書を開いてみると、日本国憲法の基本的人権の保障のページは憲法全体の3分の1もある。それだけいろいろ保障してくれているのだ。自由権、平等権、社会権、参政権、請求権、幸福追求権、新しい権利など山のような権利が書いてある。
 その中で、今日はどうしても『参政権』に関心が向いてしまっても仕方ないだろう。参政権は偉い! なぜか? それは国民が等しく求めてやまなかった権利だからだ。特に婦人参政権獲得までの歴史をひもとくと、これはもう執念ですね。平塚らいてう、市川房枝、名前を聞いただけでも時代を感じる、パワーを感じる。涙がちょちょギレル。
 それがどうだろう。若い頃はあんなに愛して色仕掛けで落としたダーリンなのに、今は「ったく、ゴロゴロして、んもう、ちょっとどいてよ」と邪魔者扱い。そんな感じの方おられませんか?
 男だってそうですよ。若かった頃はあんなにお金をかけて口説き落としたんでしょ。「あ〜あ、今日は家族サービスだよ」ってねえ、ちょっとちょっと。釣った魚にえさをやらない方、おりませんか?
 素晴らしい権利が義務化してませんか? 逃がした魚は大きいのですよ。そこんとこ、今日は声を大にしてぼくは・・・(えっ? 自分はどうなんだ? えっ!)
 あ・・・。
 行ってきます。妻と一緒に、行ってきます。手を組んで。
 (2010.07.11)   このページのトップへ

『チクチク病』42

 暑い暑い。今日も30℃です。
 えー、『さっぱり病』が治ったと思ったら、また別の病気になりました。今度は『チクチク病』です。
 食欲がなくて胃がチクチクするのです。というのは嘘で、本当は毛がTシャツの中に入ってチクチクしているのです。
 ボクはここ何年来床屋というものに行ったことがなく、いつも妻にカットしてもらってるわけなんですが、今日も外で青空散髪をしてもらいました。
 妻の特技はいろいろあるのですが、かつてパーマ屋さんでアルバイトもしていただけに、これは相当な腕前だとボクは思っています。本当に上手い! あんたは偉い! 天才だ!
 しかもお金がかからないこともいいではないか。確か、大昔の話だけど床屋さんって1回3000円くらいするんでなかったかな? そうすると、毎月行ったとして1年で4万、7年で28万円も得してるわけですね。
 ただ一つ問題は、このチクチク病。直射日光の下、ツルツルの黒っぽいマントのようなものを着てやってると、萌えて汗をかきます。その汗に刈り取った小さな毛が付くわけですね。ほろってもほろっても取れないんですね。
「シャワーまで我慢しなさい!」
「ふああい」
 待てよ、今日散髪したくなったのは、例の『さっぱり病』の延長かもしれないな。そうか、『さっぱり病』はまだ治ってなかったのか。
 手強いぞ、さっぱり病。
 (2010.07.07)   このページのトップへ

『続・さっぱり病』41

 さっぱり病が続いています。
 今日は換気扇をさっぱりしました。石巻のおばあちゃんからもらっていた大きなビニール袋に重曹水を入れ、ベタベタの換気扇を夕べから漬け込んでおいたのです。
 お陰で見事にさっぱり! ファンって青かったんだ! 驚きでした。
 勢いに乗って、庭の植木のカットをしました。麦わら帽をかぶって久しぶりに外仕事です。庭木ばさみを持ってパチパチ。
 2時間半の作業で結構さっぱりしました。これでしばらく大丈夫ですね。
 でも、二人とも大汗をかいて、手がフルフルになって、とてもキーボードを打てるような状態ではありません。ここまで打つのに30分もかかっています。
「今日はお肉食っていいんじゃない?」
「おう、権利あるある!」
「肉あったっけ?」
「あっ!」
 頭までさっぱり病?
 (2010.07.06)   このページのトップへ

『さっぱり病』40

 夏になって暑いせいか、さっぱり病にかかっています。
 さっぱり病といっても、頭がさっぱり働かない病気ではなくて(あっ、それもあるかな)、何事にもさっぱりしたくなってしまう病気です。
 どういうわけか妻も同じ病気にかかったみたいで、二人でいろいろさっぱりしています。
 何を言ってるんだかさっぱり分からない人のために具体的に言いますと、まず食器棚をさっぱりしました。晩酌タイム中に突然発作的にこれをやりました。要らないものをどんどん捨てたりしまったりしていくだけなんですが、この作業、少しお酒が入ったほうが上手くいきます。思い切りが必要なので。
 次にさっぱりしたのは庭木です。庭木をバッサバッサ伐りました。もっともこれは自分たちがやったのではなく、この家の管理人のコーゾーさんに全面的にお願いしました。さっぱり請負人。
 次は何をさっぱりするか? う〜ん。ああ、さっぱりしたい! もっともっとさっぱりしたい! 何もかもさっぱりしたい!
「ヒゲでもさっぱりする?」妻は言いました。
「う〜ん。ついでに髪も坊主にしちゃおうか?」
「そしたら、私も坊主にしちゃおうかな」
「えっ!」
 皆さん、この夏さっぱり病にご注意ください。
 (2010.07.05)   このページのトップへ

『起きぬけの顔』39

 起きぬけの顔に自信ありますか?
「あるよ」と言える人、少ないと思うな。特に女性はよそ行きの顔を持っているだけに、そのギャップに驚くことが多いのではないかな。
「えっ! 誰これ?」みたいな。それ、あなたですよ、本当のア・ナ・タ。
 なぜこんなことを書いたかというと、今朝というかさっき妻が起きてきました。うちは大体ぼくが先に起きて、コーヒーを入れたりパソコンを立ち上げたりしているわけなんですが、後ろから「おはよう」と声をかけられ、振り向いたぼくは驚きました。
 顔の左半分がヘビだったのです。シマシマの横じま。ヘビ人間でした。
 しかも、もっと驚いた、というか笑ったのは、左目がピエロだったのです。目の真ん中に一本の縦じまがビイイ。クッキリと。
「ちょっと、何笑ってんのよ!」妻は言いました。
「あのさ、鏡見てきたら」ぼくは笑いをこらえて言いました。
 それにしてもどういう寝方をしていたのか。
 皆さん、起きぬけの顔には気をつけましょうね。
 (2010.07.01)   このページのトップへ

『お口の恋人セット』38

 6月30日が誕生日の石巻のおばあちゃん。
 ぼくらはいろいろ考えあぐねた末、おやつ大好き人間の彼女に『お口の恋人セット』を送ることにしました。
 早速AMANOというスーパーセンターで、あれこれ買い物カゴに入れました。
 かみなりおこしもどき。バニラウエハース。はちみつ梅酢ダイエットX3。でん六イカピー。チロルチョコ吊り下げ6P。干し梅X3。お値打ちサマーラムネ。お散歩綿菓子X2。沖縄黒糖蜜あめ。ソフトいかくんX2。しるこサンドもどき。茎わかめ梅味X2・・・。
 レジの人に「お子さんの遠足ですか?」と聞かれそうでした。
 どれも、おばあちゃんの大好物であることは間違いありません。ぼくらはそれをよく知っています。
 それに、家にあった「じゅんさい最中」やクッキーなども忍び込ませで『お口の恋人セット』完成!
 手紙にぼくはこう書きました。「おばあちゃん、誕生日おめでとう! ・・・何ダリカンダリ送ります。なめたり噛んだりしてね。送っておいてなんだけど、オヤツはほどほどに!」。
 ふたをしめようとして驚きました。妻が夏物の自分のズボンを忍ばせたのです!
「何これ?」
「えっ? 裾上げしてもらおうと思って」
「・・・」。
 (2010.06.28)   このページのトップへ

『ナスへの偏愛』37

 ミセスホウレンと呼んでいるホウレンソウがとても上手な農家のおばあちゃん。たしか82歳。たぶん女性。
 この方にはひとつの信念があって、それは「ナスには水をやらない」というもの。座右の銘。
 そのほうがナスは丈夫に育つ、おいしくなる、というのだ。自分は小さいころからそうやってやってきた、絶対の自信があるのだと。ぼくらはかつて畑に精を出していたころ何度もそう聞かされた。「おめだもそうせ」と。
 この信念、この教え、本当にそうなのか? そのことをナスの気持ちになって検証してみたい。
 ほかの兄弟たち(たとえばトマトとかです)には毎朝、毎夕水がまかれるのに自分だけは水をもらえないってどうよ。えこひいき。ひどい! ぼくだって水飲みたい!
 「あいい、かわいそうになあ、こんなに干上がって。だどもおめえのためだど。雨降るまでもうちょと我慢せなあ・・・」そう愛情に満ちた言葉をかけられても、ぼく、ほんとは水飲みたい。御ためごかし、ナス虐待!
 で、結局ぼくは枯れる。毎年死ぬ。これ虐待死。
「あいい、ほれ、ナスみーんな枯れだはあ・・・」というため息まじりのミセスホウレンの言葉をぼくらは毎年聞いた。
 こないだ、自慢のホウレンソウを持ってやってきた彼女は、そのかたくななる信念を語って帰っていったのだった。性懲りもなく。
 「あーあ、今年もナスだめね」「うん。ナスかわいそう・・・」ナスへの偏愛。
 (2010.06.28)   このページのトップへ

