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★エッセイ『ことなひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』
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『積善クラゲ・・・反響その1』250

「スズキとイトウの刺身が食えるんですか? だったら行きます」
 そういう反響があった。
 ボクはどう答えていいのか分からなかった。 
「食えるんじゃないですかね。でも、食われたほうは死んじゃうんじゃないですかね」
 あいまいに答えるしかなかった。
 (2010.11.24)   このページのトップへ

『300メートルの短い散歩』249

 今日も天気がいいので、妻と2人で散歩に出掛けることにした。
 外に出てちょっと歩いているうちに、ジワジワと寒くなってきた。
 薄着で出てきたことを後悔した。 
「今日は短いコースにしようか」ボクが言った。
 妻もうなずいた。
 たった300メートルのコースを足早に歩いて散歩はアッという間に終わった。
「人が見てたら不審に思うね」
 妻がそう言って玄関の戸を開けた。 
 妻は忙しそうにしてすぐに仕事に戻ったが、ボクは何となくヒマなので柿を28個剥いて縁側に吊るした。
 これから自転車磨きでもしようか。
 (2010.11.23)   このページのトップへ

『アンディ』248

 昨日は秋田市と大潟村へ行った。
 妻の病院とボクの歯医者のため。
 妻はいつもの定期検診だし、ボクは奥歯のかぶせものが取れただけなのでご心配なく。 
 途中、イオンに寄った時のこと。
 やばいものを見てしまった。
 ラブラドール・レトリバーの子っこ(子ども)。
 8万なにがしで売られていたのだが、大の犬好きのボクと妻は、病院の時間も忘れてそれに釘付けになってしまった。
 もちろん経済的に今のボクらには無理なことではあるが、子どものいないボクらにとって、いつか犬を飼いたいと思っている。できればラブラドール。 
「名前だけでも決めておこうよ」クルマの中で妻が言った。
「おう、何がいい?」
「アンディ!」
 妻によれば、アンディとは映画『ショーシャンクの空に』の主人公の名前で、彼が劇中に言ったこの言葉が気に入っているからだと言う。
「希望はいいものだよ、レッド」。
 確かに希望はいいもんだ。
 (2010.11.23)   このページのトップへ

『3kmの長い散歩』247

 おととい、天気が良かったので、妻と一緒に散歩をした。
 ボクが開発した田んぼをめぐる散歩道を一緒に歩いた。
 ケンゾーさんとK子さん夫婦が、遠くで大豆かソバを収穫していた。 
 空が抜けるように青く、時期を終えた田んぼの枯れ色と絶妙なコントラストをなしていた。
 気持ちのいい午後だった。
 あんまり気持ちがいいので、つい足を伸ばして隣の部落『門前』のほうまで歩いた。
 かつてボクが子どもの頃、潜って魚を獲ったり遊泳したことのある川を見て、そこに架かる錆びた鉄橋を渡り、ボクの通った小学校のある蓬内台のほうまでのんびり歩いた。
 途中、まだ稲刈りをしていない田んぼが、かなりの面積で残っていた。どうしてだろう? 
「おじいちゃんに何か不幸があったのかな」
「跡継ぎがいなくてそのままになってしまったのかな」
 そういう会話をしながら家路についた。
 (2010.11.23)   このページのトップへ

『正体が見えてきた』246

 『積善クラゲ』の正体が少しだけ見えてきた。
 彼らはどうも「魚」のようである。
 「クラゲ」と名前が付くくらいだから、そっち方面に関係しているのでは? と思っていたのだが、本当に魚だったとは・・・。 
 積善クラゲのメンバーの1人(1匹)は、ムニエルなど洋食にも引っ張りだこで、刺身にしたらタイやヒラメよりもおいしい(とボクは思う)「スズキ」さんだった!
 もう1人(1匹)は、「幻の魚」と言われる「イトウ」さん! どうもこの2人(2匹)の総称が『積善クラゲ』らしい。驚いた。恐るべし、積善クラゲ!
 ちなみに、スズキさんは最大1mくらいあるが、イトウさんはなんと2mもある日本最大の淡水魚だ。
 どちらも大きくて、しかもこの上なく美味い魚である。魚通のボクが言うのだから間違いない。昨日はスズキさんの刺身を5切れほど食ったがメチャ美味かった。
 その2人(2匹)が、12月25日に秋田市で共演(饗宴)するというのだから、想像しただけでこれはすごいことだ。
 どうでしょう、皆さん、見逃す手はないでしょう? 食い逃す手もないでしょう? 是非、会場に足を運んでほしい。
 また、来られない方のために、この模様はYOUTUBEでも世界に発信されるということも、信頼のおける情報筋から入ってきている。
 今のところ当方に入っている情報はその辺りまでである。また何か分かればお知らせすることにする。
 (2010.11.23)   このページのトップへ

『夏は背負い、冬は履く』245

 夏は保冷剤を背負っておりました。
 そして今は、ホッカイロを履いております。
 季節は変わり、身につける物も変わりました。 
 こういうことをやっているのは、ボクらだけでしょうね。背負ったり、履いたりしているのは。
 石巻のおばあちゃんも夏は背負ってましたが、冬は履くほどのこともないでしょう。
 それだけ、ここの気候が過酷ということなのか。はたまた、ボクたちの頭がヘンということなのか。
 いずれにしても、ボクらが普段やっていることは、あまりにもマイノリティ過ぎて、ほとんどの方には参考にならないことばかりかと思います。
 このエッセイを読んでくれている殊勝な方は、きっと、珍しい生きものを見るような気持ちでこのページを開いてくれているのでしょうね。
 珍しいもの見たさ・・・。
 本望ですよ。望むところでございます、ほんとほんと。
 (2010.11.21)   このページのトップへ

『外仕事の日』244

 今日は天気がいいので、たまっていた外仕事メニューを実行することにします。
 まず、薪切り。ケッコウ重労働。
 そして、干し柿作り。またしてもスズちゃんに大量の柿をもらってしまっておりました。 
 最後は、自転車磨き。チャリンコちゃんも今年の仕事納めです。
 余裕があれば、家の外壁に張ってあるビニールシートの修繕も。
 今日は寝坊して9時過ぎに起きてしまったので、果たしてそんだけのことができるかどうか。
「できそう?」と妻に聞くと、起きてきたばかりのボヤッとした顔で、
「うん、楽勝楽勝」と答えました。
(追伸)その後しばらくたって、昨日、ボクの髪を切っていて、あやまって自分の指を切ってしまった妻が、またこう言いました。
「やっぱりだめだ。指にバイ菌入るからやめた」
 今日の計画は中止になりました。
 (2010.11.21)   このページのトップへ

『嫌でもイエナカ派』243

 不景気を反映して「イエナカ」が増えていると聞く。
 クリスマスも外で豪遊するのではなく、おうちでシッポリするのだという。
 ボクらは昔から「イエナカ」だった。ず〜っと「イエナカ」だった。なぜか? お店がないからだ。お金がないからだ。景気に関係なく、ず〜っと「嫌でもイエナカ派」なのだ。 
 家の中でお金を使わないでという割には、2万円もするケーキが売れるのだという。
 信じられない話である。
 ボクら「嫌でもイエナカ派」からすると、何ともけしからん話である。
 どんなケーキだ?・・・ちょっと食べたい気もする。
 (2010.11.20)   このページのトップへ

『半身浴の楽しみ』242

 ついに見つけましたよ。
 半身浴中の「ヒマ」の解消法。
 ジャクソン・ブラウンさんが教えてくれました。 
 CDラジカセをお風呂場の前に置いて、彼の音楽をかけたわけです。
 「プリテンダー」というCD。なぜこのアルバムかというと、4曲目までの合計時間がちょうど20分だったからです。4曲目まで聞き終わればちょうど20分。半身浴終了となるわけですね。
 いやあ、よかったですよ。あの美声がお風呂場にエコーのように共鳴して、何ともいい音でした。
 お陰で心も体もリラックス。
 しばらくこの方法でやってみます。
「私、3曲目でギブしちゃった」
 妻はまだまだ修行が足りないようです。
 (2010.11.20)   このページのトップへ

