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★『ことなとひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常2』
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『ことなとひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』

 
 

『十六団子読んでけらいん!』100

 昨日おばあちゃんにそう言われた。
 しかも、あれだけ大好きな「シアタータイム」を返上してである。
「そんなにおもしろいんだったら、私さも読んで聞かせてけらいん!」と言うのだ。
 ちょうど全編をUPしたところだったので、謹んで作者自ら朗読することにさせていただいた。
 8時から11時半まで、3時間半もぶっ通しで読んだ。その間2人は裁縫していた。
 声色を変えつつ熱を込めて読んだので、のどがガラガラになった。
 ときどき2人の笑い声が響くと、ボクはたまらなくうれしくなった。
「ありゃ! 今日はおやつ食わなかった!」「お茶も飲んでない!」
 みんな、それほど集中していたのだ。
「裁縫はかどる」とも言われた。
「明日は日中も読んで!」と、妻にリクエストされた。「朗読会の時、招待してね!」とおばあちゃんにも。うれしいな! わ〜い! でも・・・。大丈夫だろうか?
 何しろ3時間半読んだのに、まだ第1章の中程なのだ。これ長い長い小説なのよね。のどは大丈夫だろうか? 体力は続くだろうか?

 (2011.05.24)   △このページのトップへ

『規則正し過ぎる生活』99

 朝7時キッカリ。
 グィ〜ン! グィ〜ン! グィ〜ン!
 その音は2日に1回鳴る。なぜか? 掃除機は2日に1回とおばあちゃんが決めたからである。
 それ以外の日はモップとローラーになる。いくぶん静か。
 それが終わると洗濯機を回す。これ毎日。それから顔を洗いお化粧をする。
 その間ボクがやることといえば、脱糞とコーヒーいれることと、おにぎりをチンすることだけだ。
 真面目過ぎる。きれい過ぎる。規則正し過ぎる。
 今、起きてきた妻が言った。
「働き者過ぎるね!」
 やっぱり「過ぎる」が付いた。 

 (2011.05.24)   △このページのトップへ

『どでしたデー音頭』98

 『スーパーAMANO』の月曜、火曜は『どでしたデー』である。
 「どでした」というのは「ビックリした」という意味の秋田弁だ。
 そのことは知っていたが、最近なんと「どでしたデー」の歌ができたのだ! 
「あ〜ま〜の〜、ソレッ、どでした、どでした、どでしたデー、どでした、どでしたデー!」で始まるノリのいい「音頭」。
 買い物の間中それがかかっているので、いい加減にこっちも覚えてしまって、つい口に出て歌ってしまう。店の中で。踊ってしまいたくなって困る。
 民放をほとんど見ないので分からないが、もしかしたらテレビのCMでも流れてるかも知れない。
 YOU-TUBEには・・・まさかないだろうな。
 機会があったら、スーパーAMANOでじかに聞いてみてください!  

 (2011.05.23)   △このページのトップへ

『ポヤ子ちゃん』97

 さっき『生鮮市場ダイサン』という店で買い物をした。もちろん3人で。『どでしたデー』だったくせに、スーパーAMANOではあんまりいい刺身がなかったからだ。
 おいしそうなカツオとブリの刺身を買ってレジへ。
 妻が払ってる間に、ボクはそれをレジ袋に入れていた。
 支払いを終えた妻がボクのところに来て、近くにあったカートに手を掛けた時だった。
「あっ! それ!」
 隣で袋詰めをしていたおばさんが叫んだ。
 そのカートはおばさんのだったのだ。
「すいませ〜ん!」
 妻が謝ると、おばさんは「いいですよー!」とニコッと笑って言った。
 ボクは、自分のカートを押して出口に向かった。
 出口で待ってたおばあちゃんが不思議そうに言った。
「あんだだづ、なして2台も・・・」
 後ろを見ると、妻が顔をまっ赤にして空のカートを押していた。
 ポヤ子ちゃん。 

 (2011.05.23)   △このページのトップへ

『さらに侵出するおばあ』96

 ここんとこ毎日、確実に観ている昨日のシアタータイムでのこと。
「今日、何観ようか?」ということになった。
「何でもいいよ」と、いつもは言っているおばあちゃんだったが、昨日はこんなことを言った。
「私、一回あれ観たいと思って・・・」
「えっ、何、何?」
「ローマの休日」
 洋画だった!
「字幕大丈夫?」
「吹き替えじゃないよ!」
 ボクたちがそう言うと、おばあちゃんは余裕の顔でこう言った。
「私、字幕読めるもの」
 オ〜! やるなあ、おばあ! 通好みだなあ〜!
 かくしてそれを観ることになった。
 観終わって、満足した顔でおばあちゃんは言った。
「やっぱし吹き替えではダメ! 本人の声聞かねばおもしぇぐね!」
 歯磨きをしながらこうも言った。
「グリゴリペックって人、案外太ってだっけなあ・・・」(うちのテレビが横長に見えるせいだろうけど)
 おばあの「映画熱」は洋画にまで侵出している。恐るべし!  

 (2011.05.23)   △このページのトップへ

『寝坊だよ』95

 ボクが7時半ごろ出社すると、おばあちゃんはすでに黙々とモップをかけていた。
「早いね!」と言うと、
「今日は遅いよ」と言って笑われた。
 彼女が「遅い」とするならば、もっともっと遅い人がまだ寝ている。
 あっ、でも「代表」だからいいのか。社長出勤だもんね! 

 (2011.05.23)   △このページのトップへ

『ゴロッとした顔』94

 代表は裁縫事業部に出向して、ボクの椅子用の『座布団カバー』を制作してくれました。ありがとう、代表!
 本当は寸法を間違えたのだが、それを『袋縫い』というテクニックで克服し、たった今完成したのである。
 もったいなくて、おこがましくて、ケツ載せられないよね。

  見よ、このゴロッとした顔を!

  厳しい事業部長の指導のもと・・・。 

  こっちが表。これ全部つぎはぎしました!