『共同作業に行ってきた』36

 今日は村の共同作業日だった。朝五時半集合。ぼくの仕事はゴミ置き場の小屋のペンキ塗りだった。
 村の恒例行事で、村有林の下刈りや山道の草刈り、集会場の掃除、公園周りの草刈りや垣根の修繕、ドブ掃除などどれも大変な重労働である。今までは年1回だったが、今年から2回になった。
 出ないと6000円も支払わなければならない、ということもあって結構出席率は高い。その後に慰労会と称する飲み会があることも魅力と感ずる人には魅力なのだろう。
 ぼくは好きではない。まず朝極端に早いのが気に食わない。今回はまだ良かったが、山に行って作業をするのが嫌だ。山ヒルがいるし、死ぬほど疲れるからだ。体重3Kg減になるのだ。そして、その後の飲み会はもっと嫌だ。こんな肉体的、強制的、シベリア収容所的、危険度高い的、しがらみ的、罰金有り的、早朝残業的な役務って都会の町内会にあるだろうか? ぼくは断固反対派に回りたい!
 しかし、こんなことはこの村では口が裂けても言えない。村八分になってしまうからだ。怖いですねえ、村社会。
 だから小声で言う。「ぼく、ちょっとおかしいと思うよ・・・」
 ついでにもう一つ言わせていただいていいですか? それは「赤い羽根募金」です。あれは強制的に一律的に800円と決まっているのですか? あれは善意に寄付行為によって、自由に金額を決めていいのではないですか? 同じく「青い羽根」は50円とか「緑の羽根」は200円とかっていうのは誰が決めたのですか?
 そういうことにもぼくはヒジョーに疑問を持っているわけなんですが、お隣の入れ歯ハフハフのおばあちゃんなどが集金に来て「赤い羽根っこ、800円だど」とか言われちゃうと、つい「はい、800円ですね」となっちゃうんですね。田舎の集金システムをうまく悪用してるんだよな。チェッ。
 でもまあ、あんまり考えてもしょうがないですね。「郷に入らば郷に従え」そうそう、そういうことちゃいまっか?
 (2010.06.20)   このページのトップへ

『ミスドのドーナツは何が好きですか?』35

 ぼくは断然『オールドファッション』です。オーソドックスなものが好きなのです。昔ながらの・・・が好きなのです。これは男性人気ランキング1位らしい。男ってそうなのかな。いい年こいて初恋の人を忘れられないみたいな。ロマンチストっていうのかな。冒険心がないっていうのかな。未練がましいっていうのかな。
 妻は『チョコファッション』です。オールドファッションに気持ちチョコがピロッとかかったやつですね。これは女性人気ランキングで『ポン・デ・リング』に次いで2位らしい。女ってそうなのかな。オーソドックスだけでは飽き足らないみたいな。欲張りっていうのかな。浮気性っていうのかな。
 この間、秋田市に行った時久しぶりに買いました。(そうなんです。秋田市に行かなければミスドがないのです)ぼくらは朝ご飯をこの手のもので済ましているので、この際たくさん買っちゃえと1人5個ずつ買ったのですが、迷いなくぼくは『オールドファッション』全部「はらたいら」にドンッ! だったのですが、妻は案の定いろいろ迷った挙げ句、『チョコファッション』3、『ダブルショコラ』『チョコ&クランチ』季節限定『抹茶あずきクリーム』などを買っておりました。篠沢教授や竹下景子、今週のゲスト出演者などにも小出しに色目を使ったわけです。
 さあ、帰ってきて食べてみてどうだったでしょうか? やはり「はらたいら」圧勝だったですね。『オールドファッッション』バンザイ! 『チョコファッション』もバンザイ! チョコクラ、マッチャ、サイアク。
 ついでに、皆さんはケンタッキーのフライドチキンの部位はどこが好きですか?
 ぼくは断然『あばら』です。これは妻と意見が一致しております。あばら周りのジューシー感は他の部位を圧倒している。指を脂ギトギトにしてしゃぶる快感がたまらない。香ばしい皮の味がこたえられない。
 もちろん店がないのでしばらく食べてませんが、昔よく3ピースとか買って「全部『あばら』でお願いします!」と言っていました。当時は店員も「かしこまりましたあ」って寛大でした。
 それが最近は違うようです。半年ほど前だったかドライブスルーのお店でそれを言うと、店員は軽蔑を込めた口調と目でこう言ったのです。
 「すいません。あばらは1本までです」
 (2010.06.13)   このページのトップへ

『夏草や』34

 敷地いっぱい夏草が茂っている。う〜ん。
 かつてあの辺りはナスやキュウリがあった場所だな。雑草取りに汗を流していた場所だな。う〜ん。
 畑を始めた頃のボクらはホント『つわもの』だった。真っ黒になってよく働いていたなあ。う〜ん。
 でも、人間のやることは儚いものだ。それにひきかえ自然のたくましいことよ。う〜ん。
 畑仕事をやらなくなって2年目。仕事が忙しくなって、やりたくてもできない事情もあったにはあったのだが、畑仕事も5年やったので、まあ『卒業』してもいいかな、という気持ちになった。ついでに言えば、ちょっと飽きた。
 最近、隣接する家の人たちが草刈り機で雑草を刈ったせいもあって、我が家の敷地の草がやたらと目立っている。う〜ん。
 おっと! 松尾芭蕉の気持ちになって、栄華を夢見て散り果てたいにしえの兵士たちを儚んでいる場合ではなかった。
 何とかせねば!
 「はよ、草刈らんかい!!」と近所の皆さんにゴシャガレル(怒られる)前に。
 (2010.06.10)   このページのトップへ

『夏はおでん』33

 いやあ、急に暑くなった。昨日は27℃もあった。花の東京は24℃、仙台にいたっては22℃しかなかった。どうだ、まいったか!(何が・・・)
 秋田という所は毎年こうなることになっている。ずーっと、ストーブが必要な日が続いていたかと思うと、ある日突然一気に、ブア〜ッと気温が急上昇して夏になる。この上昇曲線はすごい。
 日本一日射時間が少ない(日が射さない)のは秋田県なのだが(だから色白な美人が多いという説もある)、この期間だけはその分を取り返すように灼熱の太陽が吠える。よく言えばメリハリがある。悪く言えば『体に悪い』。
 そんなわけで(どんなわけか!)ボクらは『おでん』を食べました。暑い時におでんはうまい! アツアツのおでんを汗をかきながら食べる快感ったらないね。暑いから熱いものがうまいのだ。ボクは、山形の『冷たい中華そば』を支持しない。フツウの『冷やし中華』は好きだけどね。
 ちょっと古い話なんだけど、こっちに来て間もない頃の話です。合理的で吝嗇家(ケチ)で料理初心者だったボクらは、ある日『おでん』を食べようと思ってこんな会話をした記憶がある。
 「おでんの具材、何が好き?」
 「大根と玉子。これしかない!」
 「私も。だったらそれだけで作ろうか。練り製品は高いもんね」
 「そうだね、それいい。奮発して玉子は一人5個ずつ入れようぜ」
 ダシは市販の『SBおでんの素』であった。かくして出来上がったおでんの味は・・・。
 今は違いますよ。今はちゃんと昆布も練り製品も、タコだって入ってるんですからね。念のため。
 (2010.06.09)   このページのトップへ

『我が良き友よ』32

 下駄をならしてやつがくる〜、腰に手ぬぐいぶらさげて〜。
 下駄こそはいてなかったが、オッサンは年期の入った黄色いタオルを頭に巻いてやってきた。オッサンの名は鈴木東栄という。やってきた場所は、あるまんど山平のカフェ「Tierra」である。オッサンはあるまんど山平のライブの前座に抜擢され、ギターを背負って取手からやってきたのだった。
 オッサンは、あるまんど山平からのそんな大それた大役を、不謹慎にも二つ返事で引き受けてしまっただけではなく、ぼくにも「お前と何か1曲セッションしたい」と夜中に電話をよこした。2週間前のことであった。
 「おまえ、何考えてるんだよ!」ぼくは、プロと素人の違いをオッサンに力説して固辞した。「仮に前座とはいえ、山平が友達とはいえ、プロのステージにアマチュアが出るということはあってはならないのだ。断じてあってはならん!」しかし、オッサンは、最後に確信を込めてこう言ったのだった。「ヤシ、大丈夫だって。なんとがなる」。
 それから、血のにじむような練習が始まったのだ。何十年もまともにギターなんぞ弾いたことのなかったぼくの指は、痛々しく腫れ上がった。
 妻は、昔踊りで鍛えられたという厳しい指導法で、容赦なくぼくを指導した。それは涙がにじむほど過酷なものだった。「ああ〜、また歌詞間違えたわ。再練習ね」「まず歌詞のイメージをつかまないと。頭の中に絵を描いてみるといいのよ」「だめだめ! あ〜、また音はずした。もう一回やってみて」ぼくは、何度も挫折しそうになった。しかし、妻は「引き受けた以上は人に迷惑がかかるのよ!」そう言って叱咤激励を続けた。
 ライブの前日、妻は優しくこう言った。「ここまできたら、あとは楽しんでくるといいわ」。ぼくはうれしかった。そして、妻は立派な指導者だと思った。
 そしてライブ当日。オッサンは前座のステージで「イエスタデイ」や「千の風になって」など脈略のない選曲の演奏をひとしきりやった後で、ぼくをステージに引っ張り出した。
 頭が真っ白で、何が何だか分からなかったが、30年ぶりに合わせた『22才の別れ』は何とも言えなかった。調子に乗って山平とも『DESPERADO』などを歌ってしまった。その後の打ち上げで朝方まで飲んだ。いやあ、楽しかったなあ・・・。
 そんな企画をしてくれたもう一人の『我が良き友よ』山平、遅くまで楽しませてくれた店長、下手な歌を席を立たずに聞いてくれたお客さん、みんなみんな大感謝です。おっと、忘れちゃいけない人がいた。何といっても最大の功労者は、厳しくも優しい指導を最後までしてくれた妻ですね。師匠、これからもヨロシク!
 (2010.06.01)   このページのトップへ