『ショウシ』241

 政治色のほとんどないエッセイを書いているが、たまには政治色のあるものを書いてみたい。
 少子化についての考えを述べま〜す。肩の力を抜いて聞いてくださ〜い。
 「子ども手当」ってありますよね。民主党のマニフェストの目玉だったアレ。 
 あれって全然ダメですね。ボクに言わせれば「お金くれるから子ども産め」としか思えないんだけど。
 そういうもんじゃないでしょ。人間を種馬、種牛みたいに扱わないでもらいたい!
 昨日、そういう議論を妻とした。結構盛り上がった。
「結婚はしたくないけど、子どもは産みたいっていう人はたくさんいるのよね」
 女性の心理を妻は語った。
「結婚しなくても子孫をたくさん残したいっていう人もいるだろう。ボクは違うけど」
 男性の、ちょっとヨコシマな考えをボクは語った。
 話はだんだん横道に逸れ、「一夫多妻論」や「一妻多夫論」にまで発展した。「強い遺伝子論」や「不義密通否定論」、果ては「弱肉強食論」にまで及んでいった。
 民主党の「少子」対策である「子ども手当」を批判していたはずなのに、最終的にはボクらの議論のほうがはるかに「笑止」なものになった。 
 (2010.11.20)   このページのトップへ

『冬の虫』240

 大の虫嫌いの妻は言う。
「寒くなると虫がいなくなる。それだけがいいとこね」
 確かに日常あまり虫を見かけることはない。 
 でも、そんな寒い時期を選んで活動する虫がいることをボクは知っている。
 「雪虫」などもそうだが、あの手の見た目か弱そうな羽虫たち。
 彼らはなぜこの寒い時期に発生し、繁殖するのだろうか?
 それは、この時期、天敵となるほかの虫たちがいないからではないだろうか。そういう環境を自ら選んで、しかるべき進化を遂げてきたのではないだろうか。
 安心して生きられる。でも、寒い。寒い、けど安心、みたいな。
 自分がか弱いがための、必死でけなげな知恵。
 それを考えると、ボクら人間はどうだろうか?
 いやいや、ボクらはどうだろうか?
 それも語弊があるな。ボクはどうだろうか?
 環境に不満ばっかり言って、さっぱり進化しようとしていないのではないだろうか。
 これ、あくまで自分に言ってるんですよ。自戒してるんです、はい。  
 (2010.11.20)   このページのトップへ

『餅は餅屋』239

 今朝、こっ早くからトントントントンやっている者がいた。
 2人で「うるさいなあ、もう」と思いながら寝ていた。
 その理由が今分かった。 
 ミセスホウレンの物置小屋の屋根を修繕しているのだ。
 修繕しているのは、ミセスホウレンの向かいに住むトタン職人のヒロカズさん。
 ボクは、しばしその作業ぶりに見入っていた。
 3メーロル以上もある屋根に上り、その庇の端っこの所で、命綱も付けずにトントントントン釘を打っている。
 高所恐怖症のボクにはとてもまねできない芸当だ。すごい! プロっぽい! ほれぼれするなあ。かっこいいなあ。
 人は皆、それぞれそういう人にはまねのできない「技」を持っている。
 それが何であれ、ボクはそういう人を見ると「すごい!」と思う。
 昨日食べたK子さんの「ナタ漬けガッコ」の味はサイコーだった。ガッコを漬けさせたらK子さんの上に出る者はいない。すごい!
 今、目の前でキーボードを叩いている妻もまた、その道のプロである。
「かっこいい!」
 ボクは目を細めながら、ほれぼれとそうつぶやくしかない。  
 (2010.11.19)   このページのトップへ

『機関車トーマスくんになれなかったよ』238

 大昔、「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」という大塚博堂の歌があったが、皆さん知ってますか? 
 それはどうでもいいのですが、ボクは例の生協がお勧めする『水で発熱する素材を使った下着類』を初めて着用しました。
 靴下、タイツ、腹巻き3点セットです。
 ものすごく期待してました。
 ポッ、ポ〜! と湯気が上がるものと思っていました。萌えが出るものだと思ってました。
「な〜んだ、これ大したことないな。特に靴下は寒い。ボクの考案したホッカイロ貼りのほうがよっぽど温かいや」
 ボクがそういう感想を漏らすと、妻は鋭い目をボクに向けてこう言いました。
「そういう言い方はないんじゃない。それ、私からのクリスマスプレゼントだったんだからね!」
 そうであった。忘れていた。これはプレゼントであった。けんもほろろにけなす場面ではなかった。
「いや、案外いいかも。ホラッ、腹巻きなんかサイコー・・・」
 後の祭りであった。皆さん、言葉には気をつけましょうね。  
 (2010.11.19)   このページのトップへ

『半身浴考』237

 ボクらは今まで「カラスの行水派」だった。
 入浴時間の短さでは定評があった。7分である。それ以上でも以下でもなく7分。湯船につかっている時間は、2分が限界だった。それ以上だとノボセた。
 が、それが変わった。なんと30分になった。入浴時間30分中、湯船につかっている時間20分。すごい進化ではないか!
 半身浴を始めて、ボクらはその快感に浸っている。
 出てからも体全体が芯からホカホカして、寝ている時も快適なのだ。腰も痛くなくなった。足下をあたためると本当に体が変わった。
 なんで今までやらなかったんだろう。『頭寒足熱』のことを教えてくれた妻の友人に感謝だ。
 一つだけ困っていることがある。
 ひまなのだ。半身浴中、ひまなのだ。
 防水仕様のTVなどを持ち込んでいる人もいると聞くが、ボクらにはそういう便利なものはない。おにぎりを持ち込んでいるという人も知ってるが、ちょっとそれだけは抵抗がある。
 何かいい方法はないかな。一石二鳥のいい方法は。
 名案をお知らせする機会があるかもしれない。  
 (2010.11.18)   このページのトップへ

『ガッコあればなんも要らにゃ』236

 昨日、晩酌タイムに入ろうとした時のこと。 
 いつもは、夕飯のおかずや晩酌のつまみは、事前に出して解凍しておくのだが、昨日はつまみを解凍することを失念していた。
「あっ! つまみない!」
 ボクらの場合、「ない」というのは「本当にな〜んにもない」ことを意味する。
 冷蔵庫をガサガサやってた妻が、朝、隣のK子さんにいただいた「ナタ漬けガッコ」を見つけた。「ガッコ」とは秋田方言で漬け物の総称。
「あった! でも『ナタ漬けガッコ』だけどいい?」
 う〜ん、ガッコで晩酌か・・・。少なからず逡巡する自分がいた。
「でも、ここら辺の人は、みんなガッコで飲んでるらしいよ」
 妻に言われて思い出した。お酒飲みの村人たちが、一人残らずこう言っていたことを。
「おら、ガッコあればなんも要らにゃ」  
 (2010.11.18)   このページのトップへ

『Julia』235

 昨日、ジョン・レノン没後20年と書きましたが、調べてみたら本当は30年でした。すみません。それにしてもそんなになるんだなあ。しかも生誕70年ですって。そっか、40歳で彼は亡くなったんだったなあ。 
 実は今日、末の息子が20歳の誕生日を迎えました。早いものです。妻と相談してお祝いにネクタイを贈りました。
 彼は今、仙台で会社に勤めています。もう6年くらい会ってません。たまにくるメールで元気そうなことは分かります。
 彼が中学生の時、ボクは会社倒産、そして離婚という人生の大きな挫折を経験しました。当然、一番年下だった彼をはじめ、3人の子供たちにとっても、それは大きな出来事だったに違いありません。
 全員が成人になった今、親としてボクができることは、彼らの幸せを祈ることだけかもしれませんが、できれば、いつか会って一緒に酒でも飲みたいものです。
 ふと、ジョン・レノンの『Julia』を思い出しました。   

 Half of what I say is meaningless  
 But I say it just to reach you, Julia

 Julia, Julia, ocean child, calls me
 So I sing a song of love, Julia
 Julia, seashell eyes, windy smile, calls me
 So I sing a song of love, Julia

 Her hair of floating sky is shimmering, glimmering
 In the sun

 Julia, Julia, morning moon, touch me
 So I sing a song of love, Julia

 When I cannot sing my heart
 I can only speak my mind, Julia

 Julia, sleeping sand, silent cloud, touch me
 So I sing a song of love, Julia
 Calls me
 So I sing a song of love for Julia, Julia, Julia