 (2011.05.22)   △このページのトップへ

『味噌トリオ』93

 おばあちゃんとは、2006年、2007年、2009年ときて、今回が4度目の味噌作り。
 お互いすっかり自分の持ち場を理解している。役割を理解している。しかもチームワークもサイコー!
 作業時間たった1時間で、1年分の『自家製うまうま味噌』ができてしまった。『写真コーナー〜味噌ミソコンビ〜』はこちらです。
 作業が終わり、ヨーグルトを飲みながらおばあちゃんが言った。
「今回で4回目でないよ。2回目だよ」
 写真コーナーを見て確認すると、確かに4回目だった。
「ありゃあ、私ボケ気味なんででねえ。キモコ(気持ち)わりっ!」

  

 (2011.05.22)   △このページのトップへ

『むつける』92

 「むつける」って言葉。
 今までフツーに使っていたけど、これ仙台弁なんですってね。
 仙台長かったし、妻もおばあちゃんもよく使うので、ごく自然に使ってました。
 これが標準語でない以上、意味をちゃんと説明する必要がありますね。
 簡単に言うと「いじける」です。機嫌を損ねてイジイジすること。
 で、この「むつける」について、「人がむつける心理」について、ボクは考察してみたくなったのであります。
 自分が本当に「むつけて」いる時は、冷静にそんなこと考えられないので、比較的情緒が安定している今、そのことを考えてみたいのであります。
 人がなぜ「むつける」のかというと、「自分の考えていることや欲していることと、相手の反応が違うから」です。
 自分は褒めてもらいたい、褒めてもらって当然と思っているのに、相手が褒めてくれない。
 自分はガンダムのおもちゃを買ってほしいのに、親が買ってくれない。
 そーゆー時に「むつける」わけです。
(チェッ! いいも〜んだ。むつけちゃうも〜んだ!)
 そういう「内的閉鎖的自己顕示行為」なんですね。
 「むつける」ことによって得られる効果はいたって単純です。
 前者の例でいうと、「褒めてもらう」ことであり、後者は「負けたよ、しゃーねーな、買ってやっから」ということです。
 しかし、これをあまり強情にやり過ぎると、今度は相手も意地になります。
 ボク布団に潜って「むつけて」いる。心の中では「早く来てなぐさめてくれよ」と思っている。最初は相手が来て少し譲歩的な言葉をかける。でもボク「フンッ!」という態度で、自分は本当に「むつけて」いることを表現する。
 そーゆーことが何度かあった後、ボク「そろそろ折れてやってもいいかな」と思い始める。「しゃあない、次来たら起きてやるか」などと思って待っている。
 だが、いくら待っても相手来ない。その頃、相手も「いい加減に勝手にしろ!」という気になっている。だから来ない。待っても待っても来ない。
 こういう経験ありませんか? ボク何度もあります。今でもちょくちょくあります。
 そーゆーわけで、「むつける」場合は、折れるタイミングが非常に重要なのです。このタイミングを図ることが、正しい「むつけ」のテクニックなのです。
 長々と考察を深めてきましたが(えっ? どこが?)、ボクが言いたかった本当の意味。
 それはですね。「むつける」人ってかわいいな! ってこと。
 だって、罪ないじゃないですか。布団でモジモジしてるだけなんですから。
 これが「切れ」たり、「逆切れ」たり、「逆恨ん」だり、「刃物を持って暴れ」たり、「ムシャクシャして無差別に包丁を振り回し」たり・・・。 ああ、オソロシ!
 ねっ! みんなもっと上手に「むつけ」ましょうね! 

 (2011.05.22)   △このページのトップへ

『事業部制』91

 弊社の新事業部のことを以前書いた。
 裁縫事業部のこと。
 しかし、こうして生活していると、まだまだ「事業部」と呼んでいい部署があることに気付いた。
 村の三役をやっているボクとしては、村の事業部を例にとりながら、弊社の事業部制を考察してみたい。
 まず、村には『環境衛生部』というのがある。弊社におけるこの分野の部長は、1も2もなく「おばあちゃん」であろう。彼女のお陰で仕事部屋はいつもピッカピカ!
 次に、『体育部』。この部長はどうしたってボクであろう。大したことやってないが、『卓球大会』の執行責任者ということで抜擢していただきたいものだ。
 あと、『文化部』というのがあるが、これはそうだな。代表ってとこかな。映画とか読書とかそーゆーことにリーダーシップを取ってるからな。
 『山林土木部』については該当なし。最も苦手な分野だから・・・。
 『納税部』については・・・。
 ああ、はっきり言って仕事ないです、これ。 払うものないから・・・。

 (2011.05.22)   △このページのトップへ

『以心伝心』90

 買い物中、おばあちゃんは突然いなくなる癖がある。
 何か欲しいものを思いつくと、ボクたちに何も告げずに消えてしまうのだ。
 昨日もスーパーAMANOで買い物をしている途中、突然いなくなった。
 まあ、いつものことだからと思って、ボクたちは買い物を続けていた。
「そのうち戻ってくるわよ。それより今日のシアター用のデザート何か買わない?」
「いいね。どら焼きなんかどう?」
 ボクらは、生クリームとあんこの入った『どら焼き』を3個カゴに入れた。
 ややあって、おばあは戻ってきた。手に何やら茶色いものを持っていた。
 見るとそれは、ボクらと同じ『どら焼き』だった。以心伝心。
 ただそっちには栗が入っているらしく、包みに『栗』と書いてあった。
 ボクらのほうがやや大きく、値段は118円。栗入りどら焼きは98円だった。
 おばあは、しばらく2つを見比べていたが、
「そっちにすっぺ!」
 と言って、そそくさと自分の『どら焼き』を戻しにいったのだった。 

 (2011.05.21)   △このページのトップへ

『手ぐすねシアター』89

 風呂から出ると、おばあちゃんはしっかり座っていた。シアター特待席に。
「今日は9時からだっちゃ!」
 と言われた。
 1分前だった。
 本人は一番風呂に入ったので、髪も乾かし余裕で氷水を飲んでいる。
「わあ〜、楽しみだなあ〜」
 ボクの髪は濡れている。
「あっ、9時なるっちゃ、ほれっ!」
 ドライヤーを持った手を置くしかなかった。