『NASAKE』31

 「旅は道連れ、世は・・・」とか「・・・は人のためならず」とかいいますね。
 後者は二つの意味があって、NASAKEというものは人のためだけじゃなくてそれを施した自分にもいいことがあるんですよ。ですからNASAKEをかけてあげなさい、という『NASAKE奨励説』と、NASAKEは人のためにならないよ、それどころか思わぬとばっちりを受けることさえあるので要注意ですよ、という『NASAKE警戒説』です。
 あの夏目漱石先生は「情にさおさせば流される」とおっしゃってます。これは『NASAKE警戒説』といっていいでしょう。
 ところで、どうしてこんなことを書いたかといいますと、ツバメが来たからなんです。つがいのツバメが、盛んに我が家への侵入を試みています。
 実は、何年か前にツバメが仏間の蛍光灯の傘の上に巣をかけたことがありました。初めはかわいい、かわいい、と言って喜んで子育て支援をしていたのですが、仏間はふんと落とした虫の山、隣が寝室なので早朝ピーピー鳴いてうるさい、臭い、で大変な目に遭いました。
 最悪だったのは、ツバメのひなを狙って大きなヘビが家の中に入ってきたことです。雨の夜、生臭いヒナの臭いに誘われたヘビが天井を伝ってやってきました。巣まであと10センチ。しかし、あともうちょっとのところで、自分の重力に負けて畳の上にバタッ! その音で目を覚ましたぼくらでしたが、ぼくは世の中で何が嫌いかったってヘビほど嫌いなものはなく、ツバメ以上に怯え上がってしまいました。
 それから3時間、へっぴり腰でヘビとの格闘。ようやくヘビを家の外に出した時には夜があけていました。いやあ、本当に散々な目に遭いました。
 そんな献身的な子育て支援のかいあって、ぼくたちは5羽のひなを全員無事に巣立たせることができたのですが、あのときの苦労は大変でしたねえ。もう嫌ですねえ。
 そんなわけで、ぼくは『NASAKE警戒派』になりました。あんたら、別の場所を探しなはれ!
 (2010.05.18)   このページのトップへ

『長い休みが・・・』30

 1ヶ月も休みました。お産や育児休暇ではありません。もちろん病気でもありませんよ。ロングバカンスです。のんびりと二人で一年分の休み・・・。
 普段は休日もなく仕事をしているので、土日祝と休める人と比べれば、30日の休みなんてかわいいものかもしれません。でも、まとまって30日も休めるのは贅沢です。
 何もしないでのんびり、と思っていたのですが・・・。
 休みの冒頭、友人の『あるまんど山平』から「自分のホームページを作ってほしい」と言われ、それを作ることになりました。2週間かかりました。(えっ? ちょっと待って。じゃあ仕事してたんじゃん!)いえいえ、これは友人への友情応援です。仕事ではありません。(でも仕事してたんじゃん!)え、え、ええまあ・・・。
 その間、妻は所在なく家の掃除をしていました。(えっ? ちょっと待って。じゃあ全然のんびりしてないじゃん!)いえいえ、お陰で家中ピッカピカになりましたよ。でも正直、全く会話のない普段より分断された生活に「ちょっと、一体何のために休み取ったのよ!」的な少し不穏な空気が流れていたことも事実です。
 しかし、そんな善行が功を奏したのか、神様が二人を不憫に思ったのか、休みも後半に差し掛かる頃、二人に一枚の招待状が届きました。いやあ、サプライズ! 石原克美さんというオペラ歌手からの招待状でした。この方は仕事上の関係は全くない方でしたが、フトしたご縁で知り合ったとても懐の大きい方で、私たちを夫婦で東京のイタリア文化会館でのリサイタルに招いてくれたのです!
 もちろん喜び勇んで出掛けました。十年ぶりの東京! ええい、この際『はとバス』に乗ってやる! と、夢だった『はとバス』の予約も入れちゃいました。(東京珍道中のお話は、またの機会にします。とにかくいろいろあったので・・・)
 駆け足の夢の東京ツアーはアッという間に終わり、その後は石巻のおばあちゃんを連れて来て、恒例の春の秋田ツアーが始まったわけです。おばあちゃんは10日くらいいましたが、今回はぼくが腰痛になったこともあり、例のホームページの修正などもあり、どこへも連れて行くこともできず、もっぱら重曹とクエン酸による大清掃チームのリーダーとして、妻と頑張っておりました。(すまん、すまん)
 あれっ? 
 あっ!
 ・・・休み終わっちゃったよ。
 (2010.05.07)   このページのトップへ

『脱帽人生』29

 以前、妻が『雑感』の中で「時代遅れ」ということを書いた。なかなか含蓄のある文章だった。
 河島英五の歌を思い出す。好きな歌だ。
 〜不器用だけれどしらけずに、純粋だけど野暮じゃなく、上手なお酒を呑みながら、一年一度酔っぱらう〜
 世の中には何でも器用にできてしまう人がいるようだ。本当にすごいことだ。脱帽だ。
 ぼくはどうか。考えてみたらほとんど何もできない。文章を書いたりwebを作ったりはする。食事もそれなりに作れる。でも、せいぜいそんなもんである。
 世間並みにいろいろできることはあるけど、やっぱりその職業を生業としている人にはかなわない。脱帽することだらけ。だからそういう人を尊敬する。ぼくの周りにもそういう人がいっぱいいる。
 この辺のお百姓さんなんかがいい例だ。あんなおいしい野菜、あんなおいしいお米、ぼくらには作れません。ただただ脱帽です。 
 脱帽といえば、くみとり屋さんにも脱帽だ。あんな臭い仕事、ぼくらにはできません。ありがとう!
 不器用なぼくは、こうして脱帽だらけの人生を送っていくのだろう。不器用な者同士、脱帽し合って生きていくのだろうな。
 器用な人というのはたぶん誰にも脱帽しない(ような気がする)。人を脱帽させても自分は脱帽することがない(ような気がする)。だって、何でもひとりで器用にできちゃうんだから。
 今、脱帽と打とうとして、間違って「脱毛」と打ってしまった。う〜ん、なぜだ? 不吉だなあ・・・。
 気になる脱毛についての深い考察はまたの機会にしたい。
 (2010.05.07)   このページのトップへ

『オオセッカと踏んでいるのだが・・・』28

 環境が環境なだけにいろんな生き物に取り囲まれて生活している。
 鳥、虫、獣、そして老人である。
 鳥はこのコーナーでもたくさん書いた。大体は悪役として登場してもらっている。
 今日は『オオセッカ』という鳥について書こうとしている。この鳥はかつて八郎潟が沼であった時代はこの秋田県でも確認されていたが、干拓されてから生息数が減少し今では見られなくなった。1993年には絶滅危惧種になっている。
 そ、そ、そ、それがいたのだ!  しかも裏庭に。
 ぼくだけではない。妻も野鳥図鑑を持ってそれを確認している。おお! もしやこの辺りに営巣しているのか! これはスクープだ!
 しかし、ちょっと怪しい部分もある。この方の親戚に『セッカ』という少し小ぶりの鳥がいるのだ。こちらは全国どこにでもいる珍しくもない鳥だ。体長11センチと書いてある。『オオセッカ』は13センチ。見た目はほとんど変わらない。 
 う〜ん。ぼくらが見た鳥の体長は12センチくらいであった。とても微妙な判断ということになる。少し大ぶりのセッカかもしれないし、少し小ぶりのオオセッカかもしれない。
 この鳥(オオセッカもセッカもだが)すごくいい鳥なんです。妻の天敵のクモを食べてくれるんですって。
「庭に営巣してくれたらいいのにね」妻が言った。 
「庭に営巣は無理だろう」ぼくが言った。
 その理由は、彼らはアシ原を繁殖地とするからだけではない。庭には、ぼくらの天敵のキジがすでに営巣しているからである。
 (2010.04.02)   このページのトップへ

『キウイが届いた』27

 昨日、生協の宅配で『和歌山産のキウイ』が届いた。
 はて? キウイを頼んだ覚えはないぞ。
 で、調べてみたわけなんですが、頼んだのは『キュウリの漬け物』だった。
 ここで「ハハハッ、なあんだ、キウイとキュウリの間違いねえ」と笑ってもいいのですが、今日はエープリルフールでもあるし、賢明なる読者の皆さんの中には「笑わせようと思って、こいつ嘘ついてるな」と思うむきもあると思う。したがって少し解説を加えねばなるまい。
 もしこれが生鮮スーパーの中での話だったら・・・。「すいません、キュウリください」お店の人にぼくが言う。「まいど、キウイっすね!」店の人はキウイを渡す。「あっ、そうじゃなくてキュウリ、キュウリ。そっちの長いやつ」「ああ、キュウリっすか。長いほうね、あいよ!」・・・そういうことがあるかもしれない。
 しかし、これは生協の宅配での話なのだ。そういう間違いはあり得ない。
 ご存じのように生協の注文はマークシート式になっている。共通一次試験方式(懐かしいなあ)。あっ、今はセンター入試っていうのかな。 
 したがって、もしキュウリの漬け物が欲しければ、その番号のところに印を付けることになっている。当然、キューリとキウイの発音が似ていることなど全く関係ない。
 それなのにだ。なぜ、キュウリの漬け物がキウイになってしまったか、ということだ。
 なぞだ。本当になぞなのです。今ぼくは『和歌山産キウイ』の袋を見ながら考えている。ぼくらはキウイはあまり食べない。買って食べたことなどもう5年はないのではないか。う〜ん、やっぱりなぞだ。
 一つだけ手掛かりがあった。それはカタログの商品ナンバーである。キュウリが56番、キウイが59番だった。ぼくがマークするときに56番のつもりで59番にチェックをしたのかな。でも、なんでまたそんな紛らわしいものと間違えるのか。それが 『亀の子タワシ』だっていいようなもんじゃないか! 『ヒレカツ用の豚肉』でもいいのではないか!(できればそっちの方がよかったな)
 やっぱり過失はぼくにあるのかな? そう思いながら、ぼくは今、和歌山産のキウイを見詰めています。
 (2010.04.01)   このページのトップへ