 僕の言うことの半分は無意味だけれど  
 それも ジュリア あなたに聞いてほしいがゆえ

 ジュリア ジュリア 海の子 僕を呼ぶ
 僕は愛の歌を歌うよ ジュリア
 ジュリア 貝殻の瞳 風の微笑み 僕を呼ぶ
 僕は愛の歌をうたうよ ジュリア

 彼女の髪は漂う空 陽の光を受けて
 きらきらとやわらかく輝く

 ジュリア ジュリア 朝の月 僕に触れて
 僕は愛の歌をうたうよ ジュリア

 胸の内を歌に託せないときは
 ジュリア 頭の中の考えを言葉に託そう

 ジュリア 眠れる砂 もの言わぬ雲 僕に触れて
 僕は愛の歌をうたうよ ジュリア
 ・・・・僕を呼ぶ
 僕は愛の歌をうたうよ ジュリアのために ジュリアのために



 (2010.11.18)   このページのトップへ

『リアクションに困るとき』234

 それは相手との親密感の違いに起因していることが多い。 
 自分はそれほどフレンドリーな関係と思ってないのに、相手は、やたら親密感を持って接してくるときに起こる。
 これは妻のこと。この前、生協のにいさんに勧められて「水で発熱する素材の靴下」などを買った。例の「機関車トーマスくんセット」である。
 その時にこんなふうに勧められたのだと言う。
「これいいですよ。僕も着てます。ほらっ、触ってみて下さい」そうして、そのおにいさんは腕をまくり上げたそうである。
 あんたの下着に触れってが? 妻は正直そう思ったと言う。 
 そういうことなのである。
 こういう例もある。これは親密感の差ばかりでは語れないが、以前、村の老夫婦の家からお招きされ、ボラの刺身をごちそうになったことがあった。
 その時、居間にいたボクらの耳に、台所からこういう会話がヒソヒソ聞こえた。
「あいい、この刺身大丈夫だべが?」
「なも、いい。出せ、出せ」
 この時は本当にどうしたらいいか分からなかった。まあ、結局食べるには食べた。
 似たような例で、ボクらを大変親密に思っているらしい別の方は、笹かまぼこを素手でつかんで持ってきて、
「ほら、食え、食え!」
 と言って、ベロ〜ンとしたものをボクの口に持ってきたことがあった。
 親切心は分かる。親密感も分かる
 だが・・・。
 (2010.11.17)   このページのトップへ

『大好きな歌たち2』233

 ジョン・レノンが凶弾に倒れたのは12月8日。彼の20回目の命日まで1ヶ月を切った。あれからもう20年にもなるのだなあ。 
 彼の歌の中で、ボクはこの3曲が好きだ。
 ”平和”の2文字を最もシンプルに、そして魂を揺さぶるように歌った人、ジョン・レノン。

 まずは『imagine』。これ以上の名曲をボクは知らない。



 そして『Happy Christmas (War Is Over)』。「君がそう願えば戦争はなくなるんだ」本当にそうだよね。そういう世界であってほしいよね。

 

 最後は『Norwegian Wood (This Bird has Flown)』。 ジョンらしい曲のムードが好きだなあ。



 そうそう、新着情報ですけど、あの『積善クラゲ』もこれらの曲が好きらしいですよ。 
 (2010.11.17)   このページのトップへ

『摂氏0℃』232

 今朝の気温は摂氏0℃。 
 ただ事ではない季節がやってきたなあ。
 氷点下になると、朝、氷結した水蒸気が落下して、天井裏に「パチッ、パチッ」と音を立てる。
 今日もそうだった。「パチッ、パチッ」の音は、もっと寝ていたい気持ちに水を差す。
 だんだん「起きろ、起きろ」の声に聞こえてくる。仕方なく布団を出る。
 そういう季節が始まるのだなあ。いやだなあ。ユウツだなあ。 
 おっと、またそういう話題になった。
 (2010.11.17)   このページのトップへ

『コーカク類』231

 甲殻類がおいしい季節になった。 
 甲殻類とは、エビ、カニ、オキアミ、フジツボ、ミジンコなどを含む非常に大きなグループらしいが、そのグループの王といったら何と言っても「カニ」ではないだろうか。エビは女王といったところか。オキアミ、フジツボ、ミジンコさん、すまない。今日はちょっと席を外していてくださいね。
 かつて<こういう>エッセイを書いたが、その「アニ」が、毛の生えた「カニ」を運輸してくれる日も近い。その日は、おおむね12月10日。ボクの誕生日ということになっている。
 そういうわけで昨日、ボクらは甲殻類の王「カニ」を食べた。毛の生えていない「ワタリガニ」というカニだ。それを味噌仕立ての鍋に入れて食べ、今日は雑炊にして食べた。
 いやあ、もう、たまんないね。うますぎるね。何でこんなにおいしいの? 君、安いのにね。300円くらいだったのにね。すごいダシ出るね。アッパレだね。ナイスだね。クールだね。
 妻と、昨日からず〜っとその話題に終始している。2人で「ワタリガニ」を絶賛しまくっている。 
 口角泡を飛ばして・・・。こっちもコーカク類。
 (2010.11.16)   このページのトップへ

『大変なことになってきた』230

 皆さん、『積善クラゲ』というユニットをご存知だろうか。 
 知らない? それもそのはず、その脅威のユニットは12月25日にデビューするからである。
 この情報が漏れると、世界中が大変なことになってしまうので、ここだけの話にして下さい。
 彼らは2人組ということまでは分かっているが、出生、性別その他、個人情報までは分からない。
 デビューする場所は、秋田市の某『ティエラ』というライブハウスであるらしいことは分かっているが、それ以上の情報はまだない。
 ユニット名『積善クラゲ』という衝撃的なネーミングの意味も今のところよく分からないが、そういうクラゲが本当にいる、という説も、ネット上で、まことしやかにささやかれている。 
 とにかく大変なことになってきた。
 やべ、ハーモニカ練習さねばね。
 (2010.11.16)   このページのトップへ

『その瞬間の顔』229

 ヤフーのニュースに掲載された一枚の写真。 
 赤い顔で胸を張って戻ってくる裸の人は、「ヘン、どうだ、モンゴリアン!」という顔をしてふんずり返っている。
 もう一人の裸の人は、尻餅をついて苦笑いをしている。「おい、ちょっと、そりゃないぜ、キセ!」と言いたげに、かなり情けない表情で転がっている。
 その転がっている人に手を差し出そうとしているおっさんがいる。何だかものすごくうれしそうである。「まあ、いいじゃないか、いいじゃないか、よくやった、よくやった」、そういう慰めの言葉を満面の笑みの中に宿している。顔が赤いところを見ると、相当酒を飲んでいるようでもある。
 さらに転がっている人の尻の辺りをよく見ると、頭を押さえて巨体の下敷きになっているおっさんの存在に気付く。どうも側頭部を強打したようだ。顔が見えないので表情まではよくつかめないが、さぞ痛かったのではないかと推察する。ご愁傷さまと言いたい。
 そのかわいそうな人の左側にいるおっさんは、倒れかかってきた山のような巨体をよけようと、引きつった顔で身をよじっている。さぞ、怖かっただろうなあ。こちらもご愁傷さまと言いたい。 
 後ろの観客に視線を移すと、早く人間になりたかった妖怪人間「ベラ」が、つまり五輪真弓によく似た顔のおばちゃんがひどく絶叫している。その顔は、うれしそうか、残念そうかと聞かれれば、絶対うれしそうである。本当はうれしいけど、微妙に残念がっているようにも見せている。その一瞬、「いけない、いけない。うれしがってはいけない。残念がらなきゃいけない」という複雑な心理が働いているのだろうか。これ、女性特有の心理かもしれないな。どっちとも取れるように振る舞うテクニック。おばちゃんのしたたかな本質を見た。
 ベラの隣にも連れの女性がいるが、こちらは顔を全面的に手で覆っているので、細かい心理が読みにくい。顔を手で覆う。これもまた、女性特有の仕草。隠してない目だけは、確かに「キャア〜! 負けちゃったあ〜!」という残念そうな表情をしている。でも、ボクは隠しているその口元が気になって仕方がない。どうも笑っているような気がしてならない。読み過ぎだろうか。
 そういうわけで、一枚の写真に写っている『その瞬間の顔』を分析してみたわけであるが、「痛そうな顔の人」と「怖そうな顔の人」を除けば、あとは全員うれしそうな顔であった。しかも、相当にうれしそうな顔なのであった。それは、連勝がストップした歴史的な瞬間に居合わせたことの喜びとも取れるだろう。「頑張れ、ニッポン!」の心理の表れとも取れるだろう。
 いずれにしても、それが、高いお金を出して最前列で大一番を観戦していた人たちの、まぎれもない真実の顔なのであった。 
 (2010.11.16)   このページのトップへ