 (2011.05.21)   △このページのトップへ

『味噌汁の詩』88

 ボクはお風呂で歌うクセがある。
 昨日はなぜか『味噌汁の詩』を歌っていた。
 たぶん茶の間で、「そろそろ味噌を作んなきゃね!」という話をしていたからだろう。単純なのだ。
 大きな声で、歌は佳境に入っていった。
「忘れちゃならねえ、男意気〜」
 歌い上げた。その時だった。戸の向こうで声がした。
「いいぞっ!」
 おばあちゃんだった。

 

 (2011.05.21)   △このページのトップへ

『本腹と別腹』87

 お昼に『ブリの照り焼き』を食べた。
 おばあちゃん大満足!
「こういうの食べたかったぁ〜!」
 と言った。
 こんなんでよければ、どんどん食べさせるよ〜。
 さて、そのあと代表がこんなことを言った。
「ああ、甘いもの食べたい!」
 本腹は満腹なのに、別腹が減るのだという。
 そう言われると、ボクも何だか無性にチョコレートかケーキが食べたくなった。
 長い「おばあちゃんとの同居生活」で、腹が自然にそういうモードになっているのだろう。
 甘いものを探したがなかった。おばあちゃんの部屋をのぞいた。
 あった! サツマイモ4本!

 (2011.05.20)   △このページのトップへ

『エリート』86

 被災地では、仕事がある人はエリートだと誰かが言っていた。
 なるほど。
 ボクの周りにもそういう人がいる。
 鈴木東栄氏のメール。

 ヤッシ、自慢だけど5月9日から、7月7日まで休みがないのよ。趣味の多い俺の平日の唯一の楽しみは(1)お前のブログを読む事(2)山平が上京するくらいしかないのよ。(2)が、6月上旬に実現します。この2つがなければ、山手線に喧嘩を挑んでいましたね(笑)(笑)。

 その「あるまんど山平」もまた、ゴールデンウィークからよく働いているようだ。被災地にも行って演奏している。
 みんな、そういう意味では「エリート」と言える。
 もっと身近にも「エリート」がいる。代表とおばあちゃん。おばあちゃんなどは「超エリート」だろう。
 そんな「エリート」に囲まれながら、ボクは・・・。
 ボクは・・・。
 明らかに・・・
 落ちこぼれている。

 (2011.05.20)   △このページのトップへ

『裁縫事業部』85

 ことなひまめ事務所に新しい事業部ができました。
 裁縫事業部です。この新事業の成否が当事務所発展のカギになりそうな気配です。
 事業部長はもちろん高橋桂子さん、78歳。
 『現場第一主義』の代表は、自ら現場に足を運びその立ち上がりを手伝っています。
 現場視察を終えた代表は、ボクに向かってこう言いました。
「真面目な社員だなあ。給料やってないのに・・・」
 少なからず給料をもらっているボクは、その言葉にドキッとなりました。

  

 (2011.05.20)   △このページのトップへ

『おばちゃんはシアタータイムがお好き』84

 3人で観た映画を列挙してみましょう。

 『ウホッホ探検隊』 (根岸吉太郎 監督 森田芳光 脚本 田中邦衛 十朱幸代 他)
 『地の涯てに生きるもの』 (森繁久彌 他)
 『箱根風雲録」(山本薩夫 監督 河原崎長十郎 他)
 『鏡の女たち』(田中好子 岡田茉莉子 他)
 『名もなく貧しく美しく』(松山善三 監督 高峰秀子 小林桂樹 他)
 『みんなの家』(三谷幸喜 監督 田中邦衛 他)
 『雨あがる』(小泉尭史 監督 寺尾聡 宮崎美子 他)
 『無法松の一生』(稲垣浩 監督 三船敏郎 高峰秀子 他)
 『黒い画集』(松本清張 原作 小林桂樹 他)
 『東京暮色』(小津安二郎 監督 笠智衆 有馬稲子 原節子 他)

 では、観ながら3人で食べた「おやつ」を列挙してみましょう。

 『シュークリーム』
 『バームクーヘン』
 『キャラメルコーン』
 『鏡せんべい』
 ・・・やめた。
 有り過ぎてムリ!

 (2011.05.20)   △このページのトップへ

『色のイメージ』83



 この色の組み合わせから連想するのは、5月に何度も通った、どこまでも続く大潟村の「桜と菜の花ロード」です。きれいだったな。
 もう一つ、イメージするもの。それは・・・。
 今ではもうすっかり飽きて食べなくなってしまった、秋田の風物詩『ババベラアイス』。

 (2011.05.20)   △このページのトップへ

『おばあちゃんアート』82

 縫製工房でいろんなものを作っているおばあちゃんだが、今日はこれを紹介します。
 こないだ秋田に行った時、土崎ジャスコで買ってもらった『電動もみもみクッション』のカバーで〜す。
 ちなみにこのクッション、すごく気持ちいいの。ボクの腰痛解消グッズ!
 で、おばあちゃんにも6月30日の誕生日にプレゼントすることにしてるのね。

    

 (2011.05.19)   △このページのトップへ

『縫製工房の職人さん』81

 おばあちゃんは、またしてもボクたちにツラレて7時半頃起きてきた。
 そして、突然こんなことをやり始めた。
 なんと! カウンターテーブルを作業台にしてエプロンの制作に入ったのだ!
 この分では、そのうち『ドレス』を作ると言い出すに違いない。
 ボクも、U子の結婚式用の『タキシード』でも作ってもらおうかな。

    

 (2011.05.19)   △このページのトップへ

『5時に起きてしまった執事さんの失態』80

 失態をしました。
 代表よりあとに出社してしまいました。うかつだったあ〜。
 代表も代表です。
 5時起きでいいって言ってたじゃないですか!
 それを急に抜け駆けするなんて・・・。
 約束どうり起きたボクが、まるで大遅刻したみたいじゃないですか!
 執事失格みたいじゃないですか!
 超急ぎ案件をトトトト中の代表に、ボクは今、あったか〜いモーニングコーヒーをいれて持ってきたところです。
「コーヒーおいしい!」
 その一言で、代表が怒っていないことを知って、執事はちょっと安心しました。
 あっ、「掃除婦兼お茶汲み係」ですか? 彼女はね、ククッ、まだ寝ているようですよ。
 甘いな。まだまだだな。