『東京は寒かった』26

 隣人のK子さんが今、お土産(東京ばな奈)とたくあん(これは自家製)を持ってきた。
 K子さんは夫婦で、兄の法事のために浅草に行ってきたのだった。
「東京は死ぬほど寒かった。こっちよりも寒かった。サクラも咲いてなかった」と言っていた。「東京だがらど思って薄着して行った」とも言っていた。
 な〜んだ、そうなんだ。東京もたいしたことないな、と思った。(何が?)東京も案外ふがいないじゃん、とも思った。(どこが?)
「でも、たまたま全国的に寒波だったんじゃない?」と妻が冷静に言った。う〜ん。確かにこっちも水道が凍るほど寒かったことを思い出した。
 そっか、たまたま寒かったんだ。しかも彼女は薄着だったから特にそう感じたんだな、と思い直した。
 東京の天気予報を見て驚いた。おっ! 今日は16℃もあるぞ。明日は20℃だって? 
 おのれ東京! おぬしなかなかやるな、と思った。甘く見てごめんごめん、と反省した。
 K子さんは、最後に力強くこう語った。
「おら、土かぶっても東京よりこっちのほうがイヅバンいい!」
 わっ、かっこいい!!!
 春の農繁期が始まろうとしている。
 (2010.03.31)   このページのトップへ

『おいおい、また雪だよ』25

 また雪だよ。寒いよ。もう薪ないよ。
 3月終わるよ。もうすぐ4月だよ。
 もう、いい加減にしてほしいよ。
 明日の朝はマイナス6度だって!
 一体どうすればいいんだよ。
 勘弁してよ。
 (2010.03.27)   このページのトップへ

『大足についての考察』24

 バカの大足、間抜けの小足。
 それが本当なら、その基準は一体? つまり、何センチ以上が大足=バカで、何センチ以下が小足=間抜けなのか? 今日は『大足』のほうにテーマを絞って考えてみたい。
 大足で有名なのが、あの『十六文キック』のジャイアント馬場である。十六文は38.4cmだそうであるから相当でかい。でも、実際は32cm=十四文だったらしい。破壊力を持たせるために二文さば読んでいたのだ。でもまあそれにしても大きい。
 昨日、馬場を上回ると思われる大足さんに出会った。ブルースさんである。来客用のスリッパ(たぶん25〜26cm)の倍くらいの大足だった。妻は慌てて在庫の中で一番大きいスリッパを彼に差し出した。しかし、それでもつま先がかろうじて隠れただけだった。
 大足で思い出すのが、以前『かんじきウォークラリー』というイベントに妻と参加したときのことだ。『かんじき』に惹かれて外国人なども参加していたのだが、われわれの前を歩いていた外国人の青年は『かんじき』から足が全面的にはみ出していた。「何のためのかんじきだ?」と思ったものだ。
 そう考えてくると、外国人は足が大きい、イコールバカということになるのだろうか? その基準サイズは、30cmを超えたあたりが怪しいということになるのだろうか?
 しかし、これは一概に言えないような気もする。まず身長の問題がある。ジャイアント馬場は2メートルを超える身長があるわけだし、今例に出した二人も軒並み巨人だ。
 それから性別の問題もある。和田アキ子を除けば女性で30cmを超える足を持つ人は少ないのでないか。(和田アキ子ってそんなに大きいの?)
 紙面の都合もあるので、そろそろ結論を出さなければならない。
 結論・・・。全体としてバランス的に「大足だなあ」と思えば大足である。
 結論・・・。大足だからといってバカというのはバカである。そういうふうに思っている人がバカなのである。
 結論・・・。大足の人が小さい履物を履いたときは笑える。(すみません)
 石巻のおばあちゃんが和服を着てお出かけしたときの、小さな草履からはみ出していた大足(ゾウ足?)は笑えたなあ。 
 (2010.03.26)   このページのトップへ

『都会の人たちは元気がない...らしい』23

 今日、久しぶりに来客がありました。
 あるまんど山平というぼくの高校時代からの友人と、ブルース・ヒューバナーさんという人です。<あるまんど山平のホームページはこちら>
 お土産に、秋田が好きになって田沢湖で冷麺を作っているという盛岡出身の人の(複雑だ)冷麺をもらいました。
 あるまんど山平は、言わずと知れた、フォルクローレという南米の音楽をやっている『ベルヴィエントス』のリーダーです。秋田放送ラジオで日曜AM10時から『くさたま音楽堂』のパーソナリティもやってます。 *今週(3月28日)は彼らのライブが聞けますよ!
 で、ブルースさんですが、彼はあるまんど山平と組んで『フォレスト・ノート』というグループで尺八をやってます。さっきの冷麺の紹介風に言えば、彼は日本と尺八が好きになって横浜に住んで尺八を吹いているというカリフォルニア出身の(複雑だ)人です。
 カリフォルニア出身の彼が『尺八』。う〜ん。
 ライブの音を聞かせてもらいました。おっ! いいじゃん、いいじゃん。ぼくは鳥肌がたちました。妻もうっとり聞き入っていました。尺八ってこんなに表現力のある、繊細で奥深い楽器だったのかあ・・・。
 驚きでしたねえ。ブルースさんは日本に来て26年、こよなく日本の文化を愛し、お酒を愛し、尺八を愛しているようでした。まるで平成の小泉八雲ですね。
 彼らは、ついこの間まで、大阪とか山口とかいろんなところをコンサートで回っていたそうで、こんなことを言ってました。
「都会の人たちは元気がない」「都会の人たちは疲れている」「だからこういう音楽が心に沁みるのだ」。
 なるほど、そうかもしれないなあ。
 不景気、事業仕分けの風がピューピュー吹いているのだろうなあ、都会。
 田舎はいいなあ。いるだけで癒されるなあ・・・。鳥の騒音が何だっていうんだ。虫がなんだっていうんだ。ぼくは田舎、大好きだなあ・・・。(えっ? 無理してないかって? うそじゃないって、ホント、ホント。マジですって) 
 (2010.03.25)   このページのトップへ

『また雪だよ』22

 大雪になるらしい・・・。
 冬に逆戻り・・・。
 ああ、そうだよな。まだ3月も下旬なんだよな。
 秋田の冬はそんなに甘くないよな。
 思えば10月には早くも『暖』を取り始め、5月まで『暖』を取り続けるんだったな。
 暖、暖、暖、暖、暖、暖、暖、暖と8ヶ月の『暖』。過酷やなあ。金もかかるなあ。
 暖なし期間は4ヶ月間しかないってひどくない? しかも、そのうちの7月と8月は死ぬほど暑い。
 それが秋田なのだ。・・・まいった。 
 (2010.03.25)   このページのトップへ

『春はクモから始まる』21

 また書いちゃってます。
 こんなに毎日のように書いてたら、皆さんは「こいつ、きっとヒマなんだぜ」と思われると思います。
 そうなんです。ヒマなんです。うちの仕事は分業型なので、時々どうしてもこういう不均衡が起こってしまいます。 
 ぼくの左側(方角的には西側なのですが)では、事務所代表が耳にヘッドホンを当てながら、目を充血させて、1秒間になんと38文字もキーボードを叩いています。キーボードは音が静かな「静音タイプ」なので、トトトトトトトトトトトト・・・と聞こえます。決してカタカタカタカタ・・・、いわんやカタ、カタ、カタ、カタ・・・ではありません。トトトトトトトトトトトト・・・です。それにしても速い! 速過ぎる! 隣にいるぼくは、ボーッとしながら、大口を開けて『餡(あん)ごま餅』などを食べているわけなんです。うん。これ、なかなかうまいなあ。
 今の仕事状況は『西高東低』、冬型の気圧配置です。つまり西が忙しくて東がヒマ。いかん。ぼくも何かしなければ・・・このままではクビになってしまう。少しは何か叩かなければ・・・。お茶を濁さなければ・・・。『西高東フツー』ぐらいには見せかけねば・・・。

 え〜、昨日クモが出現しました。春なのですねえ。
 これからたくさんの虫が出てきます。春という字に虫を2匹書いて『蠢く(うごめく)』ですが、まずクモがうごめき出しました。
 妻はムシが大嫌いで、「きゃあ〜! クモ、クモ、クモ!」と騒ぎます。(あっ、騒ぐって馬の又に虫って書くんだ。う〜ん、なるほど、そりゃ騒ぐわな。かゆそうだもんな)
 これから夏にかけて「きゃあ! ○○○、○○○、○○○!」の回数が増えていきます。○○○は「ムカデ」であり「ナメクジ」であり「ダンゴムシ」であり「カメムシ」であり・・・。
 その度にぼくが、用途に合わせて、ティッシュペーパーとか名刺とか『Hey! ムシムシかかってこい一撃必殺スプレー』(そんなのあったっけ?)などを持って出動することになります。「害虫バスター」が忙しくなる時期です。
 このコーナーに、さんざん鳥の騒音被害を書いてきましたが、田舎は虫の被害も甚大ですね。ああ、嫌だ、嫌だ。
 いつもこんなことばっかり書いてると、自分がとっても「田舎大嫌い人間」に思えてきます。「だったらお前、出ていけや!」というお叱りの声が聞こえてきそうです。ダメだ、ダメだ。今度はちょっと「田舎のいいところ」も書いてみよう。 
 (2010.03.22)   このページのトップへ