『ふぬけ椅子2』228

 今日、弊社代表のもとに例の「ふぬけ椅子」が届いた。 
 組み立てを終え、今ふんずり返った代表は、鼻の穴をふくらませながら、
「ヌフフフフ・・・」と不敵に笑った。
 何だか仕事部屋が一気に重役室の様相を呈してきた。
「あ、ちょっと君、これコピーしてきてくんない?」
「お茶もいれてくんない?」
 肝心の秘書がいない。  
 (2010.11.14)   このページのトップへ

干し柿

『干し柿』227

 スズちゃんにいただいた渋柿を、 
 2人で皮をむいて、
 スズちゃんの家が見える縁側につるした。
 日だまりにオットリ揺れる干し柿を見上げながら、
 ボクらはウットリ夢を見る。
 おいしくなあれと夢を見る。  
 (2010.11.14)   このページのトップへ

『冷えとりボーイの奮闘』226

 靴下をはいた足の裏に「ホッカイロ」を貼って、それからもう一枚靴下をはいてみました。 
 理想的には靴下は4枚重ねばきするのがいいらしいのだけど、しかも絹の5本指、綿の5本指、絹の先丸、綿の先丸と順番にはくのがいいらしいのだけど、しかもその初心者セットは3675円するらしいんだけど、ボクはとりあえず簡易な形で挑戦してみたわけだ。
 「ホッカイロ」というところがボクの考案なのだが、これがなかなかいい。
 今日から30分の「半身浴」にもチャレンジする。
 そのための本も用意した。健康のための奮闘は続く。  
 (2010.11.13)   このページのトップへ

『一期一会』225

 少し前に、仙台の友から「中島みゆき」のDVDとMDが届いた。 
 この方、中島みゆきよりも中島みゆきの歌が上手い中島みゆきファンなのだが、ボクらは彼女からたくさんの中島みゆきの歌を教えてもらっている。
 なかなかジックリ聞く時間がなかったのだが、昨日、ボクだけDVDのDisc1を聞いた。ボクだけというのは、妻は仕事が詰まっていて、まだそういう余裕がないのだ。
 どうしよう。やっぱいいね。サイコウやね。
 Dics1の最後に『一期一会』という曲が入っていて、この歌詞に思わずボクは涙を流しましたよ。
 〜忘れないで私のことより あなたの笑顔を 忘れないで〜
 わっ! 何ともいいね。
 それから『宙船』は長瀬よりブンちゃんのほうがはるかに上手いね。
 とりあえず断片的な途中の感想でした。  
 (2010.11.13)   このページのトップへ

『アフターマーケット』224

 かつて「消費は美徳」と言った人がいた。 
 何でもかんでも古くなれば使い捨てていた時代があった。
 「VHS vs ベータ」という何だか分からん消費者不在の傲慢な戦いがあった。
 みんな車検の前になると、まだまだ乗れるクルマを新車に買い替えていた。
 官官接待とやらで「ノーパンしゃぶしゃぶ」が流行った頃もあった。
 いろいろあった。浮かれまくっていた。バカになっていた。脳の空洞化が起こっていた。
 そして今。
 リーマンショック。不況。事業仕分けの寒い風。
 ボクは、この荒涼とした原野に立ってひとり思う。
 これはいいことだなあ。みんな、もっと意識を変えようね。マータイさんを見習おうね。
 旧態依然のメーカーさん。新製品ばかり売ろうとしないで、どうか冷蔵庫でも洗濯機でも部品を交換して使えるようにしてくださいね。ついでに脱水槽のフタもお願いしますよ。
 いつまでもレコード針を取り扱っていてくださいね。
 地デジもいいけどアナログも残してくださいね。
 ブルーレイもいいけどVHSのフォローも忘れないでくださいよ。
 今は少数派かもしれないけど、そういう要望はこれから増えてくるんだかんね。
 必ず、「アフターマーケット」がキーワードの時代になるんだかんね。
 ねっ、社長さん。ねっ、政治家さん。  
 (2010.11.13)   このページのトップへ

『冷えとりボーイ』223

 妻のチクノウは完全に治ったが、あの時、妻を心配してくれた方が、今度は『冷えとりガールのスタイルブック』という本を送ってくれた。またまた、ありがとう。 
 足もとをあたためると体が変わる、という画期的なコンセプトで書かれたその本は、様々な「冷えとりスタイル」を教えてくれる。
 詳しくは今度、妻が「雑感」に書く予定なので、ボクは触れない。でも、凄そう! 目からウロコの数々。
 ボクはこの冬、冷えとりボーイになる。
「夏は虫とりボーイになってね」
 はいはい、分かりました。  
 (2010.11.12)   このページのトップへ

『くどいようだが、椅子』222

 あんまり気持ちがいいので、Amazonにあの椅子のカスタマーレビューを書いた。 
 多くの人にこの幸せを分けてあげたい、そういう思いでこんなことを書いた。
 <年中座って仕事をしているので、慢性的な腰痛に悩まされていました。腰を伸ばしてリクライニングできる椅子はないかと探していましたが、これは実に快適。座り心地も最高。座面の硬さも丁度でした。ちなみに組み立ては20分でした。あんまり気持ちいいのでついウトウトしてしまいます。妻に「それじゃ仕事になんないんじゃない?」と言われるほどです。>
 それを見た妻がこう言った。
「20分って嘘でしょ。そういうところで見栄はってどうすんの?」
 鋭い!  
 (2010.11.12)   このページのトップへ

『ふぬけ椅子』221

「顔がふぬけになってるよ」妻にそう言われた。 
 椅子に座っているボクの顔が「ふぬけ」に見えたようだ。
 それほど気持ちいいのだ。ついウトウトしてしまうほどなのだ。
 うん、国際線ファーストクラスの椅子も目じゃないな。
 ベンツの最高級車の革張りの椅子も目じゃないな。
「これじゃ肝心の仕事できないんじゃない?」  
 なるほど。それもそうやな。
 (2010.11.11)   このページのトップへ

『薪割り』220

 午前中に妻の仕事が一段落したので、午後から薪割り(実際は電動丸のこで切るので「薪切り」と言ったほうがいいのだが)をした。 
 昨日の段階であと1本しかなくなっていたのだ。
 3時間ぐらい頑張って何とか1ヶ月分くらいの薪を用意した。
 5年前は<こんな感じで>喜々としてやっていたのだが、今はとてもしんどい。
 でも、生活のために重い腰を上げる。鈍った体にムチを打って働く。
「今日はお酒がうまいね!」 
 まだ4時だってのに、妻はそう言って笑った。
 (2010.11.11)   このページのトップへ

『椅子が着いたぞ』219

 いろんなものが続々届き始めた。 
 今朝は最も大物の椅子だ。
 今からボクはそれを組み立てる。
 後で座り心地等を報告したい。
 お待ちくださいね。
 ・・・30分後、ボクは組み立てを終えた。
 いい! ぐ〜! 腰も良好! 伸びられる! そしてカッコイイ!  いい! いい! あっ! そういえば今日は11月11日。「いい、いい」なわけだ。なるほど。
 ありがとう! 真理さん。早く君のヘッドホンもくればいいね。
 (追伸) 実はこの椅子、真理さんも欲しいということになり、またまた注文することになったのでした。どこまで続くのか! アマゾンショック。

isu

 *このイケメンモデルはもちろんボクではありせん。そこだけがちょっぴり残念! (2010.11.11)   このページのトップへ

『スウィングさん』218

 ボクたちがよく買い物に行くスーパーAMANOに、スウィングさんと呼んでいるレジ担当がいる。 
 この人は、超名人級のスーパーレジスタントだ。(そういう言葉あるの?)
 とにかく見ほれる。まず、バーコードの位置を確認するとき、右手に持った商品を手の上でお手玉のようにクルクル回転させる。肉のパックであろうがリンゴであろうがトイレットペーパーであろうが、彼女の手に掛かったものは何でもクルクル回る。軽いものは高々と宙に浮くこともある。まるで傘の上でマスをクルクル回す、あの染之助染太郎の曲芸のようなあんばいだ。
 それを見ているだけでもウットリするのだが、それだけではない。彼女は大きな声で一点一点リズミカルに値段を読み上げる。その節回しがまたいい。表現が難しいが、例えば「100円」の場合、彼女はそれを「赤ちゃん」のイントネーションで発声する。分かるかなあ? 昔、藤谷美和子がポテトチップスのCMで「100円で・・・」とやってましたが、あんな感じ。
 そしてもう一つ、テンポよくレジを打っている時の彼女は、まるでスウィングダンスでも踊っているように全身でリズムをとっている。小気味いい動き。こっちまで何だかノッてくる。思わずその場で踊りたくなる。
 最後に彼女の髪型がまたいい。まるで相撲取りのように鬢にびっちり油をつけてキュッと後ろに結わえている。これ以上引っ張れません、というところまで引っ張り上げている。あれは、一本でも商品に毛を落とさないための整容管理なのだろう。あまり引っ張り過ぎたせいか、最近少し額が後退したような気がする。
 いやあ、それにしてもすごいレジスタントがいたものだ。ボクらはできる限りスウィングさんのところに並ぶようにしている。
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『お札があふれてます』217