 (2011.05.19)   △このページのトップへ

『軍茶利明王(くんだりみょうおう)』79



 この人が軍茶利明王(くんだりみょうおう)です。
 軍荼利明王(クンダリ)は成立過程がはっきりしませんが、名前の通りクンダリーニの力を象徴したものではないかと思われます。一面八臂です。
 五大明王中南方に位置。軍茶利とは梵語「クンダリ」を音写したもので、言葉の意味は「とぐろをまくもの」となっています。特徴として身体の各部に蛇が巻き付いています。
 この明王は主に、目に見えないが我々に悪さをする子悪魔を懲らしめると伝えられています。

 話は全く変わりますが、ボクは今日「五城目衛生社」というところにお願いして汲んでもらいました。2,940円分。
 そしてたった今、衛生社のおにいさんは帰っていきました。
 直後ですから激しく臭いです。
 たまたま自室で裁縫をやっていたおばあちゃんですが、その部屋が最も臭いと思われます。トイレに最も近いですから。しかも、不覚にも彼女は戸を開けっ放しでした。
「おばあちゃん、臭くない?」
 鼻をつまみながらボクらが聞くと、彼女はこう言いました。
「大丈夫。臭くないよ」
 えっ! 「耳」の次は「鼻」? フト心配になりました。
 あっ、そうそう、写真の人忘れてた。
 あのね、妻がこんな面白いことを言ったのね。
「くんだりみょうおう、クンダラニーオウ、汲んだら臭う!」
 うまい!
 「クンダリ」の意味が「とぐろをまくもの」っていうのも何だか・・・言い得て妙!

 (2011.05.18)   △このページのトップへ

『ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン!』78

 玄関用の呼び出しチャイムってありますね。
 うちにも付いてます。
 最近、それが鳴る頻度がガゼン高まってきました。来客が多いからです。
 でも、フツーは「ピンポ〜ン!」って鳴らして、こちらが出て行ったらもう鳴りませんよね。出て行ったんだからね。会ったんだから。
 ところがですね、うちのチャイムはいつも鳴りっぱなし。
 ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン!・・・。
 チャイムが壊れているわけではありませんよ。なぜだと思います?
 ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン!・・・。
 離れたところで鳴ってますから、客人もボクも気付かないのですが、家人にはそれが分かります。
「あれっ? 今お客さんいるのに、また誰か来たのかしら? でも変ね。目の前に相手いるんだもんね」
「いや、子ども連れてきたんでない? 子どものいたずら、いたずら」
 はじめ、家人はそう思っていたそうです。
 ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン! ピポピポ〜ン!・・・。
 しかし、あまりにもしつこく連打する音に耐えかねて、妻が覗いてみると・・・。
 玄関先で話している客が押していたんですね。壁に寄りかかった拍子に肩とか背中で。
 ちなみに、ボクの相棒の「チョロさん改めモンちゃん」は、30分間押し続けていたことがあったそうです。 

 (2011.05.18)   △このページのトップへ

『年寄りのモンちゃん切れる』77

 昨日の夜、相棒のモンちゃんが血相を変えて勝手口に飛び込んできた。
 手には買ったばかりのA3の紙の束と、それを半分に切ってA4に加工したものが入った紙袋を持って。
「おら、あど全部やめる!」
 と、相棒は言って、それらを上がりかまちに「バンッ!」と叩き付けた。
 キッチンでは、今まさに、おばあちゃんの『鶏五目ご飯』が炊きあがり、『おくずがけ』も完成していた。まさに食べるばかりだった。
 今日もまた、昨日同様、不穏な夜になりそうだった。
「ど、ど、ど、どうしたんですか?」
「今、会長に『おめえ、余計なごどしねえで、担当部長さ任せろ』って言われたんだ」
「・・・」
「おら、少しでも役員の助けになればど思ってやってきた。あんたごど言われだら、おら、もうやめる。全部やめる!」
 相棒の無念さがボクにはよく分かった。ボクだって、本来の仕事ではないことをボランティアでやってるんだ! 会計が何で原稿打たなきゃならないんだ! 誰一人パソコンできないから、しょうがないから代わってやってあげてるんじゃないか!
「あいつ、そんなこと言ったのか! ようし、今から殴り込みだ! そんな『人の気持ちの分からないヤツ』とは一緒に仕事なんかできない! 2人揃って辞表を出すぞ!」
 モンモンコンビの怒りの矛先はマサショーリューに向かった。
「ったく、どんな思いで我々がこの地味な仕事をしているのか。ボクはあなたが紙代を節約するために、A3の紙を買ってきてA4に加工する姿を知っています。それは涙チョチョ切れる姿です。それから、あなたはボクの原稿の誤植を見つけて、修正液を塗って「2」を消して、その上に、昔、役場で使っていたであろう『クルクル回して数字を選ぶキャタピラのような形のゴム印』で「3」を押す巧妙なテクニックも知っています。「3」の文字が少しばかりでかくて太かったために、いささか周りの文字とのバランスが悪くなったけれど、それでもあなたはボクに恥をかかせないように頑張ってくれました。もっと言いましょうか? あなたは、そうやって作った原稿を持って『ふれあいセンター』まで行き、そこでも経費節約のために、原稿を2枚並べてコピーしていましたね。それを裁断機で半分に切って、今度はそれを各組長ごとに束にして、それをクルクル丸めてから紙で『はちまき』のような帯を作り、帯には墨をすって毛筆で1枚1枚組長名を書いて、そうしてそれを紙袋に入れて牛乳配達人のような格好で配布して回っておりました」
 ボクは、ここでひと呼吸おいた。
「そーゆー、裏方の地味〜な努力、けなげな頑張りの一部始終をボクは知っているのです! なのに、なんだあいつは! 冗談じゃない! ふざけんな! さあ、行きましょう! 行って辞表を叩き付けてやりましょう!」
 相棒のモンちゃんは、自分以上にエキサイトしているボクを見ているうちに、心が穏やかになってきたようであった。
「まっ、そー熱ぐなるな」
「で、でも・・・」
「まっ、裏方はそーゆーもんだで」
 そう言って、彼はコピー用紙の束を手に持った。
「まっ、ほいでも、おめえの頼みだばやっから」
 帰ってゆく彼の後ろ姿は、ちょっとだけ誇らしげに見えた。 