『チューブ搾りの達人』20

 人にはいろいろ「取りえ」があるものです。
 家の中の仕事で言えば、料理が上手い人というのがいます。洗濯がこの上なく上手な人がいます。うちの場合は、前者がぼくで後者が妻ということになります。
 テレビのリモコンを操る能力に長けた人もいます。彼は、手のスナップを利かせて、寝ながらにして起用にリモコンを操作していました。これも立派な能力です。(そうかな?) ちなみにこれはうちの親父です。 
 しかし、人間というのは悲しいかな、自分ではそういった「取りえ」、つまり「偉大な能力」「人に誇れる才能」に気付いていないんじゃないのかな? というのが今回にテーマです。
 昨日、「ハマチの刺身」を食べようとして準備に取り掛かっていた時のことだ。「SB本わさび」のチューブを搾り終えたぼくは、空のチューブを捨てようとして驚いた。
「ん? ない!」
 ご存じのように、わさびのチューブというのは透明なので中身の残量が確認できる仕組みになっています。搾り終えたチューブの中に、なんとわさびが一滴(一粒?)もなかったのだ!
「おれって天才?」「おれって達人?」
 新しい「取りえ」を発見してしまったぼくは、密かに悦に入った。
 悦に入りながら、家の中にあるさまざまなチューブ形式のものを思い浮かべて、あれこれ考えた。歯磨きチューブ、ケチャップのチューブ、オロナイン軟膏のチュープ・・・。そして、「チューブ搾りの達人」が出した結論はこうである。
 一番の達人泣かせは「マヨネーズのチューブ」である。これは口のところが非常に堅いので、どんなに頑張って搾っても、どうしてもあそこに中身が滞留してしまう。透明で中身が見えているだけにとても残念である。歯で噛みちぎりたい衝動にかられる。あれはどうしてあんなに口を堅くしているのだろうか。どうしてあんなに口を頑丈にする必要があるのだろうか。何か秘匿しなければならないほどの「のっぴきならない」事情でもあるのだろうか。
 キューピーさん、味の素さん、そこんとこ是非教えていただきたい! そんなに口を堅くする理由を。
 (2010.03.21)   このページのトップへ

『揚げるな危険!』19

 団子粉って知ってますか?
 米の粉と餅米の粉が混ざったもので、団子を作るときに使います。
 今日は春分の日、春のお彼岸ということで、お墓に団子を供えようと思っています。
 昨日から天気が荒れてて、春雷がとどろき強風が吹き荒れているので、今日は行けないかもしれませんが・・・。「彼岸荒れ」というらしいですね。
 それはそうと、タイトルの『揚げるな危険!』というのは、その団子粉のB面の注意書きにあったものです。何やら怖い文句ですねえ。「ダンゴコ」という穏やかな響きとは正反対の不穏な響き。何か犯罪のにおいまでしてくるではありませんか。
 『混ぜるな危険!』というのは、確かトイレ関係のなにかで見たな。『上るな危険!』は、確か鉄塔方面で見たような気がする。
 『揚げるな危険!』 う〜ん。どう考えればいいんだ。
 団子を揚げる人がそういるとは思えないが、揚げ餅というのがあるくらいだから、もしかしたら揚げてしまう人もいるってことだろうな。「揚げ団子」・・・うん、ありそうだ。
 でも、揚げた場合、一体何が起こるというのだ。怖い化学反応が起こるとでもいうのか。分からない。知りたい!
 人間「やるな!」とか「ダメよ!」と言われれば言われるほどやってみたくなるものである。
 命があれば、いつか結果をお知らせします。
 (2010.03.21)   このページのトップへ

『一品多数安心主義』18

 雑感をほぼ2ヶ月も書いていない妻は、ずーっと忙しくて僕をかまってもくれません。かく言う僕も、何だかやっぱり忙しく、忙しいのはいいことなのだ! と思いつつ、でも時々ホームページを更新しなければ、せっかく増えてきた読者の皆さまに申し訳なく、そんなわけで、僕は今日少しひまになったので、妻の業務命令に従って、妻に成り代わって書いているのです。
 あっ、伊藤真理さんの『雑感』ファンの方、ごめんなさい。彼女は生きてますよー。しかも元気ですよー。もう少しお待ち下さいねー。
 ・・・で、本題。
 『季節限定ラミーチョコ』『冷凍マグロハラミ切り落とし』『kaepaの靴下』・・・。まだまだいっぱいあります。これ、何だと思います?
 一つのアイテムをたくさん買わなければ安心できない僕たちが、買い込んだもののほんの一例です。
 今は『季節限定ラミーチョコ』にはまっておりますが、これも6個とか、そういう単位で購入します。『1ケース(たぶん20個)買い』が夢です。
 もう飽きてやめたのですが、『冷凍マグロハラミ切り落とし』は生協の宅配で一気に9個とか購入していました。これは、注文用紙(マークシート)の個数の欄がひと桁しかなかったからで、もしふた桁だったら99個買っていたかもしれません。9個というオーダーは、さすがに生協のオペレーターの方も不審をいだいたようで「本当に9個ですか? 何かの間違いではありませんか? 1個とか7個とか・・・」と電話がかかってきたこともありました。
 そういうちょっと変わった習癖がどうも僕らにはあるようです。(特に妻には・・・) 
 (2010.03.18)   このページのトップへ

『キジも鳴かずば撃たれまいに』17

 先日、このエッセイでキジの話を少し書いたのですが、今朝(というか早朝3時ごろ)また鳴いていました。 
 うるさいなあ・・・と思って目を覚ましたら、それから眠られなくなってしまい、ウトウト考えていたのが『キジも鳴かずば撃たれまいに』というお話。
 黙ってりゃいいものを、下手に鳴いてしまったばっかりに、猟師に撃たれてしまった哀れなキジさんのお話というか、お千代という娘がうっかりわらべ歌を口ずさんでしまったばかりに、父親が人柱にされて殺されてしまったお話です。石川県の民話なのですが、これはこれでけっこうかわいそうなお話で、お千代がとっても不憫です。
 まあ、それはいいんですけど、僕がウトウトしながらツラツラ考えたことは、僕らもこのキジやお千代のようなことを、つまり黙ってりゃいいものを・・・というようなことをやってしまってるなあ、ということでした。
 口は災いのもと、と言いますか、うんうん、やってるやってる、と思ったわけです。気を付けようと反省したわけですね。撃たれたくないですもんね。
 それはそうと、うちの庭で鳴いているキジなんですが、こいつはどうでしょう。撃たれたほうがいいのではないでしょうか。
 このお話には、別の教訓があるような気がして僕にはならない。つまり「あまりに汚い声で鳴くものは、騒音対策として容赦なく厳しい処分がくだされてしかるべきだ!」という教えである。ちょっと残酷でしょうか。
 ギャゴ、ギゴ、ギャグゥ、グギャ・・・。
 チェーンのさびた自転車をこいだときの音、さびついたシャッターをヨッコラショと開閉するときの音。そういう音が大音量で朝の心地よいまどろみをかき乱すことを想像してみてください。きっと皆さんもそう思いますよ。えーい、撃ってやる! キジ鍋にして食ってやる!って。
 えっ? やっぱり残酷だって? そっかなあ・・・。 
 (2010.03.18)   このページのトップへ

『ああ、また雪だ』16

 春になったと思っていたら、今朝また大雪が降った。
 冬に逆戻り・・・。
 ああ、そうだよな。まだ3月も上旬なんだよな。
 秋田の冬はそんなに甘くないよな。
 大雪暴風警戒が気象庁から出ている。
 昨日まで積雪ゼロだったのに、一夜にして50センチも積もっている。
 この分では、明日には1メートルを超すのではないだろうか?
 まいった。 
 (2010.03.10)   このページのトップへ

『キジと湯たんぽと野良ネコ』15

 タイトルを付けてみたものの、何をどう書いていいものやら悩んでいます。(だったら書くな!)
 とりあえず、共通のテーマが見当たりません。
 まあ、キジと野良ネコに関しては、最近特にうるさいということが共通しています。
 彼らは本当にうるさい! 春だからネコは発情しているのは分かるのですが、あのキジという鳥は一体何なのでしょう。ひどい声ですねえ。
 しかも、飛び方もひどい。バダバダバダ・・・と非常にダサイですね。
 彼らは、朝だけでなく、夕方に激しく鳴くので、せっかくの晩酌タイムが台無しになってしまいます。音楽が聞こえないくらいにうるさい!
 ついでに言えば、田舎に来て野鳥の声がいやしになったことは皆無です。例外的に「ウグイス」だけは、まあ許せるけど。
 それ以外は、申し訳ないけど騒音です。(こんなこと言ったら、都会の皆さんに怒られそうですね。野鳥のさえずりのCDなんかもあるんですもんね。すいません) 
 このコーナーで一番初めに書いたエッセイが『モーニング・ノイズ』だったように、意外に田舎ってうるさいんですよ。本当に。 
 さて、そうそう『湯たんぽ』を忘れてました。
 これは当然ですが、僕たちの冬の必須アイテムで、今も使っているのですが、(妻はこれで低温火傷を2回もしました)実は夏の必須アイテムでもあるのです。
 夏は、井戸の水を入れて使います。
 ふくらはぎに当てて寝ます。すっごく気持ちいいですよ。
 夏の話を今書いてもしょうがないけど、まあ、そんなわけで、3月に入って、少しずつではありますが気温も緩んできました。テレビも映るようになりました。
 本番の春がすぐそこまで来ています。
 ああ、長かったなあ。そして、寒かったなあ。
 (2010.03.03)   このページのトップへ