 ええ〜!! どういうこと? 
 誰しも一度は言ってみたい言葉ではある。
 さっき「ゆうちょのATM」へ行ったのだが、引き出しができなかったので電話をした。あの脇についている電話機で。
 そしたら、電話に出た女の人が信じられないことを言った。
「申し訳ありません。今、お札があふれています」
 ボクは思わずキョロキョロ機械の周りを見回した。少し不純な動機も働いた。
「そのため係のものがそちらに向かっておりますので、もうしばらくお待ちください」
「・・・」
 ボクは、あふれているお札をイメージしてみた。どこにどういう状態で「あふれている」のだろうか? 少なくとも外側には「あふれている」形跡は残念ながらないようだ。
 こうも考えた。一体いくらぐらいの枚数になると「あふれ出す」のだろうか? 100万円くらいだろうか? いや、そんな端金ではないはずだ。だとすると何十億とかなのだろうか? 
 そういうことをその女の人に聞いてみたかっが、あまりビックリして聞き逃してしまった。待っていれば諸々の謎は解けたのかもしれないが、そういう時間もなかったのでボクらはそこを立ち去った。
 その話を妻に教えると、妻はこう言った。
「それにしても、その『あふれてます』って表現すごいね。『詰まってます』とか『いっぱいになってます』じゃないもんね。すごい表現だわ、それ」
 確かにすごい表現だ。何だか切迫、緊迫している様子が伝わってくるではないか。驚いたな、しかし。
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『おぬし、アマゾン』216

 以前、こういう会話を妻としたことがある。
「クリスマスプレゼント何がいい?」
「冬のボーナスで『機関車トーマスくんセット』買ってもらったから、あとは別に何もないよ。ボクはこうして2人でいられればそれで満足さ!」
「まあ、欲のない人だこと」
 それが・・・。状況が変わってきた。アマゾンが1個からでも送料を無料にしたせいだ。欲しいものがいっぱい出てきた。
「あのう、クリスマスライブ用にハーモニカ買っていいですか?」
「いくら?」
「643円」
「あのう、ハーモニカホルダーも買っていいですか?」
「いくら?」
「1772円」
「あのう・・・」
 こうしてボクは次々に欲しいものリストを挙げていった。
 カポタスト、クリップ式ギターチューナー・・・。
 最後に思い切って腰痛解消用の椅子も言ってみた。
「買っちゃえ、買っちゃえ! どさくさでみ〜んな買っちゃえ!」
 時々、「巨大ケツ」になる妻が、威勢良くそう言った。
 そして自分も、ちゃっかり「耳をすっぽり包むヘッドホン」をリストに忍び込ませた。 
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『サンタマリア』215

 毎年この時期は、晩酌タイムのBGMに「インターネットラジオ」のクリスマス放送をかけている。
 もうすぐクリスマスだねえ! そういう高揚感があって気に入っている。
 ラジオから「サンタマリア」という曲がかかった。
「すごい名前を付けたもんだねえ」と妻。
「えっ?」
「ユースケ・サンタマリア」
 確かに。恐れを知らない名前ではある。 
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『雨なのに消防』214

 チ〜ン、チ〜ン、チ〜ン。
 消防車が鐘を鳴らして「火の用心」に回っている。
「別にこんな日にこなくてもねえ」
 ボクが言うと、妻は冷静にこう分析した。
「ほらっ、寄付とかもらってるから、デモンストレーションの意味もあるんじゃない?」
 確かに、村の消防団は正月元旦に寄付を集めにくる。2000円が相場らしい。
 あれ、正直結構迷惑だったりする。寝ていたい時間に起こされることも迷惑だが、「おい、元旦からいきなり寄付かよ」という気持ちにもなるのだ。
 石巻のおばあちゃんの格言によれば、「元旦にお金を出すと一年中お金が出て行く」ということになる。なるほど。
「ねえ、今年は居留守使わない?」
 ボクが言った。  
「ダメダメ、正月から邪悪な心を出してはいけない!」
 ビシッと言われた。 
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『八丈島のショウさん』213

 ま・・・窓にはチュンチュン可愛いスズメ。
 め・・・メダカはスイスイ水の中。
 か・・・カラスの羽根は黒い色。
 ろ・・・ロウソクの火はユラユラ。
 ら・・・ラジオの歌は3つの鐘。(これ、よく分からん)
 ね・・・ネコの目は丸いな。(そう?)
 な・・・菜の花には白いチョウチョ。(ここで続きにちょっと無理がある)
 ち・・・チンドン屋の笛太鼓。
 こ・・・小熊の木登りスルスル。
 る・・・留守番をする良い子供。  
 も・・・門の外には門松。
 つ・・・月夜の晩にはカエルがガアガア。
 あ・・・雨降りにもらったボクの傘。
 さ・・・3べん回ってタバコにしょ。
 しょ・・・ショウさんはここにあり!

 このショウもない「尻取り唄」を急に思い出してしまった。何でだろう?
 この唄は、かつて「怪傑ハリマオ」の悪役を演じたことがあるという、しゃくれた長いあごを持つ八丈島の名物おじいさんが作ったものだ。「あごショウ」という異名を持っていた。当時80歳くらいだった。
 彼は、何だかよく分からんこの尻取り唄を、超早口でボクに教えてくれたものだった。いろいろお世話になったお礼に、ボクはハーモニカとサングラスをプレゼントした。サングラスをかけた「あごショウ」さんは、サミーデービスJrのようだった。
 あれから8年も経つが、ショウさんは元気でいるだろうか?  ショウもないこの唄をまだ口ずさんでいるだろうか?
 (2010.11.10)   このページのトップへ

『山の牛タン』212

 そう呼んでも過言ではないだろう。
 いや、山のフィレステーキと呼びたいぐらいうまかった。
 本当においしい「しいたけ」ちゃんたちでした。
 ご丁寧にご親切に運んでいただいた親愛なるM子さん、ありがとう!
 焼いて辛子醤油をつけていただきましたよ。  
 はっきり言ってマツタケの比じゃないですね。(マツタケ食ってないけど・・・)
 ああ、うまかった。何度も言います。ああ、うまかった! どうもありがとう! 
 (2010.11.09)   このページのトップへ

『しゃます』211

 妻の弁によれば、これは「持て余す」という意味の方言らしい。
 何を「しゃまして」いるのかというと、大量にもらった柿なんです。干し柿用にもらいました。
 そういえば別の「カキ」も先日大量にもらったっけ。そしてクダルはめになったことは書きました。
 この柿、例の『スズちゃんロード』というけもの道を通ってスズちゃんが持ってきてくれたのだか、正直「しゃまして」いる。
 なぜか?  
 第1に「渋抜き用の焼酎」がない。買いにいくヒマがない。
 第2に皮をむくのが大変だ。そういうヒマがない。 
 最後に極めつけの理由は、ボクらはそれほど干し柿が好きではない。
「ねえ、どうする?」と妻。
「う〜ん」とボク。
 これは本当に良くないことだと思いつつも、(うまく隠して捨ててしまおう)という邪念が浮かんだ。妻にチラッとそれを言うと、妻は毅然とした態度でこう言った。
「だめだめ、そういうことをするとバチが当たるわよ!」
 結局、簡単な結論が出た。ボクはヒマがないわけではない。いや、むしろヒマだ。
「分かりました。ボクやります」 
 そういうことになった。
 (2010.11.08)   このページのトップへ