 (2011.05.18)   △このページのトップへ

『悶々コンビ』76

 悶々している人たちがいる。
 コンビと言うからには2人である。
 どちらも村の自治に関わっている人である。
 1人は指示された原稿を作るボクであって、もう1人はその原稿をコピーして配布するチョロさんである。
 なぜ2人が「悶々コンビ」かというとですね。
 訂正、修正がいっぱい来るからである。
 担当部長と会長マサショーリューとのコンセンサスが取れていないのが原因。
 そもそも原稿を作る前に、そーゆーことはやっておいてほしい。
 作る→見せる→却下→やり直し・・・こっちの身にもなってもらいたい!
 昨日も修正があった。おとといもあった。
 その度にボクらは振り回されているのである。
 「年寄りのモンちゃん」と「中年のモンちゃん」のモンモンはまだまだ続きそうである。

 (2011.05.18)   △このページのトップへ

『イモ天、ナス天』75

 昨日、おばあちゃんは「耳大丈夫宣言」で気を良くしていた。
「私がご馳走すっから!」
 そう言って、診察後、今回で2回目となる『釜揚げうどん』へ。
 すっかり要領の分かったおばあちゃんは、長い「天ぷら回廊」を自信満々に進んでいった。
「さあ、食べよう!」
 となった時、おばあちゃんはチョイスした自分の天ぷらを箸でチョンチョンしながらこう言った。
「あれっ? これ変な形したイモだなあ」
 それはイモではなかった。「ナス」だった。

 (2011.05.17)   △このページのトップへ

『サイアクな夜』74

 今回のおばあちゃん滞在期間のおける、待ちに待った最大級のイベントが企画されていた。
 夕べはサイコーの夜になるはずだった。
 「わかば」で買ってきた「フィレステーキ」にからし醤油をつけて食べながら、おいしいワインを飲み、シアタータイムでは『無法松の一生』を観て、オリちゃんにもらったバームクーヘンを食べるはずだった。
 それが・・・。なんてこった!
 そうだ、すべてはアレから始まったんだ、アレから。

 ボクがステーキをまさに焼き上げようとしていた時だった。その訪問者はやってきた。
 土木山林部長のテンシサマ氏だった。
 ボクがおととい半日もかけて作ってあげた「共同作業の通知文」に、マサショーリュー氏がケチをつけたとのことだった。
「差し止め食らってよう。なんとが作り直してけにゃすか」
 と彼は言い、修正箇所をあれこれ指示した。
 だったら自分で作れよ! そう思いながら、彼の話を聞いていた。
 ステーキが気になっていた。待っている家族の顔が気にかかっていた。だんだんボクは憤慨してきた。
 しばらくして彼が帰ったあとも、ボクの憤怒は収まらなかった。
 すっかり冷めたステーキをもう一度焼き直して食べ始めたものの、ボクのテンションは高まるどころかどんどんしぼんでいった。奈落の底に落ちていた。
 やり場のない怒りに身を任せてガツガツ肉を切り、どんどん口に運んだ。ゼッンゼン味も素っ気もなかった。そして、そのままふてくされた態度で寝てしまった。
 妻もおばあちゃんも、何事が起こったのか分からずポカンとしていた。あとで聞いた話では、おばあちゃんは「私が自分のもやしをやったせいだべが?」と、トンチンカンな責任を感じていたそうだ。
 夜中に腹痛で目覚めた。消化不良の下痢だった。何度もトイレに立った。
 もう何もかも嫌になった。
 サイアクな夜。悪夢のようなディナー。
 今朝起きて、またしてもにっくき町内会の雑用をこなしながら、何となくしらけ切っている職場の雰囲気を肌で感じている。
 いづい・・・いづらい。
 謝ろう。そうすれば楽になる。
 ごめん・・・。

 (2011.05.17)   △このページのトップへ

『耳は何でもなかったよん』73

 「くみあい病院」は朝7時から受付している。さすがJA関係の病院だなあ。
 ボクたちはそんなに早くは行けなかったが、それでも9時過ぎには着いた。
 待たされること3時間、その間、ボクは暇を持て余して、本棚にあった『乳幼児向けの絵本』を13冊読んだ。
 お昼前にやっとおばあちゃんの診察が終了。
 結果、ぜ〜んぜん、な〜んでもないことが判明した。よかった、よかった。
「な〜んだ。ドキドキして損した」
 おばあちゃんはそう言った。こうも言った。
「薬ひとつ出ないのに、3時間も待ってバカみたい」
 この、このー! 強がっちゃって!

 (2011.05.16)   △このページのトップへ

『おばあちゃんドキドキ』72

 今日はこれからおばあちゃんを病院に連れて行きます。
 朝から彼女、ドキドキしているようです。子どもみたい。
 今は良くなったようですが、震災後、聞こえなくなった『耳』を診てもらうためです。
 場所は、ボクが『尿管結石』の時お世話になった『くみあい病院』。
 そのあと、また『釜揚げうどん』を食べて、買い物をして・・・。
 では、またあとでね。

 (2011.05.16)   △このページのトップへ

『箱の中のスーパーボール』71

 箱の中にスーパーボールを入れて弾ませると、ボーン、ボーン、ボーン、ボーンとあっちゃこっちゃにぶつかりますね。不規則に何回も。
 あんな感じなの。
 昨日の役員会でのこと。最長老チョロさん(推定年齢70歳)の超不規則発言にボクは、すこぶる閉口し、かつ立腹したのである。
「ああ、まんず道路拡幅の件だども・・・」
 会長マサショーリュー氏が言う。議長。
「ああ、んだんだんだ。拡幅だべ。なもバイパスでねばダメだたは・・・」それから一気に5分しゃべりまくった。
 マサショーリュー氏、まだ何も言ってない。次。
「まんず、村どしては町内会長会で・・・」
「ああ、んだんだ。そした方いった、いった。だってそさにゃば何ともなんねたは・・・」それから一気に7分しゃべりまくった。
 マサショーリュー氏の見解が分からない。
 そーいったことが、何百回と続いた結果、会議は3時間半に及んでしまった。
 1人で弾んでるというか、周りの空気が全く読めないというか、会議というものの意味が分かってないというか、議事進行のルールを無視してるというか・・・。
 しゃべりたくてしゃべりたくて、口がかゆくてしょうがないというか、男やもめの悲哀というか、前立腺肥大薬の副作用というか、老人特有の『人の話をぶった切って突っ走る傾向』というか・・・。
 とにかく、この人ちょっと浮いてる。いや、ちょっとじゃないな。かなり浮いてる。
 とゆーか、はっきり言ってメ・イ・ワ・ク・な・の・だ!