『クルマに乗れるヨロコビ』14

 初めてここに来た時はクルマがありませんでした。6年近く前のことです。
 なので、オンボロ自転車で4キロの道のりを買い物に行っていました。
 それを不憫に思ったのか、「3ヶ月しか車検ねえども乗るならけっから」と言ってクルマをくれたありがたい人がいました。こうして僕らはクルマのオーナーになりました。そのクルマのお陰で、僕は妻の両親を田沢湖まで連れて行ってあげることができました。
 3ヶ月後、そのクルマを車検に出したところ、修理屋さんから「このクルマは限界ですね」と言われました。僕らが自転車生活に戻ることを覚悟していると、なんとその修理屋さんがこう言いました。
「その代車でよければ車検の料金でお譲りしますよ」と。こうして、僕らは2台目のクルマを入手することができました。そのありがたい修理屋さんは新品のタイヤまで付けてくれました。
 そのクルマは2回も車検をパスして4年間乗ることができました。足回りはボロボロでシートも破けていましたが、エンジンは良好だったのです。このクルマで石巻に何回行ったか分かりません。
 こんなに長く乗れたのは、素人の僕らにクルマの修理を懇切丁寧に教えてくれた方と、新しく出会った信頼できる親切な修理屋さんのお陰です。
 しかし、この2月の3回目の車検は、シャフトが腐っていてさすがに今回は無理だろう、ということでした。
 その修理屋さんは、「車検の予算の中で探してみるから、それまでその代車に乗っていてもかまわないよ」と言ってくれていましたが、代わりのクルマはそう簡単には見つかりそうもありませんでした。
 僕らはあきらめていました。「また自転車生活もいいじゃん」と妻。「乗合タクシーもあるしね」と僕。(ちなみに、路線バスは去年廃線になって、交通手段は乗合タクシーしかなくなったのです)
 ところが、なんとそれが手に入ってしまったのですよ。
「いやあ、なかなか見つかりそうもないから、よろしければその代車譲りますよ」修理屋さんが言いました。
「えっ! 嘘でしょ。こ、こ、これをですか!」僕らは驚きました。
 その代車はとても信じられないほど立派なものだったからです。「わあい! 修理屋さん、ありがとう!」と言って、僕らは小躍りして喜び合いました。
「何だか、車検のたんびにいいクルマになっていくね」
「うん、うん」
「あきらめてたのにね」
「うん。やっぱり田舎じゃクルマはあったほうがいいよね」
「うん。大事に乗ろうね!」
 (2010.02.28)   このページのトップへ

『Chim Chim Mary』13

 薪ストーブを焚いているわが家では、煙突掃除が欠かせません。
 極寒の日が続く今年は、その分たくさん薪を焚くので、当然、ススもたまりやすくなります。
 詰まるとどういうことになるかというと、まず燃えにくくなります。(当たり前ですね)そして、部屋中に黒いボウフラのようなススが飛散し始めます。(これが服や食器にくっ付くとなかなか取れない)さらには煙突のススに火がついて、煙突そのものが燃えます。(わが家ではまだそういう危険な目には遭ってませんが)
 そんなわけで、煙突掃除は冬の大切な仕事なのです。昨日は久々に天気が良かったので、妻と二人で煙突掃除をしました。
 ピアノ線の先に、大きな金ブラシが付いたものを、煙突の中に入れてゴシゴシやるのですが、普段筋力を使っていないので、これが結構重労働です。今日は筋肉痛になりました。
 それから、マスクをしてもススが鼻の中に入ってきます。これもつらいものがあります。
 イギリスの古い昔話に「煙突掃除人と握手すると幸運が訪れる」という伝説があるそうです。『チムチムチェリー』という歌は、それを基にして作られたとか。
<煙突掃除人は最下層の仕事だと人は思うでしょう? 煙と灰にまみれて過ごしているけれど、この世界中でこんなに幸せなやつはいないんだ。
 誇りは心に満ちている。煙突を掃いて中を磨く。煙がうずまく雲の上。歩道と星のすき間には、煙突掃除屋の世界がある。昼もなければ夜もない。半分は影、半分は光。ロンドンの屋根の上からの眺めは最高さ!>
 ススだらけの妻の顔は『チムチムチェリー』ならぬ『チムチムマリー』でした。
 ぼくの顔ですか? 『カールおじさん』だろうって? ええ、その通りです。
 『チムチムマリー』と『カールおじさん』は、幸運が訪れるように、真っ黒い手でガッチリと握手を交わしました。
 (2010.02.18)   このページのトップへ

『農林大臣賞』12

 薪を手配してくれた近所の幸蔵さんが、少しはにかみながらこう言った。
「おいの孫、農林大臣賞もらって今日家族で東京さ行った。表彰式あんだど」
「えっ! 農林大臣賞って、何? 何? 何?」
「夏休みの宿題で、ポスター描いて全国で四つだがの賞さ入ったんだど。町の広報さも載ってだべ。取材も来て大変だった」
「へえー! すごいっすねえ。ポスターって?」
「ああ、交通安全のポスターだ。手うーんと長ぐ描いだのがよがったんだど」
「なるほど」
「交通費も宿も出してくれるんだど。あっつで」
「家族全員の?」
「ああ。だどもジッチャ、ババは実費なんだど」
 幸蔵さんはそう言ってうれしそうに笑った。
「明日帰ってくるんですか?」
「なも。もう一泊して、あれ、あっこさ行くんだど・・・うーん」
 幸蔵さんはそう言って、目を閉じて眉根を寄せた。
「はとバスっすか? 皇居とか?」
「なも、なも。あれ、あっこ・・・。ほれ、ミッキーマウスいるどご・・・どごだっけが?」
「ああ、ディズニーランドっすね!」
「んだんだんだ。デンズニランドさ行ぐんだど」
「へえー! それもあっちで?」
「んだ。出してけんだど。田舎っぺえだがら、宇宙人見るようなあんべだべなあ」
 幸蔵さんは、そう言ってチェーンソーを担いで帰っていった。後ろ姿がとても誇らしげに見えた。
 妻にその話を教えると、『農業一年生』という田舎での農業体験を書いて、かつて『毎日新聞農業記録賞』という賞を受賞したことのある妻は、本当にうれしそうにこう言った。
「いいなあ。ほんわかして、何だかいいなあ。そのお孫さん、幸蔵さんたちの誇りなんだろうねえ・・・」  
 (2010.02.11)   このページのトップへ

『凍る』11

今日、洗面所のタオルで手を拭こうとしたらバリバリ音がした。凍っていたのだ。
歯を磨こうとしたらガリガリ音がした。歯ブラシが凍って金ブラシになっていたのだ。
手を洗おうとしたらせっけんもガチガチに凍っていた。流しの洗い物の食器の上にもバリバリ氷が張っていた。
日中でも氷点下5度以下の日が続いている。最低気温はマイナス7度。これでは凍るわけである。
妻は、あまりの寒さで鼻の奥の粘膜が凍って損傷した。そのため鼻水がズルズル垂れてくる。苦肉の策で、ティッシュペーパーを鼻穴に詰めてキーボードを打っている。なかなか素敵、いや過酷である。
それにしても寒い。息もできない。これでは体がもたない。シベリアじゃないんだぞ! ここは日本なんだぞ! 何とかならないものか。あまりじゃないか! あったかい地域の方がうらやましい。普通の地域の方もうらやましい。地域格差もはだはだしいじゃないか! ついつい、ひがみっぽくもなる。
少し前のことだが、お風呂に入ろうとしてお湯が出ない、ということがあった。浴室の蛇口が凍ってしまったのだ。
仕方なく、ボイラーに付いている給湯の蛇口から出るお湯をバケツに汲んで、二人でバケツリレーをやった。浴槽をいっぱいにするのに一時間以上かかった。
シャワーが使えないので、中のお湯で洗おうとお湯を多めに入れたのだが、洗う段階になって、皮肉なことにシャワーが出た。空しかった。
今、パソコンを打つ指も凍っている。この状態が一日中続く。
何だか文章も凍りがちである。脳みそも凍っているのかな。
井上陽水の『氷の世界』に、「僕のテレビは寒さで、画期的な色になり・・・」という歌詞があった。
それどころではない。うちのテレビはブラウン管が凍って何も映らない。
 (2010.02.06)   このページのトップへ

『かわいい奥さんだもんね』10

ノロケを書こうとしているわけではありませんよ。これは、昨日肉屋さんで言われた言葉。
昨日は妻の誕生日だったので、久しぶりにハンバーグが食べたいという妻のリクエストにお応えして、久しぶりに秋田市へ行き、久しぶりに肉屋に寄りました。
そこで特売の合挽肉を購入したんですが、その時突然、レジで「ハッピバースデイ ツー ユー♪」が流れたんですね。驚きました。
「おめでとうございま〜す!」おばさんは満面の笑みでそう言うと、六個入りの卵ケースを差し出しました。
「えっ? いいんですか?」妻が聞きました。
「今月お誕生日ですね。プレゼントで〜す」おばさんが言いました。
「わーい。ありがとうございまーす!」この時、妻は内心(ハンバーグの卵助かった。ラッキー!)と思っていたそうです。
「実は今日なんですよ」ボクが軽い気持ちで言いました。その時、後ろ向きで作業をしていたおばさんたち4人が一斉に振り返りました。
「おめでとうございま〜す!」
ボクはうろたえました。(そんな大げさな・・・)そして、あがってしまったボクは、その後の会話が全く記憶に残っていませんでした。
クルマに乗る時に妻が言いました。「ねえ、今聞いた?」「え?」「聞いてないの?」「うん」「かわいい奥さんだもんねって言われたんだよ」「うそっ」「ひっどーい! それじゃあまるで、自分で作った話みたいじゃない」
妻は最後にブツブツこういいました。「あの人2回も言ったんだからね。うそじゃないからね!」
 (2010.01.29)    このページのトップへ