『死闘』220

 妻の死闘が続いている。
 目が血走り、肩がパンパンに張り、指も腕もけんしょう炎になっている。
 そうなんです。超急ぎの案件がきて、ここ5日くらい妻は死闘を演じているのです。
 ただでさえも大変なのに、例のチクノウ症も加わったため、かなりマジで疲れ果てているようです。
 でも、そこで弱音を吐かないところが弊社代表の代表たる所以。専従者のボクにはとてもまねできません。 
 鼻をかみかみ死闘を演じている妻の脇で、ボクはただジッと爪を噛んでいるしかありません。
 ヒマなので、ボクは散歩に行ってきます。 
 帰ったら肩でももんでやります。 
 (2010.11.08)   このページのトップへ

『小雨の散歩』219

「治ったっぽい」
 今起きてきた妻がそう言った。
 チクナイン(本当はこういう名前の薬だった)は裏切らなかった。よかった、よかった。
 妻の友だちは、エッセイを読んで心配しメールをくれたそうだ。いろいろ健康面のアドバイスをもらったらしい。うれしいですね。ありがとう。
 ボクはボクで、昨日も夕方、小雨の中、散歩に出かけた。
 またチョロQさんに会った。 
 彼は橋の上からボクに向かって満面の笑みで手を高々と掲げ、「よお!」と言った。
 散歩友だち? 
 ふとそういう言葉が頭をよぎり、ちょっと複雑な照れ笑いが込み上げてきた。 
 そういえば彼は昨日「年寄りはヒマでヒマでかなわん」と言っていた。
 う〜ん。
 どうあれボクは散歩を続ける。健康がすべてなのだから。
 (2010.11.08)   このページのトップへ

『大好きな歌たち』218

その1「永遠の嘘をついてくれ」(吉田拓郎)中島みゆき作





その2「僕の人生の今は何章目ぐらいだろう」(吉田拓郎)トータス松本作





 ウルフルズもいいです。





その3「ペニーレインでバーボンを」(吉田拓郎)吉田拓郎作





 ちなみにボクはバーボン党。『I.W.ハーパー』大好きです。でもしばらく飲んでません。ボクに12年ものを飲ませてくれるあなた。どこまでもついていきますよ(笑)。
 実は、ここだけの話、これらの曲を歌わせてもらえるステージが年末にあるかもしれません。 

 最後は「泣けてくる」(ウルフルズ)トータス松本作
 アンコール用。なんちゃって。



 (2010.11.07)   このページのトップへ

『シュンとしてシャン』217

「こっちだってチクノウ我慢してるんだから、そんな辛気くさい顔してないで散歩にでも行ったら?」
 腰痛のボクは「アデデデ、アデデデ」と頻繁に言う。妻はボクにハッパをかけたかったみたいだ。
 その言葉にシュンとなったボクは、玄関の戸を開けて外へ出た。
 それから足のおもむくまま田んぼのほうに歩いていった。川縁の道を歩いているとネコヤナギの木があった。小さい頃もその木はそこにあった。
 やがて川が大きく曲がる淵のところまでいくと、今度は水流にえぐられて倒れた杉の木が流れの中に枝を突き出していた。
 地元では「タテの山」と呼んでいる山を見上げると、そこはわずかばかり紅葉した安くさい屏風絵になっていた。 
 ジュラルミン色に光りながら、小刻みに姿を変える波の動きと、その底で不動のゆらめきを宿して揺るぎない滑らかな岩石の縞が見える。思ったよりも水は澄んでいるようだ。毛針を投げたら何か掛かりそうな気もした。
 チョロQさんと呼んでいる村人がやってきて、しばらくそこで立ち話をした。そして、帰りも一緒に話をしながら歩いた。
 彼は自分が泌尿器を患っていると言い、途中で1回あぜ道に立ち小便をした。 
 大根をくれるというから家まで行った。
 三つ又に割れた大きな大根を2本手にぶら下げて家に帰った。
 腰も顔もシャンとしていた。
 (2010.11.07)   このページのトップへ

『停電の怪』216

 雷が鳴ると、秋田の冬の味覚ハタハタが獲れる。
 ハタハタが獲れるのは一向にかまわないのだが、困ったことがひとつある。雷が鳴ると停電になることだ。
 ボクたちはパソコンがなければ仕事ができない。パソコンは電気がなければ動かない。つまり停電イコール仕事の停止、ひいては食料の枯渇、ひいては生命の終焉を意味するわけである。怖い。
 ついこの間、その怖〜い停電があった。
 妻は935行の文章、時間換算で2時間43分相当のデータを一瞬にしてパアにした。皆さんも経験ありますよね。あれ悔しいですよね。引っ掻きたくなるくらい腹立ちますよね。
 でもまあ、そういうことは「まま」あることなので、「ああ、こまめに保存しとけばよかったなあ、くっそー、残念!」とあきらめることにしています。電力会社に文句を言ってもお門違いですし。 
 さて、今から書くことは、停電になるとわが家に起こる怪奇現象です。ちょっと怖い話ですよ。
 1つはパソコン。停電になると、ワードに単語登録していたもののうち特定の単語だけがなくなってしまう。意味分かりますか? 例えば、「ご」と打てば「ございます」みたいにあらかじめ登録しておいた単語のうち、「いつも同じ単語だけが」消えてなくなってしまうのです。これ、結構怖いですよ。
 1つはファックス。復旧した時に、トーンの切り替えをしないと電話が通じない。何でだろう? 
 1つは各部屋の電灯。復旧時に、それまで消えていた部屋の電灯まで全部一斉に点灯してしまう。いちいち消して回らなければならない。もし、不在の時に停電になったら大変なことだ。
 ねっ! どれも不思議でしょ?
 えっ? 別に大したことない?
 まあ、そう言われりゃあそうなんだけど・・・。
 (2010.11.06)   このページのトップへ

『パーカーの謎』215

 ボクは遠い昔アパレル業界にいたことがある。
 その頃からずっと謎だったことがあって、昨日たまたま妻とそういう話になったので書くことにする。
 それは、タイトルの通り「パーカー」のことです。
 謎は大きく2つあります。1つは「あれは一体いつ着るの?」というTPOに関するもの。もう1つは「あれはどうしてああいうデザインなの?」というもっと本質的な疑問です。
 1つ目の謎については、パーカーファンの人によく聞いてみたいのですが、自分の今置かれている環境の中では、春夏秋冬、「パーカーでなければ」という時期がありません。これは一体いつ着ればいいのでしょうか。教えてください。
 次の謎は心当たりがある方も多いのではないでしょうか。あのデザインです。 
 まず、どうしてあのフードがあるのか? あのフードを実際かぶったことがある方いますか? もし、かぶったことがないとしたら、あれはただ重たいだけの袋ではないですか? 首が疲れるだけの「重し」ではないですか? モコモコして「いづい(具合悪い)」だけではないですか?
 それから、どうしてあれは手首の周りがキュッとしぼんでいるのですか? 重ね着したりすると下の衣類がめくれて「たぐまって」しまいませんか? 洗い物のときなど、袖をたくし上げたくてもきつくてなかなかたくし上げられなくて困ったことはないですか?
 ついでに言えば、あれは本来上に重ねて着るもののくせに、袖の幅が狭くて窮屈ではありませんか? 
 もっと言えば、どうして上着丈があんなに短く、くわえて裾のところがあんなにキュッとしぼんでいるのですか? 昔流行ったスタジャンを思い出しますね。スタジャンもそうだったけど、下からシャツが出たらみっともなくありませんか? シャツが出ないにしても、着た感じが全体としてツンツルテンではありませんか?
「ねえ君、君はアパレル業界にいた割に、ファッションのこと何も知らないねえ。あれはね・・・」
 そんな声が聞こえてきたので、ボクはこれで退場します。
 でも、誰か一人くらい「それ分かる、分かる」と言ってほしいな。こんなこと思ってんの、妻とボクだけかな?
 (2010.11.06)   このページのトップへ