 (2011.05.15)   △このページのトップへ

『ことなひまめ事務所の現状』70

 一心不乱のものすごい集中力!
 全員がライバル!
 闘志あふれる職場! 
 やる気みなぎる戦闘モード!
 自立心と協調性の共存!
 一糸乱れぬチームワーク!
 甘えを許さぬ業務完遂意識!
 おやつを寄せ付けぬ自己抑制力!

 以上、職場の現状をキャッチコピーでリポートしてみた。

 (2011.05.15)   △このページのトップへ

『怒り心頭に達す!』69

 日曜だというのに、朝も早よから・・・。
 グィ〜ン、ガダゴド、グィ〜ン、ガダゴド・・・。
 なのであった。ああ・・・。(これ嘆息、ため息)  
 昨日は、7時から10時半まで『いたって真面目な村の役員会』があって、それから風呂に入って寝たものの、なかなか寝付けなかったボクは、寝不足の目をこすって床を出た。
 ボクの怒りは頂点に達していた。
「ちょっと、おばあちゃん!」 
 グィ〜ン、ガダゴド、グィ〜ン、ガダゴド・・・。
「おばあちゃん!!」
 グィ〜ン、ガダゴド、グィ〜ン、ガダゴド・・・。
 掃除機の音で聞こえないらしい。ばあちゃんの肩をツンツンつついた。
「んぇ?」
 おばあちゃんが、つぶらな瞳でボクを見た。
「おばあちゃん」
 トーンが落ちた。
「あっ、や、おはよ!」
 おばあちゃんが笑って言った。
「あっ、おはよう」
 トーンがもっと落ちた。 
「なしたの?」
「えっ?」
「何が用あった?」
「ああ・・・家中・・・」
 ボクはきれいになった廊下を見ながら言った。
「ピカピカだねえ!」

 (2011.05.15)   △このページのトップへ

『ここは被災地ではな〜い!』68

 昨日、風呂に入る予定だったのに、時間が押して入らなかった。
 3人とも、3日も入らなかったことになる。
 非常に不本意なことになっている。  
「だって、私は1ヶ月も入らなかったんだよー」
 おばあはそーゆーが、断じてここは「被災地」ではない!
「頭かゆー!」ボクが言うと、妻は、
「あ〜あ、くさ男とくさ子になっちゃったあ」と切なく言った。
 それを聞いておばあちゃんのセリフがふるってる。
「私は『くさババ』だっちゃ!」

 (2011.05.14)   △このページのトップへ

『ボクはアッシュではない!』67

 またしても「おばあ」のネタ。
「アッシュ!」
「えっ?」  
「あっ、アッシュでね。や、だった」
 アッシュとは、石巻のイヌである。

 7年前のアッシュ君と。

 (2011.05.14)   △このページのトップへ

『掃除婦兼お茶汲み係』66

 またしても「おばあ」のネタ。
 代表に超急ぎの案件が入ったため、昨日は突然「8時まで残業命令」が下った。
 こーゆーこと、つまり「5時には晩酌タイム」が崩れることは極めて珍しいことなのだが、そーゆー切迫した場面を見るのが初めてのおばあちゃんは、「いいよー、私腹へってないもの」と余裕を見せながらも、狼狽していたようだった。 
「私、イモいっぱい食ったもの」とも言っていた。確かにイモはたくさん食っていた。
 トトトトトトト・・・と打ち続ける代表の隣で、おばあちゃんも裁縫の手を忙しく動かしていたが、何かにひらめいたように立ち上がった。
 そして、すぐ帰ってきた。 
 不可解な行動の意味はやがて分かった。
「何か協力すっぺど思って、お湯は湧かしたんだけど、急須が分からなくて・・・」
 お疲れさん! の乾杯をしながらおばあちゃんは言った。
 そうなのだ。彼女はお茶を出そうとしていたのだ。
「何かせずにはいられなくってさあ」
 ありがとう、おばあちゃん!
 代表は、素早く急須の在り処を教えていた。ちゃっかりしてる、この人。
 おばあちゃんの任務がまた一つ増えた。

 (2011.05.14)   △このページのトップへ

『何度も何度もチンしてます』65

 サツマイモはおばあちゃんの大好物。
 それをレンジでチンッ!
「私の研究では、ストーブの上ではグチャグチャになるから、これが一番いいの」 
 そうゆーことらしい。
「チンする時間がポイントなの」
 おばあちゃん、さっきから何度も何度もチンチンチンチンしてます。微調整?
 出来上がったイモがこれですが、熱い熱いと言ってなかなか持てない妻は、ハフハフしながらすでに半分以上食べているボクたちに向かって言いました。
「あんたたち、よくそうやって持てるね!」
「さあね、手の皮が厚いか、それとも食い意地が張ってるんじゃない?」
 ボクがそう言うとおばあちゃんは、口をモグモグさせながら、
「私は後者!」
 と言いました。やっぱし!



 ちなみに、おばあちゃんは一番手前のイモを食べました。でげぇ!
(追記)あとで分かったのですが、真ん中の長いのも半分食べたそうです! どんだけぇ?