『洗濯機のフタさん』9

ぼくのエッセイ(という形式になっているか疑問だが・・・)によく出てくる『洗濯機のフタさん』について、ちょっと解説をしておきます。
ちなみに洗濯機というと、今や全自動が当たり前ですよね。うちは『全手動の二層式』なんです。SANYOの二十年選手。正確には22〜23年だそうです。「ええっ! うっそー!」と思われるかもしれませんが本当です。
妻がOL時代に買ったものを今でも使っているのです。掃除機やトースターや布団乾燥機、冷蔵庫などもみんなそうです。
『洗濯機のフタさん』というのは、この二層式の脱水槽の塩ビのフタなのですが、経年劣化でたくさんヒビが入って割れてしまいました。普通は、この段階で「やっぱりもう限界よね」となるのでしょうが、「本体は頑丈なのにもったいないなあ」となるのがぼくらなのです。
ええ。割れた所に約30カ所もビニールテープを貼って直してしまったんです。えっ? セコイって? 
もちろん、使ってるうちにまたはげてくるので、その都度また貼っての繰り返しですが、何とか洗濯ものが飛び出すことはないようです。
そんな『洗濯機のフタさん』は、ぼくらにとって不憫というか、憐憫というか、愛らしくもあり切なくもあり、といった特別な存在なのです。
石巻のおばあちゃんは、遊びにくるたびに「私が買ってけっから。いいがら新しいの買わいん」と言ってくれるのですが、やっぱりこればかりは「うん」と言えません。
そんなわけで、そういう『けなげ組』の電化製品たちの中でも、この『洗濯機のフタさん』は特に愛着がひとしおなのです。はい。
コラムニストの天野祐吉さんが、『もったいない』と『みっともない』の違いみたいなことを言ってましたね。
さあ、これはどっちでしょうね。
皆さんはどう思われますか?
 (2010.01.29)   このページのトップへ

『格さんVS山さん』8

この戦い、さて、何でしょうか?
格さんは、言わずと知れた『水戸黄門』。山さんは、あの『太陽にほえろ!』の「吐くんだあ」のデカである。
『水戸黄門チーム8人』(担当真理さん)と『七曲署チーム8人』(担当ぼく)が卓球で戦っている。その卓球トーナメントの敗者復活戦のカードがこれだった。結果は、ファイナルセットにもつれ込んだ末、格さんが勝った。決勝リーグ進出は、この格さんと由美とボスと決まった。
意外に白熱するんですよ。マジ、真剣モード。今までいろんな戦いをやったなあ。『大相撲夢の対決シリーズ〜パート2』では、準々決勝で大鵬と江戸の花が当たっておもしろかった。江戸の花は万年弓取り力士だったので、絶対見られない、まさに夢の対決だった。結果は大鵬の勝ちだったが。
『洋画俳優対決』では、フォレストガンプのトムハンクスが優勝。なるほど、だった。
『アニメヒーロー対決』では、マジンガーZを抑えてお色気でキューティーハニーが優勝。『世界のミュージシャン対決』では、桜井寿和を抑えてジョンレノンが金だった。
そのほかにも『村人対決』やら『親戚対決』、はては『日頃の感謝を込めてモノさん対決』というのもあったなあ。ちなみに優勝は、空気清浄機さん、準優勝は卓球台さん、三位は入れ歯さんだった。洗濯機のフタさんは敗復リーグで涙を飲んだ。
ねえ、いい歳をして本当にバカみたいでしょ。
今日は、妻の誕生日である。おめでとう!
それを記念して『食いしん坊対決』がスタートする。
メンバーは、『椰子風特製ハンバーグ』やら『椰子風うどん』『真理風豆のクリームチーズサラダ』『真理風手羽先大根』など有力選手が目白押しである。
誰が優勝するか。乞うご期待である。
 (2010.01.28)   このページのトップへ

『あるっちゅうねん!』7

うちは、生協の個別宅配を利用している。
なかなか買い物に行けないぼくらとしては、とっても助かるサービスだ。特に冬はありがたい。
今日も「こんにちは〜。セーキョーで〜す」という声とともにそれが届く。
「わあ〜!」と、いさんで妻と飛び出していって箱を開けた。
「ん?」冷凍サンマを見付けた妻の顔が曇った。
「あっ!」焼酎を見付けたぼくが叫んだ。
「あ〜!」重曹の1キロ袋を手に取って妻がため息。
「こ、これも・・・」やたら長〜い食パンに絶句。
「納豆、2パックもあるよ!」
それらは全部、昨日雪の中をわざわざ町まで行って買ってきたものだった。
厳密に言うと、シジミ、アジの開きもだぶっていた。
「あるっちゅうねん!」ぼくが怒って叫んだ。
「あっ! 糸こんにゃくない」
今度は、妻が落胆してつぶやいた。
今日のおでんの具材だ。来ると思ってこれは買わなかったのだ。
「牛乳もヨーグルトもない」
妻の声が泣き声になった。
「ないっちゅうねん!」ぼくは妻の気持ちを代弁して叫んだ。
いつもなら、喜び勇んで『わ〜い!」と冷凍庫や冷蔵庫にしまうぼくらだが、今日だけは肩を落としながら荷物を運ぶしかなかった。
誰のせいでもないのだ。自分たちが悪いのだ。
「バカみたい」と妻。
「あるものが『あるっちゅうねん!』で、ないものが『ないっちゅうねん!』だもんな」とぼく。
「まあいいや、不要なもんじゃないんだし」
「そうだね。セッセと食べよう」
 (2010.01.14)   このページのトップへ

              

『魚屋になりたい』6

小さいころ「将来なりたい職業は?」と聞かれ、迷わず「肉屋です!」と答えていた。
「コロッケ屋です!」と答えた子もいたように記憶する。
もちろん、「プロ野球の選手」という答えが、あのころの男子では圧倒的に多かった。
ぼくもそれにはなりたかった。巨人があのころは大好きで、50円のバニラアイスを買ってきて、ラジオの前でスコア表まで作って熱中して聞いていた。
でも、『職業』と聞かれて『プロ野球の選手』と答えるのは、あのころピンとこなかった。
「肉屋」「自転車屋」「オモチャ屋」などは『職業』っぽいなあと思っていた。
当然、そこには「八百屋」「魚屋」っていうのも入るんだけど、ぼくは野菜と魚が嫌いだった。肉が好きだった。
だから、迷わずに「肉屋です!」と答えていたのだ。
「コロッケ屋です!」の子も、具体的で少しうらやましかった。
で、歳を重ねて今・・・。
ぼくは、肉よりも魚が好きになった。
タラ、アジ、サバ、カツオ、カレイ、マグロ、イカ、タコ、サンマ、イワシ、シシャモ、キンキ(吉次)、ハタハタ、金目鯛、タイ、アナゴ、ウナギ、ホタテ、カニ、ヒラメ、銀タラ、ブリ、ハマチ、ウニ、カキ、シジミ、アサリ・・・。
きりがない。全部好きだ。大好きだ。前世は海の中にいたか、ネコだったか、と思うくらいだ。
妻は、野菜が大好きで、前世はウサギだった、と言っている。卯年生まれでもある。
そんなわけで、わが家は野菜と魚のメニューがほとんど。
今「なりたい職業は?」と聞かれたら、肉屋を返上して「魚屋です!」と答えるだろう。
妻は「八百屋です!」と答えるだろう。
職業といえば・・・。
自分の職業は何だろう?
少なくとも「魚屋」ではない。
今年の抱負は「魚屋」になること。
つまり、本当になりたい職業に就くことです。
ご期待下さい。
 (2010.01.07)   このページのトップへ

『ありがとうさん』5

川端康成の小説に、確か『有難う』という短編があった。
村の定期乗合自動車の運転手は、とても礼儀正しい優しい人だった。
彼は、砂利道を走りながら、よけてくれた馬車に「ありがとう」と言い、大八車に道を譲ってもらえば「ありがとう」、馬にも「ありがとう」「ありがとう」と声を掛ける。
とても評判のいい運転手は、みんなから『ありがとうさん』と呼ばれていた。
ぼくも負けずに『ありがとうさん』になって声を掛けたい。この一年の感謝を込めて。
「伊藤真理さん、ありがとう!」
「いいちこ(焼酎)さん、ありがとう!」
「石巻のおばあちゃん、ありがとう!」
「卓球台さん、ありがとう!」
「MIRAちゃん(マイカー)、ありがとう!」
「入れ歯ちゃん、ありがとう!」
「パソコンさん、ありがとう!」
「お兄さま、お姉さま、ありがとう!」
「電化製品さん、ありがとう!」
「三温窯の皆さん、ありがとう!」
「ひげトリマーさん、ありがとう!」
「重曹さん、ありがとう!」
「湯たんぽさん、ありがとう!」
「お仕事さん、ありがとう!」
「洗濯機のふたさん、ありがとう!」
「村の皆さん、ありがとう!」
「インターネットさん、ありがとう!」
「先祖の皆さん、ありがとう!」
今年はそんな一年でした。
いろんな皆さん、
いろんなモノさん、
本当に本当に「ありがとうさんでした!」
 (2009.12.30)   このページのトップへ