『機関車トーマスくん』214

 妻のチクノウは一進一退の様相で、1980円の投資効率は今のところ決していいものとは言えないみたいだ。
 こんなことなら最初から耳鼻科へ行けばよかったと思うのだが、本人は「チクノウナイン」にまだ期待を寄せているみたいなので、まあ、もう少し様子を見ることにしよう。
 だが、鼻をかんだおびただしい量のティッシュを入れる専用の大きなゴミ袋を持ってあちこち移動する妻を見ていると、何だかボクは無性に泣けてくる。
 しかも、そんな哀れな妻を追い立てるように、長期休暇が終わるやいなや、矢のように大量の仕事が入ってきた。「待ってました」と言わんばかりに。ああ・・・。
 マスクをして、20秒に1回鼻をかみながらトトトトやっている妻を見ていると、何だかホントに泣けてくる。
 一方、ボクはいつもの寒冷シーズンの慢性的持病「腰痛」に悩まされている。寒いと痛くなる。くしゃみもできない。つい、あったかい所へ行きたいなあ、あったかいところで生活したいなあと思ってしまう。あっ、いかんいかん、また気候の愚痴が出た。 
 そんなボクに、妻はこんなことを言ってくれた。いや、この場合の主語は「妻」ではなく「弊社代表」である。
「生協のカタログに汗で発熱する素材の下着が出てたの。それ、冬のボーナスにプレゼントするわ」
 なんて優しいんだ。代表! 何だかボクは本当に泣けてきた。
 それにしても「汗で発熱する」というのはスゴイことではないか! ミズノ! やるじゃないか!
 ボクは思わず「機関車トーマスくん」になっている自分を想像した。
「靴下、タイツ、それに腹巻きをセットにしてあげる」
 ボォォォォ〜!
 トーマスくんの頭から勢いよく蒸気が上がった。 
 (2010.11.06)   このページのトップへ

『焼き鳥の串』213

 これ、皆さんどうしてます?
「そのままゴミ袋に入れると、閉めた時に突き刺さったりして危ないから、折ってから捨てるようにしています。ええ、わたくしはいつもそうしておりますわ」
 おっと、模範的な答えが返ってきましたね。そうです、立派です。あなたは優等生です。
 でも、どうでしょう。そういう方にお尋ねしたいんですが、串を折る時って危なくないですか? 結構力が要るし、折れたところがささくれ立ったりして危なくありませんか?
「あっ! そういえば私それで怪我したことあるのよ。人差し指をふた針も縫っちゃったのよ。もう、危ないったらありゃしないわ、まったく!」 
 そういう怒りの声もチラホラ聞こえてきましたね。
「奥様、そういう時は消費者センターに言えばいいんですのよ。少しオーバーに3針縫ったとか言って。私なんかそれで電話したら、メーカーが段ボールで3つも焼き鳥送ってきたことがあったわよ」
 おっと、クレーマーのおばさんまで参入してきました。 
 いろいろと皆さん困ってらっしゃるようですね。
 ちなみにわが家では、これをストーブの薪(たきぎ)として利用しています。
 鶏肉の脂が付いているので、串は気持ちよくパチパチ燃えます。暖もとれてゴミも出ません。まさに一石二鳥。
 これは、昨日妻が編み出した画期的考案ですが、串を燃やし終わった後、味をしめた妻はほかに何か燃えるものはないかと部屋中をキョロキョロ見回していました。
 やがて妻の視線が止まった先を見ると、なんと! そこにはまだ新しい菜箸が・・・。ボクは慌てて菜箸を取り上げ、それを隠しながら言いました。
「これ、だめ。まだ使える」 
 (2010.11.05)   このページのトップへ

『TバックかTバッグか』212

 昨日、紅茶売り場でこんなことがあった。
 妻は日東紅茶のパッケージを手に取りこう言った。
「Tバッグ20個入ってるわ、これ」
 ボクはそれを何とはなしに聞いていたのだが、タイミングよくというか悪くというか、ちょうどその時、ピチッとしたパンツをはいた若いお姉さんが目の前を通り過ぎた。
 Tバック・・・。
 ボクの目は、どうもその時、あらぬ方向のあらぬ辺りを見ていたようだ。
「ちょっと、どこ見てんのよ!」
 青木さやかばりに妻にそう指摘され、ボクは激しく狼狽した。 
「えっ? いや、だからTバック・・・」
 しどろもどろになりながらボクが言うと、妻は持っていたTバッグの箱でボクの頭を思い切り叩いた。
 1文字たりともないがしろにできない。そういう教訓だった。1文字の違いは大きい。そして痛い。
 (2010.11.05)   このページのトップへ

『チクノウナイン』211

 妻がチクノウになった。
 ずっと風邪かと思っていたのだが、どうもそういうことではないらしいということになってきた。
 ちなみにおばあちゃんの風邪はすっかり治ったそうで、昨日、全快バリバリの電話をよこした。よかったよかった。
 で、妻のほうだが、頭がズッキンズッキン、歯が浮いたようになって痛くて噛めない、顔がこわばって笑えないという、実際に笑えない症状を見せ始めたため、急遽薬局に薬を買いにいった。
 レジの前に、数ある風邪薬を押しのけて山と積まれていたのは、その名もズバリ『チクノウナイン』という薬、1980円! 何だか効きそうな値段ではないか。それに効きそうなネーミングではないか。思わずボクは、強力な効き目で雑草をバッタバッタ枯れさせる『クサトッタ』という雑草駆除薬を思い出した。
「おう! 結構チクノウ流行っているんだね」 なぜか機嫌がよくなった妻がうれしそうな顔で言った。
 チクノウって流行るものなのかな? そう思ったがボクは黙っていた。
 それからチクノウに効く食べ物ということで、妻が提唱する「ニラ」と「レバー」さらに「紅茶」と「生姜」を購入した。 
 賢明なる読者の方ならすぐにお分かりになろう。そう、晩ご飯は「ニラレバ定食」でした。「生姜紅茶」も当たりですが、これについては後でまた書きますね。
 そんなわけで、万全を期して昨日は寝たわけであるが、今朝、起きてきた妻はこう言った。
「何だか効いてるんだか、効いてないんだかよく分かんない」
 おい! 高かったんだからな! 頼むぜ! チクノウナイン!
(追記)これ何だか『筑紫農林高校野球部』の略称みたいだな。あれ? そんな高校ないか・・・。
 (2010.11.05)   このページのトップへ

『いやな予感』210

 最近、というかずっと以前からだが、ボクは天気のことをたくさん書いていることに気付いた。
 暑いとか寒いとか、そういうことに言及したことをたくさん書いている。
 しかも、たいていの場合、ボクはそのことに憤慨している。
 これってよくない兆候なんですってね。
 年をとると、やたら天気のことばっかり言うようになるんですってね。父もそうだった。「今日天気いいな」「今日天気悪いな」しか言わなかった。こわっ。 
 そして、年をとるとやたら怒りっぽくなるんですってね。しかもその矛先が天気に向くんですってね。やばやば。
 いやな予感がします。
 (2010.11.04)   このページのトップへ

『自意識ホルモン』209

 これは厄介な代物だ。これをいいあん配にコントロールすることは難しい。
 ブログ、ツイッターと、最近ネット社会では自分表出の場が増えた。ネコもしゃくしもがレスラーとなってリングに上がり、リング上には自意識ホルモンが充満し、息がつけないくらいムンムンした熱気を放っている。
 冷静にリング上を観察していると、いろんなレスラーのいろんな性格が見えてくる。最初は覆面で隠していても、だんだんその素顔があぶり出されてくる。コワイ!
「へええ、あの人ってそうだったんだあ」「へええ、普段おとなしいふりして結構目立ちたがりだったんだあ」
 あるラインを超えて過剰にホルモンが出ている人を結構見かける。一言で言うと自慢ばっかの人。そういう人を見るとボクは、「はいはいはいはい。分かったでば!」もしくは「すごいすっごい、あんたはすっごいでば!」という気持ちになる。はっきり言って不快になる。 
 でも、それが全く出てない人というのも困ったものである。他意識だけの人。「君! 生きてますか? 自分の足で立ってますか? ねえ、生きているって言ってくれよ!」 そう叫びたくなる。
 そういう意味でリングの上は怖い。でも面白い。「こわおも」!
 さあ、ひるがえって自分はどうか? 妻に聞いてみた。
「そのまんまじゃない?」
 う〜ん。どう考えればいい? 少なくとも覆面はかぶってないつもりだが・・・。
 (2010.11.04)   このページのトップへ