 (2011.05.13)   △このページのトップへ

『一歩進んだ局面』64

 いつもいつもの「おばあちゃん」の話題。
 毎年,春と秋におばあちゃんを連れてきて、1週間〜10日くらいの休暇を秋田で過ごしてきた。
 その場合、ボクらはその期間、全面的に休みを取っていた。
 ホストとして、完璧にゲストをお迎えするための準備をしてきたわけだ。
 もっとも、以前にも書いたように、掃除や炊事など、おばあちゃんを「こき使う」ことも多く、そういう意味では「ホスト失格」ではあったが・・・。
 ところが、今回は滞在期間がすでに3週間、過去最長となっている。
 しかも、ボクらの仕事が始まっている。
 おばあちゃんは、「のほほん」としたゲスト気分ではいられなくなった。
 共同生活の「一歩進んだ局面」に入っているわけ。
 ボクたちがパソコンに向かって真剣に仕事をしている部屋に、生地の切れ端を持ってきたおばあは、大きな断ち切りばさみを持って「ジョギジョギ、ジョギジョギ・・・」とやり出した。
 ボクたちの熱気にほだされて、自分も何かやらなければ! と思ったのだろう。
 ヘッドホンを耳にしている妻には、その音が聞こえない。でも、ボクの耳はふさがってない。
「っさい!」
 チラッとそう思うものの・・・不憫でそんなこと言えない。

 (2011.05.13)   △このページのトップへ

『おばあちゃんの味』63

 昨日はトミさん祥月命日だったので、おばあちゃんは張り切って、以下の品目をぜ〜んぶ作った。

 1、ピザトースト・・・これは冷凍しておいて、3人掛ける2日分の昼食となる。タバスコ振って食べるとおいしいよ。
 2、おくずがけ・・・石巻方面の郷土料理。トロ味のあるおつゆ。リカさんが実家でよく作ってくれたが、今回は『元祖おばあ風』である。残り物の野菜を細かく切って、豆腐、椎茸、シラタキなどを入れ、秘伝の味付けで煮込み、最後に水溶き片栗粉でトロ味をつける。味が染み込んだ「まめ麩」が決め手だとボクは思っている。
 3、鶏五目ご飯・・・細かく切った鶏肉と野菜(人参、椎茸など)のダシが絶妙にうまい。鶏肉好きのトミさんはたまらなかっただろうな。

 翌朝とお昼まで食べ続けて完食!
「すっげえうまかったあ!」と、妻絶賛! おかわり、おくずがけ2回、五目ご飯も2回。
「また作って!」とボク。おかわり、同上。
 おばあも「なあに・・・」と言いながら「褒めんなよ、照れるゼ顔」をしている。
 このセットを、あと3回は作ってもらうことを約束した。

    

 (2011.05.13)   △このページのトップへ

『フレッシャーズの失敗』62

 新入社員だから失敗もあるよ。
 気にすんな!
 おばあちゃんは、ボクたちが本格的な仕事モードに入ったため、自分にできる事は何かを自分で発見し、果敢に実行に移している。
 その結果、どういうことが起こっているかというとですね。
 洗濯機が止まらなくなってしまったんです。
 彼女、相当焦ったみたいです。
 ボクたちに声を掛けてはいけない! という判断から、四苦八苦したのち、結局電源コンセントを抜いてしまったようです。
 そーゆーときは、遠慮しないで先輩に聞きな。
 何だか実に初々しいね。
 かわゆいのです。
 また、向こうでガタゴトしてます。
 何かやらかしたようです。
 何だろ?
 洗濯物をぶちまけたのかな?

 (2011.05.12)   △このページのトップへ

『つられて飛び出たおばあちゃん』61

 代表とともに7時出勤。
 いつもならまだ熟睡しているおばあちゃんだが、ボクらにつられて飛び出してきてしまった。
「いいんだよ、おばあちゃん。まだ寝てても」
 ボクがそう言うと、おばあちゃんからは予期していた言葉が返ってきた。
「だれ、あんだ! 私4時から起きてんだけんど、あんだだつうるさいと思って起きなかっただけなんだよ」
 やっぱりそう言うと思った。
 ヘッドホンをして仕事にかかっている代表に、モップを持ちながらおばあちゃんは盛んに話し掛けているが、その会話は成立していない。
 おにぎりを食べながら、やっと一息ついている間も、今こそとばかりにおばあちゃんは話し掛ける。
 なかなか話が終わらない。
「どうれ!」
 と、強引に話をぶった切って、代表はトトトトトト・・・を始めた。
 おばあちゃんは仕方なく、「ごっつおさん!」と言ってモップを持って立ち上がった。
 『掃除婦』の使命感に燃えた目をしている。
 頼もしくも・・・ちょっぴりこわっ!

 (2011.05.12)   △このページのトップへ

『本を読まないとバカになるよ!』60

 これは、昨日晩酌タイムでおばあちゃんが言った言葉です。
「本は想像力をふくらますんだよ」
 とも。
 「本を読まない時代」になって久しいですが、おばあちゃんの意見にボクも賛成です。
 こういう仕事柄、本は読むほうだと思いますが、それでもまだまだ読みが足りない!
 想像力をふくらますためにも、皆さん、本読もうよ!
 そうそう、いい本がありますよ。
 『十六団子』(夏目椰子著)
 なんちゃって・・・。

 (2011.05.11)   △このページのトップへ

『一時はどうなることかと・・・』59

 朝、ボクだけ大寝坊して10時半ごろ出勤しました。
 昨日、飲み過ぎたせいでしょう。 
 こんなことは滅多にないことです。代表とおばあちゃんは、当然のように朝食のおにぎりを食べ終えておりました。
 ボクは恐縮しながら、遅いコーヒーをいれました。
 パソコンに電源を入れました。動きません。
 「うん」とも「すん」とも言いません。
 どうしたの「MAC」ちゃん? 君も眠いの?
 それから今まで、ボクはふたを外してMACちゃんの修理をしてました。かれこれ4時間。
 おじいちゃんからもらった「ハンダごて」まで動員して悪戦苦闘の末、ついにMACちゃんは復活したのでした!
 これがないと、ホームページの更新などWEBに関係した仕事は何もできないので、本当に焦りましたが何とかなりました。
 そんなわけで、やっとエッセイ書けました。

 (2011.05.11)   △このページのトップへ

『怪獣ガラモン』58

 おばあちゃんは若い頃・・・。

  

 『怪獣ガラモン』だった!
 えっ? 分からない?
 『ウルトラQ』に出てた人。
 こーゆー人よ。どう? 似てるっしょ?