『すてきなギフト』4

僕へのバースディプレゼントを何にするか悩んでいた妻が歌った。
「一番きれいな色って何だろう。一番光ってるものって何だろう・・・♪ 」
『Mr.Children』の『GIFT』のフレーズ。ご存じですか? いい曲ですね。
僕は今日、50になってしまいました。4→5という繰り上がり方っていやですよね。1→2、2→3あたりはよかった、大人になる高揚感がありました。
3→4、このあたりは、う〜ん。微妙に悲喜入り交じった感じだったなあ。
5→6、6→7、7→8、8→9・・・。このあたりは想像するに『あきらめ』と『長寿の喜び』が混在していくんでしょうね。もしかしたら、そんなことすら思わないのかな。
誕生日のプレゼントに、妻からすてきなモノをもらった。いや、いただいた。拝受いたしました。ありがとう!
そのギフトは歌の通り、確かに光っていた。銀色に輝くワイヤーが印象的だった。
なぜ光っていたのかって? 『入れ歯』だからです。
なぜ『金』ではなく『銀』なのかって? 妻は『見た目』も気に掛けてくれたようです。お正月の獅子舞のような金歯ではちょっとねえ・・・。
いくら奥歯でもねえ。オリンピックのメダルと違って、こういうものはやっぱ銀でしょう。金は下品でしょう。成金みたいで、何となく。
そんなわけで、僕は入れ歯を贈り物にいただいたわけです。授与されたところは、大潟村のK歯科です。
先生は「これは奥様からの誕生日プレゼントです。大切に使ってください」とは言わなかったし、イニシャルの刻印ももちろんありませんでしたが、三千何がしかのお金を払い終えた妻は、
「はい、それ、誕生日プレゼント!」とニッコリ笑ったのでした。
誤解のないように申し上げますと、これは『入れ歯』と言っても全面的なものではありません。ええ、奥歯一本だけの『かわいい』部分入れ歯ちゃんですよ。
でも、『入れ歯』という言葉にはずっと抵抗感がありました。ゼッタイに入れ歯だけは嫌だ! と思っておりました。
まあしかし一方で、「硬いせんべいだって何だって、バリバリやりたい!」とも思っておりました。
そもそもなぜ奥歯がなくなったかと言えば、硬いせんべいのせいなのです。
宮城県のどっかの道の駅で買った石のように堅い『何とか堅焼きせんべい』のせい。
奥歯が一本ないことによって、どれだけ僕は人生のヨロコビを放棄してきたことでしょう。
50になったこの日、僕はそのヨロコビを手に入れたのである。
どうだ! おい、硬いせんべい! 
おい、硬いスルメ! 
おい、硬いガッコ! (*『ガッコ』・・・秋田弁で漬け物のこと)
おい、硬い肉! 
ドーンとかかって来いってんだ! 
オージービーフだって食えるぞ! まいったか!
結構いいもんですよ。使った感じ。『ireba』という言葉の持つ響きだって、いいじゃないですか、アラブ語みたいで。
勝手なもんだけど、こうやって人は、カラダの経年劣化と気持ちの折り合いをつけていくのかもしれませんなあ・・・。
何より健康、何より食欲。それこそが人生のシアワセですもんねえ。すべてと言っていい。
僕は、妻への感謝をミスチルの歌に乗せて歌った。返歌ってやつです。
「僕はかみしめる(本当は"抱きしめる”)、君がくれたギフトを。
いつまでも口(本当は”胸”)の奥で、ほらっ! 光ってるんだよ! 光り続けるんだよ〜♪」
 (2009.12.10)    このページのトップへ

『ナゾの大根』3

玄関を開けると、土の付いた立派な大根が2本と大きな白菜が1個、入り口の所にソッと置かれていた。
どちらも新聞紙できれいに包まれていた。
あれっ、誰だろう?
Mばあちゃんかな? 今度くれるって言ってたもんな。でも、待てよ。Mばあちゃんなら勝手口から来るし、ピンポンを鳴らすよな。
Kさんかな? でも、Kさんならこんなふうに新聞紙に包まないよな。
もしかして、Jばあちゃんだろうか? いや、「今年は大根さっぱりだ」って言ってたよな。
いろいろ考えても、大根のナゾは深まるばかりだった。
取りあえず、ありがたくいただいておこう! ぼくはそう考えて妻と大根を洗った。
「サンタクロースが来たみたいねえ」と妻。
「うん。何だかうれしいね」とぼく。
「それにしても、畑やらなくなったら、急に野菜リッチになったね」
「ありがたいね」
「うん、うん」
「それにしても、立派な大根だね。この葉っぱも青青してる」
大根を発泡スチロールの箱にしまいながら、ナゾの大根を持ってきてくれた主を想像してみた。プロファイリングというやつである。
1、いい人である。
2、几帳面な人である。
3、立派な人である。
4、野菜作りが上手い人である。
5、葉っぱもキチンと食べる人である。
以上のようになった。
夜になってナゾが解明した。それは三温窯のHさんであった。私のプロファイリングが正しかったことが証明された。この場を借りて、ありがとうございました!
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『カメムシ撃退法』2

この方は迷惑ですね。
こくんですよね。
あの匂い、いや字が違うな。「臭い」ですね。まぎれもなくクサイんです。独特のあのイヤ〜な臭い。たまりませんな。なんて言うんでしょうね。キュウリにも似てますよね。キュウリに悪いか。
去年は特に大発生しまして、薪の間に潜んでいたりして、部屋があったかくなるとブンブン・・・。へたにつぶしたりすると、もう何日も臭ってますね。やだやだ。
こんなこともありました。電灯にとまっているところを捕まえようとして悪戦苦闘。椅子に乗っかってソ〜ッと近付いていったんです。あとちょっと・・・。その時でした。ブーンッ! いきなりやつが私の顔めがけて飛んでくるではないか! あっ! ブッ!(ちなみに音はしません。念のため)
やられました。何か液状のモノを出すんですね。目に入りました。失明するかと思いました。臭かったし、目が痛かったし、本当にプンプン腹が立ちました。で、臭いもプンプン、石けんで何度顔を洗っても一日中臭ってました。
「加齢臭」ならぬ「カメ臭」は、実に強力なんです。手強いんです。
そんなわけで、長い間、やつと戦っているうちに、いろいろ最近分かってきたことがあります。
「やつはあんまり賢くない(というか、はっきり言ってオバカである)」
「やつはあんまりすばしっこくない(というか、はっきり言ってノロマである)」そう言えば、「ノロマなカメ」ってあったよな。誰だっけ? そうだ、堀ちえみだ。
「やつは愛情に飢えている(と言うか、優しくすると手なずけられる。案外かわいい、うそ)」
そういう経験からの知見を基に、私は「カメムシ撃退法」を考案し、近く論文で発表するつもりなのである。
親愛なる読者に、さわりだけチョコットお教えしますね。
これ、オフレコにしてくださいね。
<用意するもの>名刺(なければ『不二家ミルキーチョコレート』の台紙でもよい)2枚。
まず、1枚の名刺をソッとカメムシの後方(お尻のほう)1センチにセットします。ソーッとやってくださいね。この段階でこかれることはありません。たぶん。
もう1枚の名刺を、今度はソーッと前方(頭のほう)3センチにセットします。ちょっとビクッとやつが動いたりしますが、動揺せずに落ち着いて。
次に、お尻のほうの名刺を動かして、微妙な力量でツンツンツンツンとお尻を刺激します。まあ、ここが一番ハラハラするところですが、この段階でこかれることもまずありません。たぶん。
そうすると、あ〜ら不思議。やつはだまされたように前方の名刺の上に乗ってきます。やつが向きを変えたら、その動きに合わせて名刺の方向を変えてみてください。
乗ってしまえばこっちのもの。窓を開けて名刺をパチンと指ではじけば、「はい、さよーなら」。ストーブの中にパチンで「はい、ゴリンジュー」。チーンッ!
ちなみに、私はこの方法で現在まで459匹のカメムシを撃退しております。
どうですか? 参考になったでしょうか?
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『モーニング・ノイズ』1

田舎の朝は早い。
そしてうるさい。
4時台の音・・・『ガダン、クゥイーン、ドドドドドドド・・・』
新聞配達をしている隣人のAさんが出掛ける音である。「毎日ご苦労さまです」心の中で思う。ふとんの中で思う。「しょうがない」とあきらめる。
5時台の音(その1)・・・『トントントントントントントントントン・・・』
村人全員が食べている『ミズタタキ』のミズを叩く音である。同じく隣人のS夫人は、春先から秋口まで執拗に叩き続ける。耳を澄ますと、村のあちこちで叩いているのが分かる。
「ホントに好きなんですねえ」と思う。が、「ねえねえ、それしか食うものないんですかあ〜」と、嫌な性格がもたげたりもする。
5時台の音(その2)・・・『キ〜〜〜〜〜〜ン、グイ〜〜ン、キ〜〜〜〜〜〜〜〜ン・・・』
やはり隣人のMさんが、チェーンソーで薪を切る音である。
至近距離でのこの音は、どんなに人のいい働き者のMさんでも、「あのなあ、何時だと思ってんだよ」と言いたくなる。
6時台の音・・・『チ〜〜ン、チ〜〜ン、チ〜〜ン』『ダダダダッ、ダッダダダダダダ・・・』
草刈り機の音とトラクターの音である。「分かったって。あんたらが働き者だってことは・・・」ぼくは、頭からふとんにもぐる。
7時台の音・・・『毎度〜、お騒がせいたします。ミナトヤ精肉店の移動販売車で〜す。新鮮な豚肉、鶏肉、馬肉、牛肉、そのほかいろいろ取り揃え・・・』
「・・・ているのは分かったから! 肉は間に合ってます!」だんだん腹が立ってくる。同時に、自分がとても怠け者に思えてくる。そして、敗者のようにうなだれて、ぼくはふとんを出るのだ。
ソッとおそるおそるカーテンを開ける時、ぼくは、犯罪者のような気持ちになる。「ごめんなさい。こんな寝坊助をお許しください」。
昔『ピアノ殺人事件』というのがあった。騒音が原因の相隣トラブルは多い。そうだ! これはれっきとした騒音被害なのだ!
よーし、泣き寝入りなんかしないぞ!  断固として戦ってやる! 
だが、ぼくは、はたと気付くのだ。
この村では絶対勝ち目はないのだ、ということに。だって、8時台に起きるのは、ぼくと妻だけなのだから・・・。
「いやなら、おめえら、出ていけ!」と言われるに決まっている。
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