『ハイタッチ隊出現!』208

 かつてボクは、世の中の暗さを何とかしようと『ハグマシン』なるものを考案したことがあった。このエッセイである。
 考案はしたものの、ハグという行為の持ついかんともしがたい拒絶反応と、マシンというものが持ついかんともしがたい非親密性ゆえに、ボクはその製品化を頓挫せねばならなかった。 
 そこに、今日画期的な朗報が飛び込んできた。『ハイタッチ隊』である。ホームページは(こちら)です。
 驚いたなあ、なるほど、そういう手があったか。メンバーにはエッセイストなどきれいなお姉さんもいるようである。
「あっ、ボク、ハ、ハ、ハグでも大丈夫ですけど・・・」「ひとつ、ギュ〜ッとお願いします、ギュ〜ッと。ねえ、そちらのおねえさん」そういう不心得なオジサンが登場することは予想に難くない。
 こうなった以上、ボクらはこのグループの活動に注目し、大いに見守っていきたい。全国に支部組織ができる日も近い気がする。
 もし、この村にそういう支部ができた暁には、ボクらも協力を惜しまない考えである。
「でも、じいちゃん、ばあちゃん、ハイタッチの意味分かるかなあ?」
 妻の言う通りであった。まずはそこから教え込まねばなるまい。バンザ〜イ! から。
 (2010.11.03)   このページのトップへ

『天賦』207

 天から賦与された生まれつきの資質。
 人間の最大の不幸は、それに気付かないことである。ことに若者はこれに悩む。 
 自分とは何か。自分はなぜ生まれたのか。自分はどういう才能を持っているのか。自分はどんな職業に就けばいいのか。
 分からないから悩み、そのために何かを模索し、それに挑み、時に傷付く。青春とはそういうものである。
 今や哲学者になり切って論じているボクは、最後までこのテンションのまま締めくくりたいと思っている。
 哲学者の結論を書く。これは自分の天賦の才能が何であるかを知るためのヒントである。
「気張ればできることではなく、気張らないでもできること」
 どうぞ、それを見つけてください。もっとも、それで食っていける保証はありませんが。<おわり>
 お〜! やればできんじゃん。
 (2010.11.03)   このページのトップへ

『孤高』206

 下ねたが大好きだという読者の方からメールをもらった。
 トイレに入って少し気張りながら考えた。 
 う〜ん、どうしたものか。下ねた路線を行くべきだろうか。そっち方面へ転轍機(ポイント)を切り替えるべきだろうか。
 だめだ、だめだ、だめだ。そっち行っちゃいかん。そっちに流されてはいかん。あくまでも格調高くいかねばならん。
 そういう崇高な結論と、ついでに老廃物を1本ひねり出して、ボクは勢いよくパンツを上げた。
 今、ボクは「孤高」ともいえる高い意識レベルでパソコンに向かっている。
 ・・・・・・書けない。
 (2010.11.03)   このページのトップへ

『ケツ』205

 下ねたが多くなったと思わないでいただきたい。
 ボクはまじめに「ケツ」を掻こうとしているのだから。 
 もとい! 「書」こうとしているんだからね。
 「ケツ」にもいろいろありまして、例えば「ハンケツ」。「ハンケツ」にも色々ありまして、言い渡す「ハンケツ」もあれば、少しだけずり下げる「ハンケツ」もあります。
 少しだけずり下げるほうの「ハンケツ」は避けて、言い渡すほうの「ハンケツ」について論じよう。
 そう、例の「耳かきハンケツ」のことである。やっぱりそうなったか、という感じですね。死刑にならなかった。極刑に値するだけの十分な理由がなかったのだというんだけど、ボクは事件の名称が「耳かき殺人」だったからだと思うんです。「耳かき」・・・それはどこか緩やかな響きを含んでいますもんね。もしこれが「金属バット」とかだったらどうだったろうか?
 ケツといえば、ボクらが創作した造語に「巨大ケツ」というのがあります。いかにも太っ腹で剛胆な人を指す言葉。対義語に「ささいケツ」というのもあります。最近後者が増えましたね。
 そうそう、秋のおばあちゃんツアーを終えたボクらの目下の悩みは? もうお分かりですね。
 金ケツ! 空っケツ!
 (2010.11.02)   このページのトップへ

『けったいな天気やなあ』204

 今年はこの言葉を967万回は言ったような気がする。
 日本という国に生まれて50年、ボクはこの国の自然を愛してきた。日本には四季の変化があり、春夏秋冬、微妙に移ろいゆく季節の中にボクらは自然を感じ、わびさびを感じ、人生の悲哀なども感じて生きてきた。日本とはそういう国だった。
 それなのに、あ〜それなのに、どうしたことだ、日本! 毎日毎日、ズルズルジクジクグチュグチュした天気ばかりじゃないか!
「けったいな天気やなあ。ほんまあきまへんわ。これ、日本とちゃいまっせ。どこいらの国ちゃいまっか?」(実際声に出して中村玉緒さん風に言っていただくと感じが出ます)
 思い起こせば、ああ、夏よ。パフアニューギニア並みの猛暑だった夏よ。何度も何度も背負いましたよ、保冷剤。ここは日本だよねえ。熱帯雨林地方じゃないよねえ。
 秋はどうだ、秋は。山々の葉という葉は、一度も色づくことなく死に絶え、枯れ果てたではないか。ここは日本ではなかったのか? え! おい! 錦秋の絨毯が山を彩る風光明媚な国、日本じゃなかったのか!
 そして、今はどうだ、今は。え? おい! パッとしないまま何だかズルズル、ロシアのツンドラ地帯のように味も素っ気もない不毛地帯になってしまいそうではないか。。凍土の国に生まれた覚えはないぞ!
 ズルズルジクジクグチュグチュ、あ〜、やんなっちゃうなあ、もう。
 日本の自然よ、日本の美よ、一体どうしたというのだ。
 くわえて日本の景気よ、日本の外交問題よ、日本の未来よ! 一体どうなっちゃってんだ! 私は声を涸らして叫びたい!(叫ばせてください。お願いです)
「なあ、あんさん、大丈夫でっかあ? もっと元気出しておくんなはれや! スカーッと、パーッとやっておくんなはれや! あかんあかんあかんあかん、このままではアッカ〜ンでええ!!!」(これは中村玉緒さんとお父さんの中村鴈治郎さんを合わせた感じでどうぞ)
 (2010.11.02)   このページのトップへ

『クダル』203

 いつもクダラナイ話ばかりしているので、今日はクダル話をひとつ。
 石巻の隣の家のおばあちゃんから大量にいただいてきた「生カキ」は、粒にして百個は軽く越えるだろう。 
 本人が剥いたという本場のカキは新鮮で濃厚でおいしい。今までも何度かもらって、ボクらは舌鼓を打ってきた。
 もっとも妻は、「生カキ拒絶体質」であるため「生カキ」だけは食べられない。この分野だけは侵出を阻んでいる。
 おととい、ボクはもらってきたばかりの「生カキ」を30個食べた。夕べもさらに35個食べた。そして、最後は「カキフライ」にして2人で15個ずつ食べた。うまかった。
 そして、深夜ボクの腹に異変が起こった。
「なんぼなんでも食い過ぎだよ」
 10回以上もトイレと寝床を往復するボクに、あきれ顔で妻が言った。
「なんぼなんでも食い過ぎだな」 
 げっそりやせた顔でボクが言った。
 こんな形でダイエットなんて・・・。痛し臭し、もとい「痛し痒し」やなあ。
 (2010.11.01)   このページのトップへ

『お疲れチャンチャン』202

 おととい石巻に着いたおばあちゃんは、ボクらが帰る昨日の朝、熱が出てフラフラしていたので病院に連れて行きました。
 あったかくして寝かしつけてから、ボクらは帰途につきました。 
 義姉の話だと、食欲もあるし大丈夫そうとのことだったので、ひとまず安心です。
 こっちはこっちで、朝9時まで大爆睡。
 3者3様、疲れたようでございます。
 秋の大休暇は終わり、また仕事が始まります。
 暦をめくれば、今年もあとふためくり。
 服をめくれば、腹の皮もふためくりほど増えました。
 いかん、いかん。遺憾、遺憾、でございます。
 今日は、焚き付け用の木をチンチンやることになっております。
 (2010.10.31)   このページのトップへ

『おばあ秋最終日』201

 秋田に7泊8日滞在したおばあちゃん。
 台風が近付いていることもあって、予定を1日繰り上げて今日送っていくことになった。 
 最後の晩餐となった夕べは、おばあちゃん手製の『煮物』を作ってくれた。
 フルコースは毎年1回やることに決まった。
「それまで頑張って貯金するべし!」
 そういう決議が満場一致で採択された。
 楽しかったなあ・・・。
 でも、ちょっと寂しいなあ・・・。また来てね、おばあちゃん。
 (2010.10.29)   このページのトップへ

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