 (2011.05.10)   △このページのトップへ

『シアターおばあ』57

 晩酌タイムおよび夕食を8時〜8時半に切り上げ、シアタータイムに移る。
 観るのは、古〜い日本映画。
 NHKのBSプレミアムでやってる『山田洋次監督が選んだ家族の映画50本』を観る。
 昨日は、去年12月に86歳で亡くなられたデコちゃんこと高峰秀子の、『名もなく貧しく美しく』だった。夫の松山善三がメガホンを取っている。
 いい映画だったなあ〜。泣けたなあ〜。
 おばあちゃんが買ったシュークリームを食べながら、じっくり3人で堪能しました。
「あのさっ、明日も観っぺしねえ〜」
 映画を観終えたおばあは、そう言いながら、そそくさと歯磨きをしに行ったのでした。ウキウキした女学生の顔で。
 いいよっ!

 (2011.05.10)   △このページのトップへ

『この方、誰?』56

 驚いたなあ。
 いやあ、本当に驚いたなあ。
 この方、誰?
 こういう写真が3万枚くらい出てくる。
 もしかして、この方すごい人だった?
 踊り子や女優でも食っていける方だった?
 いやあ、ほんまに、驚いてしまったなあ・・・。
 この人、今、ボクの妻よ、妻!

   ★写真上段左はステージママらしい。

 (2011.05.10)   △このページのトップへ

『十六団子が大好評!(だったらいいなあ)』55

 ボクが書いた長編小説の連載が大好評だ。反響がすごい!(だったらいいなあ)
 毎日少しずつ掲載しているのだが、いよいよ『第1部の第2章』(起承転結の「承」)までさしかかってきている。
 「十六団子」の謎が少しずつ解き明かされようとしている。
 こっからもっと面白くなりますよ! 是非是非ご覧下さいね!

 (2011.05.10)   △このページのトップへ

『外食禁止令』54

 大潟村のK歯科に行った。
 大潟村へ行くのは、おばあちゃんが来てから計4回目。
 1回目はまだ花が咲いていなかった道が、2回目は菜の花が咲き始め、3回目は桜が満開。今回はその桜もすっかり葉桜になっていた。
 春から初夏へ。季節の移り変わりを見ながら、ボクらはまたその道を通った。
 2人を『道の駅』に下ろした。ここは3回目。買い物好きのおばあちゃんにはたまらない場所だ。
 『黒味噌ラーメン』というメニューを食べた。こっちに来て2回目の外食だった。「釜揚げうどん」以来。
 うまかった。全員満足。
 ところがギッチョン。
 帰ってきてから妻のお腹に異変が・・・。
「おいしかったけど、お腹に合わないみたい」 
 トイレから戻ってきた妻が言う。
「そうだね。後味がダメだよね」と、ボク。
「2人には悪いけど、私はここで作ってもらって食べるのが一番! 外食禁止、禁止!」
 うれしいこと言ってくれるじゃん、おばあちゃん。 

 (2011.05.10)   △このページのトップへ

『不思議なサイレント・トーク』53

 村に1件の雑貨屋『イトショー』。そこの奥様の名前は「マサコさま」ということは前にも書いたと思う。
 彼女は、ボクのために、タバコをキープしておいてくれ、入荷の際には電話までくれるリッパな方なのである。
 今日、そこにタバコを買いにいった。
「すいませ〜ん、アレありますか? アレ」
 こういう状況なので、ボクの声は自ずと小さくなった。ささやくようなサイレント・ボイス。
 それに答えて彼女はこう言った。ボクよりもさらに声をひそめて、ごくごく小声のヒソヒソ声。
「あっ、あります、あります」
 ボクはもっともっと小さな声でこう言った。手を卑屈にすりあわせながら・・・。
「3個、3個、3個、いいですか?」
「は、は、はい。いいですよ、いいですよ」
 何だかちょっと「やらしい」感じになってきた。
「あっ、ども、ども、ども」
「いえ、いえ、いえ」
 何だかだんだん「昼メロ」っぽくなってきた。ボクはタバコを受け取り、何だかドキドキしながらお金を払った。手が震えた。
「あっ、ども、ありがとう、ご、ご、ございました」
「いえ、また、また、またどうぞ」
 最後まで不思議なサイレント・トークだった。何だったんだ、あれは。
 そのことを、クルマで待っていた妻とおばあちゃんに告げると、彼女たちは死ぬほど笑い転げた。バカみた〜いって・・・。

 (2011.05.09)   △このページのトップへ

『若過ぎ!』52

 妻が宮城学院大学を卒業した時の写真である。
 写っているのはいるのは、卒業式に参列したおじいちゃんとおばあちゃんである。
 若い! ヒュ〜、ヒュ〜!
 妻が昔の写真を整理していたら出てきた。
 もっといろいろ「驚きの写真」が出てきそうである。
 追ってご紹介します。



 (2011.05.09)   △このページのトップへ

『アレとソレのせめぎ合い』51

 ちょうど機が熟していた。
 機が熟していた場所は『トイレ』であった。
 その時ボクは、『入れ歯』が装着されていないことに気付いた。
 昨日、寝てて飲んでしまったのだろう、と思った。半分レム睡眠中の頭でそう思った。
 こないだ作ったばかりだった。5000円もした。妻の怒った顔が浮かんだ。
 腹をさすってみながら悩んだ。このまま機ウンに任せて、快楽に身を委ねて、事を遂げてもいいものだろうか?
 「もったいない」と「仕方ない」が攻防する。「くやしさ」と「あきらめ」の気持ちが交互に突き上げてくる。
 機が熟しているだけに、冷静な判断が難しい。
 「アレ」にまみれた「ソレ」がチラッと脳裏に浮かぶ。
 割り箸を持って、「アレ」の中から「ソレ」を救出している「哀れで卑屈な自分」が頭をよぎる。
 たった5000円惜しさに、そこまでへりくだっていいものだろうか? 
 人間の尊厳を放棄していいものだろうか?
 「尊厳」と「卑屈」がせめぎあう。脂汗が出る。
 ボクは「尊厳」を取った。
 「アレ」を放出し、「ソレ」を捨てた。
「勝ったぁ〜!!!」
 ズボンを上げながら、勝利の雄叫びを上げた。

 結局「入れ歯」はね、洗面所のとこにあったのね。ホントにしょもないね。 

 (2011.05.09)   △このページのトップへ

■エッセイ『ことなひまめのオッペケペーですっとこどっこいな日常』パート2(〜50はこちら)

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